ここではさまざまなシチュエーション別に、入試直前にありがちなトラブルやよくある疑問にお答えしていきます。
「うちはだいじょうぶ」と思っていても、いざ準備を始めてみて気づくことも意外に多いもの。こういったことがあるかもしれない、うちだったらこうしようなど、ご家庭ごとのケースを想定しながらお読みください。
【2025年11月13日】

出願編

中学入試でやっかいなことの1つが「出願」。受付方法1つとってもWeb・郵送・窓口とさまざまです。受付方法によって受付期間が違うなど、細かい指定もあるので注意が必要です。
昨今ではWeb出願が主流となっています。Web出願ではミスに気づきにくいという声も聞かれますので、十分に気をつけましょう。

Web出願と郵送出願と窓口出願、それぞれどのような特徴がありますか。

Web出願と郵送出願は学校まで足を運ぶ必要がなく、保護者の負担は軽くなります。大事な時期に人混みに出なくて済むメリットがあります。
さらにWeb出願は夜でも出願できる、クレジットカード引き落としなら金融機関に足を運ぶ必要がないなど、時間的制約が少ないのも大きなメリットです。一方で、ミスに気づきにくいという声も聞かれます。手軽に出願できるだけに一層の注意が必要でしょう。
窓口出願のメリットは、その場で確実に手続きして受験票がもらえること、受付時にチェックしてもらえることです。ただし、学校によっては受付開始初日の午前中はかなり混み合います。時間には余裕をもって行きましょう。

Web出願時チェックリスト	□　パソコン・プリンタ・インクの準備 □　支払方法の確認 □　顔写真はデータで送るか、書類に貼るか □　願書の控えはとっておく
郵送出願時チェックリスト	□　学校の指定する受付時間を守る □　どの方法で送るか、調べておく □　郵便局の窓口で手続きをする（簡易書類・配達日指定サービス利用の場合） □　受験料を手配する（銀行振込または小為替同封のところもあります）
窓口出願時持ち物チェックリスト	□　提出書類一式 □　受験料、もしくは振込み控え □　筆記用具（ペン・のり・はさみ・印鑑など） □　上履き（指定がある学校のみ） □　防寒具（カイロ・ひざかけなど） □　受け取る書類を入れる袋

出願書類を記入していたらミスをしてしまいました。訂正して提出しても問題はないでしょうか。

まちがえたら二重線を引き、訂正印を押しておけば安心です。

願書に貼る写真について、気をつけることはありますか。

サイズやカラー・白黒の指定などといった学校ごとの決まりは守りましょう。また、眼鏡の有無など、当日とあまり大きな違いがないように配慮してください。はがれてしまったときのために、裏面には小学校名と名前を書いておきましょう。
Web出願では、写真データをアップロードする形式の場合もあります。

調査書が必要な学校を受験することになりました。小学校にどうお願いすればよいですか。

受け取りはお子さまでも、依頼は必ず保護者から行いましょう。めだたないよう手紙や連絡帳、三者面談などで担任の先生にお願いする方が多いようです。提出日を確認し、余裕をもって依頼しましょう。

願書に書く緊急連絡先はどこがいいでしょうか。

繰り上げ合格の連絡が入ることがあります。事情がわからない親戚や祖父母の番号は避け、保護者の勤務先、携帯電話など、確実に連絡が取れる番号にしましょう。

出願書類は控えを取っておいたほうがよいですか。

念のためにコピーを取っておくことをおすすめします。Web出願の場合は、入力確認画面などを印刷しておくとよいでしょう。面接がある学校は、入試前に志願理由を見直しておきましょう。

Web出願の際に注意することはありますか。

全面的にWeb出願の学校もあれば、他の出願方法と併用する学校もあります。また、Webでの出願のほかに受験票などを各自でプリントアウトする、必要書類を郵送で提出する場合など学校によってさまざまです。直前になってあわてないようにしっかり出願方法を確認しておきましょう。
〆切直前の出願はサーバが混雑し、サイトにつながりにくくなることも考えられます。出願は余裕をもって行いましょう。スマートフォンよりもタブレットやPCなどのなるべく画面が大きな機器を使って出願する、いきなり出願画面に入力しないであらかじめメモ帳アプリなどに下書きしてからコピー＆ペーストするなども、ミスを防ぐために有効です。

