今回は、中学での学習のポイントや、先輩保護者の貴重なアドバイスを交えながら、お子さまとの関わり方についてお伝えします。
お子さまが「新しい概念」に出合う中学での学習

お子さまにとって中学での学習は、国語では古典、数学では負の数や文字式など、「新しい概念」に出合うことの連続です。
授業時間が減少する教科もあるため、家庭での予習・復習が不可欠になります。
「つまずき」を共有する
お子さまが授業で新しい概念にであった際、すべてを一度に理解するのは困難です。お子さまが「難しいな」と感じていることをこまめに聞いてあげてください。
「考える力」を育む
中学では、単なる暗記ではなく、論理的に考え、自分の言葉で表現する力が求められます。意味のわからない言葉を辞書で調べる習慣を促したり、「どうしてそうなると思う?」と問いかけたりすることで、お子さまの思考力を養うサポートも図れます。
成績を伸ばすヒケツは「生きた知識」と「楽しむ姿勢」
中学の理科や社会は、単なる暗記では通用しません。
身近な現象の背景にある原理・法則を「腑に落ちる」まで理解することや、新聞やニュースから「生きた知識」を身につけることが、成績を伸ばすヒケツです。これは、保護者の方もお子さまとの関わりの中で実践できることです。
「なぜ?」を大切にする
お子さまが「どうしてだろう?」と疑問を持ったとき、一緒に調べたり、考えたりする機会を作ってみましょう。お子さまの知的好奇心を引き出し、深く学ぶ姿勢を育むことができます。
学習を「おもしろい」と感じさせる
「解きごたえのある問題だけどおもしろいな」と思ってもらえるように、難しさの中におもしろさを見つけられるよう、学習内容を日常の出来事と結びつけて話してみるなど、保護者の方が「学びを楽しむ」姿勢を見せることが、お子さまの「なんでもおもしろがる」姿勢を育みます。
先輩保護者の声~中学生になるお子さまとの向き合い方~
「お子さまの自主学習の継続をサポートするうえで意識していること、工夫していることはありますか」という質問をしたところ、現在中学生のZ会員の保護者様より、下記があがりました。
●勉強に集中しやすい環境をつくる
●スマホの利用ルールを決める
●基礎のつまずきがないか見守る
●なぜ勉強すべきかについて伝える
●目標を達成したら褒める
勉強で学んだことが社会でどう役立つか親の経験から会話をすることがあります。本人は目標を立てて勉強、テストの結果を確認することを繰り返しながら充実感を楽しんでいるように見えます。親はその経過を褒めてあげるように心がけています。(中2保護者 R.Kさん)
子どもはリビングで勉強したがるので、その時はテレビも消し、静かに勉強できる環境を作っています。たまに声をかけて、まちがえた所を一緒に確認し、その問題に関わる他のことについて、その問題から知識が広がっていくように親も一緒になって勉強しています。(中1保護者 H.Aさん)
部活動の運営の仕方についての悩みや、友達とのこと、学校の先生とのことなど、気になることがある時は話しかけてくるので、丁寧に聞くようにしています。学習とは一見無関係にも思えますが、悩みがあることで、「集中すべきことになかなか取り組めない」ような事態にはならないよう気をつけています。(中2保護者 O.Oさん)
すでに意識、実践されていることはありますでしょうか。中学生のお子さまを支える先輩保護者のみなさまからの貴重なアドバイス、ぜひ参考になれば幸いです。
「つかず離れず」の関わり方

中学入学を前にさまざまな不安があるかと思いますが、心配はいりません。お子さま自身が学習習慣を身につけ、前向きに学習に取り組んでいければ大丈夫です。
中学生以降はお子さまが自立し、また学習内容も難しくなるため、保護者の方のサポートは「勉強を教える」ことよりも、「学習環境を整える」ことが中心になってきます。リビングで勉強しているようであればテレビを消す、テストへの不安を訴えるようであればじっくり聞いてあげるなど、お子さまが学習しやすい環境作りをぜひ行ってください。
また、定期テストの結果は「勉強の仕方」に問題がないかを確認する機会です。結果に一喜一憂せず、「どこが問題だったか」「これからどうしていけばよいのか」を、お子さま主導で考えさせ、それに対してアドバイスをしてあげてください。
思春期のころは、保護者からの押しつけは疎ましく思うものの、完全に本人任せにしてしまうのも考えものです。干渉しすぎず放任もしないという、「つかず離れず」の距離感を心がけるとよいでしょう。
小学生コース・小学生タブレットコースの10月号ご受講の方には、11月に「先輩保護者から学ぶ 中学生の学びへの寄り添い方」をご自宅にお送りしております。くわしく記載がございますので、もっと先輩保護者の体験談を知りたい!という場合には、ぜひご一読ください。
本記事が、お子さまとの関わり方のヒントとなれば幸いです。