2024(R6)年度 千葉県共通問題(一次検査)

2024年2月19日

カテゴリー : 中学受験/公立中高一貫校受検

出題校

千葉県の中高一貫校では、千葉県の共通問題を使用して、適性検査が実施じっしされます。
各学校の問題は、次の表の通りです。
(共通=千葉県共通問題、独自=学校独自の問題)

 

適性検査
1-1
適性検査
1-2
適性検査
2-1
適性検査
2-2
千葉県立千葉中学校
共通
共通
共通
共通
千葉県立東葛飾中学校
共通
共通
共通
共通

適性検査
1-1
適性検査
1-2
適性検査
2-1
適性検査
2-2
千葉県立千葉中学校
共通
共通
共通
共通
千葉県立東葛飾中学校
共通
共通
共通
共通

※1-1・1-2が「一次検査」、2-1・2-2が「二次検査」となります。

 

全体的な傾向けいこう

問題の構成や傾向について、前年度からの大きな変化はありませんでした。

・適性検査1-1
2問構成で、大問1は環境かんきょうにやさしい生活についての問題、大問2は公共交通に関する問題が出題されました。

・適性検査1-2
2問構成で、大問1は食塩水の体積と重さや温度による水の体積変化に関する問題、大問2は図形の性質や分数、データの分析ぶんせきに関する問題が出題されました。

試験時間に対して問題量が多く、問題文から情報を読み取るスピードが求められます。
各問題の難易度なんいどにばらつきがあるため、確実に得点できる問題を見極めることが重要です。

 

問題ごとの分析ぶんせき

適性検査 1-1(45分)
大問1

共通問題(社会分野)

〇テーマ
環境にやさしい生活

〇内容
地球環境を守り、社会的課題を解決するためにどのような消費行動を行えばよいかについて、統計などの資料などに基づきながら、論理的に考察する。

 

概要がいよう

衣服の供給きょうきゅうと消費、二酸化炭素の排出はいしゅつなどについて、会話文や資料を読み取り、わたしたちの消費行動について省察する問題です。
表やグラフなどの資料が多く会話文も長いため、どの問題に時間をかけるかを素早く判断することが重要です。
また、「カーボンフットプリント」「バーチャルウォーター」「エシカル消費」など、多くの人にとって聞きなじみのない言葉が使われていますが、
あわてずに、前後の文から意味を理解することが必要です。
問題の形式としては、会話文の空欄くうらんにあてはまる言葉・文を答えるものが多いため、資料からわかることを自分の言葉で説明する力が必要になります。

◆問題ピックアップ!

(※差がついた1問や必ず得点しておきたかった問題などをご紹介します)

(10)
マイバッグやレジぶくろを買い物に使用した回数と二酸化炭素の排出量の関係についてのグラフを読み取り、二酸化炭素を削減さくげんするためのマイバッグの使い方について文で解答する問題です。
資料には、折れ線グラフが4つもあり、一見複雑そうに見えますが、「マイバッグを一定以上の回数まで使わないと、レジぶくろを使用するよりも二酸化炭素を多く排出してしまう」ということに気づきさえすれば、解答はそれほどむずかしくありません。
なお、設問文に書いてある条件(すべてのグラフにふれながら書く)にしたがって解答することも重要です。

 

大問2

共通問題(社会分野)

〇テーマ
公共交通について

〇内容
公共交通の合理的な利用法や、人々の利用状況じょうきょうの変化について考察し、よりよい公共交通の在り方について課題解決法を考える。

 

概要がいよう

まず、運賃うんちんと所要時間について、計算をともなう問題があります。計算問題は、ほかの問題に比べると難度が高くないので、条件に注意しながら、確実に正解する必要があります。
次に、三大都市圏としけん・地方都市圏について、交通手段の利用状況の変化を読み取る問題があります。複雑な内容ではないですが、適切なもの(○)、適切でないもの(×)のほかに、資料からは読み取れないもの(△)も判断することに注意する必要があります。
最後に、「デマンド交通」「グリーンスローモビリティ」についての資料を読み取り、記述問題や正誤問題に答えた上で、それらをふまえて、「よりよい公共交通」について提案する問題に答えます。大問1同様、会話文の空欄にあてはまる言葉・文を答える問題が多いため、前後の文のつながりなどを意識して、短くまとめる必要があります。
提案を行う問題は、複数の対象からいずれか1つを選んで解答するという、適性検査で頻出ひんしゅつのパターンとなっています。自分がしっかり解答できる対象を素早く判断することが必要です。

◆問題ピックアップ!