郵送出願の際に注意することはありますか。

何かあってもトラブルにならないように追跡サービスのある簡易書留を指定している学校が多いようです。簡易書留を利用する場合、郵便局窓口での手続きが必要になりますのでご注意ください。そのほか、配達日指定郵便といったサービスもあります。受験する学校の規定を守って利用しましょう。

郵送出願をした場合、学校の願書受付指定期間より早めに届いてもよいのですか。

早い受験番号を希望されるご家庭もありますが、受験生に不公平のないように受付期間より早く到着したものは受け付けない学校もあります。指定する郵送受付期間を必ず守ってください。学校により「当日消印有効」と、「期間内到着日指定」のところがありますので、よく読んで、指定を守って発送しましょう。

窓口出願する予定です。知り合いに代理で出願してもらってもだいじょうぶですか。

手続き自体は家族以外の方でもだいじょうぶですが、窓口出願は受付時に簡単な書類チェックがあります。その場で修正することもありますので、何かあったときに対応できる人が持参しましょう。

窓口出願では受付開始初日、朝早くから並ぶ必要はありますか。

午前中に面接のある学校を受験し、午後入試を予定されている方など、早い受験番号を取って早く帰るために朝早くから並ばれる方もいらっしゃるようです。ただ、すべての受験生の面接が終わってから解散となる学校や、ランダムに面接を行う学校もあります。必ずしも早い番号＝早く帰れるということではありませんので注意しましょう。

窓口出願で持っていったほうがよいものはありますか。また、受付開始時間よりも早めに行ってもよいのでしょうか。

上に持ち物リストをまとめていますので、参考にしてください。修正を求められてもだいじょうぶなように、願書作成時に使用した筆記具を持っていくと安心です。受付開始前は校内への立ち入りを許可されない学校もありますし、時間内でも出願受付初日の午前中は混み合うことが予想されます。防寒具を持参するとよいでしょう。

提出後に記入ミスに気づきました。学校に連絡したほうがいいでしょうか。

出願後の書類に、電話番号や氏名など重要な項目で不備や誤りが見つかった場合はすぐに学校に連絡を入れましょう。問い合わせをする際には代表番号ではなく、募集要項などに記載してある入試用の問い合わせ番号に電話するようにしましょう。

入試直前まで

無事に出願が終了し、受験票を受け取ったら、あとは試験当日、お子さまが安心して受験できるように学習環境を整えるとともに試験当日に向けて下調べや準備を進めていきましょう。
前日にすべての準備を行おうとしても難しいものもありますので、できることは早めに準備しておくことをおすすめします。

面接対策はどういったことをすればいいでしょうか。

面接を課す学校の多くでは面接は5分程度の短時間で行われ、扱いも「参考程度」となっています。その場合、ふだんの言葉づかいに多少気をつける程度でそれほど気にする必要はありませんが、長めの面接がある学校の場合、過去の質問例を参考にしながら対策することが必要です。
学校が面接の内容を非公開としている場合には、『親子でみる　中学受験面接ブック』（声の教育社）など、市販の書籍を購入してざっと目を通し、練習しておくのもよいでしょう。

面接の際の子どもの服装はどういったものがいいですか。

学校側は「ふだんの服装で」ということを強調することが多く、小学生らしく清潔感があるものならだいじょうぶです。脱ぎ着しやすく勉強に集中できるものを選んであげましょう。
ただし、あまりに周囲と違う格好だと、お子さまが気にしてしまうことがあります。学校の校風を意識しながらジャケットを着せる、えりのある服にする、派手な色や柄の服は避けるなど、ある程度の配慮はしておきましょう。

保護者面接があります。保護者の服装はどういったものがよいのでしょうか。

しつけをしっかり行う伝統校の場合、紺やグレーなどといった落ち着いた色のスーツの方が多いようです。服装、髪型など、派手なものは避け、シンプルで清潔感のあるものを選びましょう。

体育実技があります。前もって練習をしておいたほうがいいでしょうか。

中学受験で体育実技を行う目的としては、説明どおりにできるかなど、内容よりも態度を見ることが多いようです。内容的には小学校の体育で経験している種目ですし、失敗しても不合格になることはありません。練習は不要ですが、先生の説明をしっかり聞いたうえで取り組むように伝えておきましょう。

