桜蔭中学校に合格されたMさんと、お母さまにお話をうかがいました。
中学受験データ


父と同じ大学の医学部を目指して、桜蔭を志望
桜蔭中学校合格、おめでとうございます。合格発表を見たときは、どんなお気持ちでしたか。
Mさん:
すごくうれしかったです。お世話になった塾などに電話して、合格を伝えました。
母:
実は、桜蔭の入試が終わった段階で「絶対に受かっている」という確信が本人の中にあったらしく、合格発表サイトで確認するときもまったく躊躇なくクリックしていました。
すごいですね!合格の手ごたえはあったのでしょうか。
Mさん:
どの教科もまんべんなく解けたので、ミスした問題もとくになかったと思います。捨てる問題は捨てましたし、みんなが「難しかった」と言っていた問題も解けた自信があったので、「受かっているだろうな」と。ただ、もし落ちていたら恥ずかしいので、合格発表までは言わなかったのですが……。
桜蔭中学校に行きたいと思われた志望動機を教えていただけますか。
母:
中学受験は、娘が幼稚園の年長あたりから決めていました。というのも、娘には兄がおり兄が中学受験をしていたことから、兄妹で同じ条件にした方がいいと考えたからです。
また、娘は1年生の頃から「将来はお父さんと同じく医者になりたい」という思いを強く抱いていました。「お父さんと同じ大学の医学部を目指したい。それなら桜蔭に行くのが一番いい」ということで、自然と桜蔭を目指すようになったのです。
ただ、娘が実際に桜蔭を気に入るかどうかという問題もあります。そこで学校の様子を知るために文化祭に一緒に行きました。実際に桜蔭の学生さんたちと会って話をしたりする中で惹かれていき、「私は桜蔭に行く!」と心を決めたようです。それ以降は、桜蔭1本でしたね。
Mさん:
1年生のときに桜蔭の文化祭でシャープペンを買いました。6年間ずっと使い続けていますが、受験生活を支えてくれた大切なアイテムです。
祖母の見守りのもと、できない問題は繰り返し解いた
Z会の通信教育を始めたのは、いつ頃ですか。
母:
2歳から1年先取りで、Z会幼児コースの年少を受講し始めました。中学受験の勉強をしている兄を見て「私も勉強したい」と娘からおねだりされたのがきっかけです。
小さい頃は、水泳、体操、英会話、バレエ、ピアノなどたくさんの習いごとをしていたため、自宅で好きな時間にできるZ会は取り組みやすかったです。私は仕事をしているので、娘は祖母と留守番する時間が長く、その留守番の時間に遊びのような感覚で、祖母と一緒にZ会に取り組んでいました。
ちなみに、幼児コースのあと小学生コース1年生・2年生を経て、中学受験コースを受講したのですが、その間ずっと、実際の学年よりもひと学年上の講座を先取りで受講していました。そのため、2年生の終わりに受験塾に通い始めてからは、Z会が塾の予習になりました。
1年先取りでも、問題なく取り組めましたか。
母:
娘は6月生まれでしたし、ついていけると思い先取りで受講したのですが、実際は難しくて「こんなにできないんだ」と思うくらい解けない問題も多かったですね。そのため、娘の間違えた問題一つひとつに祖母が付箋を貼り、Z会専用の箱を作って保管していました。そして「そろそろこの問題はできた方がいい頃かな」というタイミングで取り出して、娘が問題を解き直すという作業をずっと繰り返していました。
さらに、テスト前になると今度は私がもう一度その箱から取り出して、「あと1回やっておこうか」と娘に渡していましたから、Z会の教材は本当に何度も繰り返し解いていました。その反復学習が、幼児コースから5年生くらいまで続いたと思います。
Mさん:
算数は付箋のついたテキストが2年間分くらい箱にたまっていました。入れすぎて、途中で箱が壊れたくらいでした。
先取り学習されていた分、逆にじっくりと時間をかけてしっかり取り組む時間が確保できたのですね。
母:
そうですね。娘と祖母の時間の使い方はかなりゆったりとしていて、私が仕事や家事でバタバタしている横で、二人は一問一問に丁寧に向き合って解いていました。たとえば、娘が立体図形の問題でひっかかったときは、割りばしや爪楊枝、紙粘土などを使って、実際に立体を作って考えていました。じゃがいもやメラミンスポンジをスパッと切って、断面図を確かめていることもありました。
Mさん:
工作が好きだったので、カッターで紙を切って展開図を作ることも楽しかったです。のりしろを作り忘れて、最初から作り直したりすることもありましたが……。
母:
そんな試行錯誤を続けるうちに、だんだん頭の中で立体をイメージできるようになったみたいです。高学年になるとすっかり立体図形に強くなり、受験勉強でも「立体図形の問題が出れば必ず解ける」というくらい得点源になりました。
苦手科目はなく、昆虫と歴史が好きで立体図形に強い女子
Z会中学受験コースの教材は、どのように取り組みましたか。
母:
基本的にはZ会から提示されている通りに、まずは要点を確認して、確認問題、練習問題、月例テストという流れで取り組んでいました。
Mさん:
映像授業は見たいところだけ、見ていました。理解できない部分は、何度も巻き戻して確認できるのでよかったです。とくに、算数と歴史の映像授業は楽しく、よく見ていました。
先ほど、図形問題が得意になった経緯をうかがいましたが、ほかにも得意科目や苦手科目はありましたか。
Mさん:
苦手科目はとくになかったです。どの教科も得意でしたが、なかでも大好きなのは、社会の日本史です。学校では友達から「歴女」と言われるくらいで、とくに幕末に関することなら誰にも負けません。
母:
昆虫にも詳しいよね。娘は父親と一緒に、家に「チョウを呼ぶための庭」を作っているんです。「〇〇チョウは〇〇科の植物が好き」などという知識がいっぱい頭に入っていて、チョウを育てるためにアブラナ科やセリ科などの植物を植えています。これまで、庭でチョウが何十匹も幼虫から成虫になる姿を見てきました。成虫になるまでに、ハチに寄生されて卵を産みつけられたり、アシナガバチやカマキリに捕食されたりと、かなり衝撃的な場面を目にしてしまうことがありました。娘はショック受けつつも、食物連鎖を目の当たりにして、冷静にその場面を観察していました。
Mさん:
桜蔭の試験にはよく昆虫の問題が出るのですが、それは「女子が昆虫に弱いからだ」って塾の先生が言っていました。
母:
受験勉強に疲れると虫取り網を持って庭に出て、バッタをとったりセミをとったりするのが彼女の息抜きなんです。女の子にはちょっとめずらしいかもしれないですね。
Mさん:
昆虫と歴史が好きで、立体図形に強い女子なんです(笑)。
Z会からちょこっとアドバイス
【先取り学習をする際の注意点】
Z会は先取りでご受講いただくことは可能ですが、中学受験コースについては難度が高く、先取り学習をしなくても難関校をめざせるレベルの講座となっていますので、無理な先取り学習はおすすめしていません。先取り学習をする際は、Mさんのご家庭のようにお子さまの状況を見ながら、お子さまに合った方法で進めていただき、自信をなくしている場合や、興味のない分野については、じっくり学習を進めていくようにしましょう。