(8)
A地区~C地区のうちいずれか1つの地区を選んで、「よりよい公共交通」にするための提案を行う問題です。
難しさを感じた人も多いと思いますが、まずは、A地区~C地区の特ちょうをまとめた表や、地図、会話文をしっかりと読み、

・それぞれの地区にはどのような特ちょうがあり、何が課題になっているか。課題解決のために何をすればよいか。
・自分が課題解決を提案しやすい地区はどこか。

を、素早く考えてから、書き始めるようにしましょう。
なお、課題をとらえて解決に向けて筋道すじみちを立てて考える力は、学校生活や社会生活のさまざまな場面で必要となるため、適性検査で頻出のテーマとなっています。

 

適性検査 1-2(45分)
大問1

共通問題(理科分野)

〇テーマ
食塩水の体積と重さ、温度による水の体積変化

〇内容
食塩水でそうを作る。身近な道具で作った温度計のしくみを考える。

 

概要がいよう

(1)
同じ体積の水にとけている食塩の量が異なる食塩水A~Eで、5つの層を作るために、食塩水A~Eを入れる順番を考える問題です。食塩水を2つずつ入れたときの層の有無の結果から、順番を1つずつ整理することができます。

(2)
ペットボトル、ストロー、水で作った温度計のしくみを考える問題です。気温によって水面の位置がかわるようすを、水や空気の体積変化と関連づけて考えることがポイントです。

(3)
ビンのうきしずみを利用した温度計のしくみを考える問題です。水の中のビンがうきしずみする条件を、あたえられた資料から読み取ることが大切です。

◆問題ピックアップ!

(3)③
18℃に対応する小ビンを作るために必要なビーズの重さを求める問題です。
みおさんの発言から、小ビン1㎤あたりの重さと水1㎤あたりの重さが同じになれば、小ビンが水中の真ん中あたりにうかぶことがわかります。つまり、ビーズを入れた16㎤の小ビンの重さが、18℃の水16㎤の重さと同じになればよいということです。
温度によって水1㎤あたりの重さがちがうことに注意して、条件を満たすビーズの重さを求めましょう。

 

大問2

共通問題(算数分野)

〇テーマ
図形の性質、分数、データの分析

〇内容
条件に合うように、矢印が回転する角度を求める。分数を単位分数の和で表す。条件に合うように、貸し出された本の冊数さっすうを求める。

 

概要がいよう

(1)~(3)の3問構成です。どの問題でも、問題文の思考の流れを読み取ってうまく誘導ゆうどうに乗ることで、効率的に考えることが大切です。

(1)
矢印の通った道筋みちすじで図形をえがくプログラムについて、回転する角度などを求める問題です。どこの角度が必要なのかを丁寧ていねいに考えましょう。

(2)
紙を等分していく考え方を使い、あたえられた分数を単位分数(分子が1の分数)の和で表す問題です。検討けんとうする範囲はんいをしぼったうえで、それぞれの場合を順に試していきましょう。

(3)
条件に合うように貸し出された本の冊数を求める問題です。表やヒストグラムの読み取りはもちろん、数値すうちを読み取ってからも論理的な考察が必要で、難度の高い問題です。

◆問題ピックアップ!

(2)②
「2/9」をことなる2つの単位分数で表す方法を説明する問題です。
「2まいの紙を9等分する」方法を考えますが、例えばそれぞれの紙を4つに分けても、全部で8枚にしかならないので、9等分するには足りません。このことから、それぞれの紙を5つ以上に分けなければならないことがわかります。このようにして考えるべき範囲をしぼり、順にためしてみることで、素早く正解にたどり着くことができます。
解答の記述では、問題文にある【ひろさんの考え】の形式をまねることで、わかりやすく説明することができます。

 

とくにばしておきたい力

千葉県の一次検査では、「5つの力」をバランスよく伸ばすことが求められますが、より伸ばしておきたい力として、情報整理・運用力、論理的思考力、課題解決力が挙げられます。

 

・適性検査問題1-1

【大問1】
情報整理・運用力、論理的思考力が必要です。解答に必要な情報を素早く見つけ、整理する力を身につけておくことが重要です。また、論理的な説明を行う力を伸ばしておきましょう。

【大問2】
課題解決力が特に必要です。目的を達成するためにどのような解決策かいけつさくが考えられるかという視点してんで、問題を解けるように練習しておきましょう。

 

・適性検査問題1-2

【大問1】
教科基礎力、情報整理・運用力が必要な問題です。理科の基礎的な知識はしっかりと身につけ、それらを応用できるようにしておきましょう。
また、あたえられた表やグラフから必要な情報を読み取る力も大切です。

【大問2】
論理的思考力が必要な問題です。問題文の条件をもとにして、順序立てて考えていく力をつけておきましょう。

 

 

おすすめの学習法

比較的ひかくてき解きやすい問題がある一方、答えを出すためにはかなりの時間を要する問題も出題されています。
時間内により多くの問題を解くために、情報を素早く正確に読み取る練習を積むことが大切です。
問題ごとに、おすすめの学習法をしょうかいしますので、参考にしながら学習を進めていきましょう。

 

・適性検査問題1-1

【大問1】
あたえられた資料から必要な情報を素早く見つけ出し、自分の言葉で説明する練習をしましょう。また、論理的な説明を行う練習も必要です。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生7月号では、統計資料を読み取り、情報整理・運用力を養う学習ができます。

【大問2】
資料や意見をもとに課題をつかみ、解決策を考える練習をしましょう。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生10月号では、さまざまな種類の資料をもとに、社会の課題やその解決策を検討する問題に取り組むことができます。

 

・適性検査問題1-2

【大問1】
あたえられた表やグラフから何が読み取れるかを考える練習をしましょう。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座5年生10月号6年生6月号では、いろいろな表やグラフを使った問題に取り組みます。

【大問2】
会話文や図などからわかる条件を使って論理的に考える練習をしましょう。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生11月号では、問題文で示されている条件を整理して、答えの候補こうほを書き出したり、条件にあてはまるかどうかを検証したりする問題に取り組みます。

 

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