交通経路が複数ありますが、選ぶときに何か配慮することはありますか。

試験日や時間、学校の場所によっては朝の交通ラッシュに遭遇します。できるだけお子さまに負荷の少ない経路を選びましょう。バスや自家用車を使用する場合は事故や渋滞も考慮して、前もってシミュレーションしておきましょう。
車での送迎は「禁止」という学校もありますので、気をつけてください。

実際に足を運んだことのない学校を受験します。事前に行ってみる必要はあるでしょうか。

サイトやアプリで経路や所要時間を丁寧に調べておきましょう。駅からの経路についても、ほとんどの学校は学校案内やWebサイトなどで提供していますが、乗り換えで手間取ることもあるかもしれません。電車の混みぐあいなども知っていると安心ですので、余裕があれば同じ時間帯に下見されることをおすすめします。

当日の持ち物について、気をつけることはありますか。

当日の持ち物リストをこちらでまとめていますので、参考にしてください。
携帯電話・スマートフォンの持ちこみは不可という学校もありますので、当日連絡に使う予定のご家庭は注意しましょう。
学校によっては教室内に時計がない場合もあります。腕時計は持っていくだけではなく、当日不慮の電池切れということも考え、前もって電池を替えておきましょう。逆に、学校によっては各自の腕時計は使用できず、各教室のテレビモニターの時計などを基準に試験を行う場合もあります。学校からの資料をよく読んで確認しておきましょう。
筆記用具は筆箱を使わず、そのまま机に置くことを指示されることもあります。えんぴつなど転がりやすいものには前もって輪ゴムなどを巻いておくと机から落ちず、安心です。

当日の天気予報が雪です。前日に準備しておくことはありますか。

雪による交通機関の遅延・マヒについては、開始時間を遅らせるなど、学校側が対応することが多くなっています。前もって天気予報でわかっていれば、Webサイトで雪の場合の対応を前日から公表している学校もあります。事前に学校のWebサイトをチェックし、対応を考えておきましょう。
雪の日の朝は非常に冷えますので、長靴や厚手のコートなど、着るものに注意しましょう。また、移動中に体や足が濡れて冷えることもあります。替えの靴下やタオルなどを持たせると安心です。

試験前日はどのように過ごせばよいでしょうか。

翌日持っていく物を一緒に準備し、過去問題を見ながら解く順番について作戦を立てたり、理科・社会などの用語を軽くチェックする程度にとどめ、早めに寝るようにしましょう。
緊張して眠れないお子さまもいるかもしれませんが、横になっているだけでも疲れは取れるものです。気になるようであればゆっくり話をしたり、温かい飲みものを飲んだりするなど、リラックスして休めるように配慮してあげましょう。
以下に前日までにすべきことをまとめました。再度確認しておきましょう。

試験前日までにやることリスト

□　付き添う保護者を決める（万が一の場合のかわりも）
□　面接の練習をする
□　入試会場までのルートを確認
□　当日の行動予定表を作る
□　当日の洋服・かばんを準備（かばんにつめるのはお子さま自身で）
□　持ち物の準備
□　交通機関のICカードの購入・チャージ
□　お弁当の下準備（必要な場合）
□　天気予報を確認

入試当日～入学手続きまで

いよいよ試験当日。準備万端！と思っていても、思わぬトラブルが起きることもあります。何があってもあわてないように、考えうるケースへの対応は事前に備えておきましょう。
また、試験後にも必要な手続きがあります。最後まで気を抜かぬよう、注意しましょう。

当日の朝、出発前はどのように過ごせばよいでしょうか。

余裕をもって早めに起き、ふだんやっているドリルなどに取り組むとよいでしょう。また、朝ご飯は少しだけでも必ず取らせるようにしてください。忘れ物がないかチェックしたら、当日の行動を打ち合わせておくことも大切です。時間割を見ながら気になることを確認し、終了後の待ち合わせ方法も決めておきましょう。

持ち物最終チェックリスト（保護者）

□　学校の地図・連絡先
□　路線図・経路をまとめたメモ
□　交通機関のICカード・財布
□　携帯電話・スマートフォン
□　ノート・ペンなどの筆記用具
□　カイロ・ひざかけなどの防寒具
□　上ばき（学校による）
□　学校のパンフレット・志願理由書のコピー（面接がある学校の場合）
□　チョコやあめなど、ちょっとした食べもの
□　マスク

