豊島岡女子学園中学校 2024年度合格体験記(後編)

前半は、Z会の利用法や志望校を決めたきっかけを中心にAさんのお母さまにおうかがいしました。
後半は、6年生になってからの勉強の進め方、個別指導塾との併用法や入試直前期に意識していたことなどについてお聞きしました。

6年生のときは、専科「頻出分野別演習」を受講されていますね。

母:
はい。豊島岡の入試内容に合わせて、全部で4講座とりました。
まず、5~7月に国語「超長文対策」、8~10月には算数「平面図形難問対策」と理科「論理的思考問題対策」を受講したのですが、その時期の娘には難しくて。ほとんど手がつけられませんでした。ただ、Z会の先輩たちのコメントにも「難しくてできなかったから後でやった」と書かれていたものが多かったので、「娘も同じなんだな」と思い、「本棚に入れておくから、やりたいときにやったら」と声をかけ、届いた時期には取り組みませんでした。秋から冬休みあたりの時間のあるときに解いていましたね。その後、11~1月に理科「複雑計算問題対策」も受講しました。

専科「頻出分野別演習」は難易度も高く、解くのが大変だったのではないでしょうか。

母:
どうしてもわからない問題は、丸付けのときに解説を見ながら理解するようにしていたようです。この方法でも、次に似たような問題が出てきたときは「解けたよ」と言っていたので、ちゃんと解き方は身についていたのではないかと思います。
ただ、夜遅くになっても「解けない」と頑張り続けることが何度もありましたね。そんなときは私が声をかけて、「他の先輩たちも秋~冬に力がついて解けるようになったと書いてあるから、そのうち解けるようになると思うよ」、「もう少し入試の直前に取り組むのでもいいんじゃない」と、無理せず寝るように促していました。
5年の前期から6年の前期まで<Z会×エクタス>最難関中学受験プレミアム講座を受講していたのですが、その保護者会のときに、先生が「お子さんの手が止まっているときは、解けないのではなくて、困っているんですよ」とおっしゃっていたのが印象的で、勉強中に娘の手が止まっている様子がわかると、私は「解けないのではなく、困っているだけだよ」と何度も伝え、頑張りすぎないように声をかけていました。

お母様も積極的に情報を集められ、適切なタイミングでAさんに言葉をかけていらしたのですね。

母:
本人が焦ったり混乱したりしているときは、言葉をかけることで気持ちの整理をさせていました。「今はそれ、やらなくてもいいんじゃない」というような、差し引く声かけが多かったように思います。たとえば月例テストに関しても、6年の後半からあまり提出できなくなっていったのですが、「今までしっかり出してきたのだから、もう提出にはこだわらなくていいんじゃない」と声をかけました。その頃は過去問や暗記の確認などやることも多く、提出にこだわることで本人が焦ってしまうと思ったからです。

 

Aさんがお一人で勉強を進めていく中で、行き詰まることはありませんでしたか。

母:
やはり6年生になると算数が難しくて。過去問を直接教えてくれる人が必要だったため、7月からはZ会と併用して個別指導の塾にも通うことにしました。娘も「個別なら行く」と、前向きでした。塾では算数のほかに国語と理科もお願いしたのですが、Z会をやっていたおかげで国語も理科も十分に力がついており、塾の先生からも「本当によくわかっています」とほめていただいて。国語に関しては、問題文を複雑に考えすぎる癖があったので、そこをフォローしてもらうくらいで「もう大丈夫。国語の講座を減らしましょう」と言われ、最終的には講座を減らしました。豊島岡は難しいと言われる理科も、最後には「満点を狙えるかも」と言っていただけるレベルにまでなりました。

塾の方から「国語の講座を減らしましょう」と提案されるなんて、すごいですね。

母:
はい、私も「Z会はやっぱりすごいな」と思いました。これまでZ会に教わったことがしっかり身につき、何よりも大きな土台になっていたんですね。個別指導塾では、最後の方は算数の過去問の個別指導のみ、集中的にお願いしました。

過去問はどのように解いていったのですか。

母:
受験予定校のうち、偏差値の低い学校の過去問から解いていき、最後に豊島岡の10年分の過去問を3周しました。豊島岡の過去問は、年によって点数の上下はあったものの、4教科トータルすると毎回、合格最低点を超えていました。おそらくどの教科も問題が娘に合っていたのだと思います。

 

Aさんが受験勉強のモチベーションを最後まで保てた理由は何でしょうか。

母:
娘は大学で勉強したいことや将来の夢が明確にあり、「そのためには、難しい中学に行っておいた方がいい」と考えているようで、それが一番大きな支えになったのではないかと思います。

どんな夢をお持ちなのか、教えていただけますか。

母:
「理系の学部に進み、世界の環境問題に携わる職業に就きたい」と言っています。豊島岡は理系学部に進学する生徒が多く、「目標が似通っている仲間がいる環境で切磋琢磨し、高いレベルの授業を受けて成長していきたい」という娘の想いにぴったりの学校だったのだと思います。

合格はゴールではなく、Aさんの夢に向けたスタートだったのですね。

母:
やはり合格の先に目指す夢がないと、頑張り続けるのは難しいですよね。もちろん夢は途中でいくら変わってもいいと思うのですが、上のレベルを目指すことが夢を実現する近道になると思うので。そんな風に思いながら、いつも応援しています。

受験勉強の支えになったものは、他にありますか。

母:
豊島岡の文化祭に行ったときに、生徒さんから応援メッセージが書かれたうちわをもらったのですが、娘はそれを部屋に飾って大事にしていました。私もたまに、そのうちわを振って応援したりして……(笑)。6年生のときは「来年、合格して私がうちわを渡す立場になるから」と言って、集中して勉強していました。「受かる子は言霊のように『私は合格する』と言う」と聞いたことがありましたが、本当なんですね。

 

受験直前期、お子さまとの接し方で気をつけていたことはありますか。

母:
受験期が近づくと、子どもも親も気持ちが高ぶってくると思うのですが、私自身は「とにかく冷静に」と心がけていました。娘が勉強している姿を見ながらいつも、「もし私が娘の立場だったら、こんなに頑張れたかな」と問いかけていましたね。親はつい「もっと上の学校を目指せるのではないか」と欲張りになりがちですが、「どこでも受かったところに行けばいい」と、どっしりとした気持ちを持つことが大事かなと思います。

お母様が大らかな気持ちでいらしたからこそ、Aさんも安心して受験に臨めたのかもしれませんね。

母:
「中学受験はあくまでも通過点だから、どこの学校に行っても大丈夫」と、娘によく言い聞かせていました。もちろん子どもの中には「絶対にこの学校に行きたい」という気持ちがあると思うのですが、親は第一志望、第二志望などにこだわらない方がいいと思います。受験当日、急に体調が悪くなったり、調子が出なかったり、本番では何があるかわからないじゃないですか。我が家の場合、1月に埼玉の学校に受かった後は、「いいじゃん、いいじゃん、もう行くところがあるんだから」と言って、毎回笑顔で受験に送り出していました。

最後に、Z会で頑張っているみなさんへ、メッセージをお願いします。

母:
Z会の学習カリキュラムは素晴らしいです。Z会と忠実に向き合って、きっちりやっていけば必ず力がつき、いい結果に結びつくはずです。私自身、外部模試の結果に不安になることもありましたが、今となっては「自信をもってください。このままの調子で大丈夫です」というZ会からのメッセージは的確だったと心から思います。皆さんもZ会からのメッセージを素直に受け止め、最後までZ会を信じて突き進んでください。応援しています。

 

 Z会からちょこっとアドバイス

【中学受験の学習法】

Aさんは主たる学習をZ会の通信教育で行い、強化したい教科に個人指導塾をプラスして学習を進めていました。
通信教育は、集団塾に比べると次のようなメリットがあります。
・好きな時間に自分のペースで学習できる
・お子さまの頑張っている姿を自宅で確認できる
・通塾にかかる時間が不要
・コストパフォーマンスがよい

一方、デメリットとしては
・ライバルと接する機会が少なく、モチベーションの維持がしづらい
・目の前に先生がいるわけではないので、直接的なアドバイスを受ける機会が少ない
といったことが挙げられます。

お子さまには「どのような学習法が合っているのか」を考え、Z会のような自宅学習で中学受験に挑戦するのか、集団塾や個別指導塾に通うのか、または両方を併用するのか、予め方向性を決めておくとよいでしょう。

 

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