持ち物最終チェックリスト（子ども）

□　受験票
□　えんぴつ（受験教科×2本くらい）またはシャープペンシル（学校による）
□　消しゴム（2個以上）
□　定規・コンパス（学校による）
□　腕時計（学校による）
□　交通機関のICカード・小銭のお金
□　ハンカチ・ティッシュ（アルコール除菌用も）
□　マスク（予備も）・マスクケース
□　カイロなどの防寒具
□　お弁当（学校による）
□　上ばき（学校による）
□　保護者の連絡先控え
□　試験前や休み時間にチェックする参考書やノート

熱を出してしまいました。どうしても受験させたいのですが。

例年のインフルエンザ流行に加え、昨今では新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、各学校でガイドラインを設けているはずです。学校の指示に従ってください。
また、体調に問題がなかった場合でも、試験中に具合の悪くなるケースも想定されます。体調を崩したらまずは手をあげ、試験官に相談するよう伝えておきましょう。

試験会場には早めに入ったほうがよいでしょうか。

多少のトラブルには対応できるよう、余裕をもって出発されることをおすすめしますが、あまり早すぎると校内に入れないこともあります。何時くらいから学校に入れるか、確認しておきましょう。

出発後、交通機関でトラブルが発生し、時間までに到着できそうにありません。

特定路線の事故など、学校側が把握できないものもあります。別室で時間をずらして受験させてくれる学校もありますので、間に合いそうにないと判明した時点で学校に連絡しましょう。このような事態に備え、学校の連絡先を控え、持って行きましょう。

出発後、受験票を忘れたことに気づきました。取りに戻ると間に合いそうにありません。

時間が厳しい場合、まずは会場に向かいましょう。本人確認ができれば受験させてくれる学校もあります。ただし学校によっては当日中に再提出を求められたり、受験が不可だったりする学校もあります。ケースに入れて子どもの首にかけるなど、忘れない、なくさないようにしましょう。

子どもと別れたあと、持ち物を渡し忘れたことに気づきました。

試験会場に入ってしまうと、原則として試験終了までお子さまと会うことはできません。何か気づいたことがあれば近くの先生に対応を相談しましょう。そういったことのないよう、必要な物は自宅を出るときからお子さま自身に持たせてください。

試験終了までの時間、保護者がすることはありますか？

保護者用の控え室がある学校では、終了した試験の問題や解答を配布、もしくは貼り出すところもあります。帰宅してから自己採点するための大切な資料ですので、必要に応じてメモしておきましょう。
空き時間に他校の合格発表や手続きなどで外出される方もいらっしゃるようです。

翌日も試験があります。今日の試験の自己採点・復習はさせたほうがよいでしょうか。

翌日の試験を心残りなく受験できるように「お子さまの気のすむように」させるのが基本です。翌日の試験に集中したいのであれば今日の結果は忘れて翌日の過去問題をチェックするもよし、当日の試験に一区切りをつけるために今日の振り返りをしたいのであれば、気のすむまでやらせてあげましょう。
ただし今日の疲れを翌日に引きずらないように、あまり無理をせず、早く寝かせるようにしましょう。

第一志望校の受験日後も、連日試験があります。併願校は延納手続きができるので結果はインターネットの発表で確認するのみでもいいでしょうか。

ほかの学校の結果がわかるまで入学手続きを待ってくれる学校のほとんどが、当日、もしくは翌日に「延納手続き」をする必要があります。窓口での手続きが必要な学校もありますので、必ず募集要項で確認しておきましょう。

無事、受験が終了し、進学先が決まりました。入学までに何か気をつけることはありますか。

どうしても入試・合格発表までがクローズアップされがちなのですが、受験後にも入学金の振り込みや入学手続き、さらには制服の採寸、教科書の購入など、入学前に必要なさまざまな手続きが控えています。手続き後旅行に出かけてしまって集合日の連絡を聞き逃したなどということのないよう、合格証書を受け取り、入学手続きをすませたあとも保護者の方は気を抜かないようにしましょう。
また、入学前に宿題を出す学校もあります。楽しい中学校生活に向け、よいスタートを切るためにも、中学校の学習に向けた学習面の準備も大切です。

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6年生合格応援サイト　これでばっちり！　直前チェックQ＆A

出願編

入試直前まで

入試当日～入学手続きまで