さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)
こんにちは、最近名刺入れを買った小田です。名刺を入れるための名刺入れはすでにもっているのですが。今回買ったものには、たまに行くお店のポイントカードなどを入れています。メインの財布がそれらでパンパンだったのですが、おかげさまでスッキリしました。これでこころおきなくポイントカードを増やせますね。まあ、不要なものは捨てればいいという話ではあるのですが。
さて今回は、条件にあてはまるものを探す問題です。ルール自体はシンプルなので、まずは気軽にチャレンジしてみてください。
それでは早速いってみましょう。
Stage78:論理の力を鍛えよう2
例題
<例題>次のような、記号が6つかかれたカードがあります。(ア)(イ)(ウ)のうち、「○と△が上下または左右にとなりあってかかれているカード」をすべて選んでください。

まずはいつも通り、問題の意味を理解しているかの確認からですね。問題文の通り、「となりあってかかれている」は上下(縦)でも左右(横)でも構いません。ななめは「となり」には含めません。あとは大丈夫でしょう。“答え方”を気にしているようでしたら、「あてはまっているものに○をつければいいよ」と伝えてあげてください。問題の意味がわかったようであれば、あとは温かく見守ってあげましょう。
お子さまが答えを出したら、一緒に確認してあげてください。今回の例題であれば、選んだものそれぞれについて、「どこで○と△がとなりあってる?」と聞いてみます。となりあっているところを正しく指摘できれば正解です。選ばなかったものについても、「これはダメなの?」と聞いてみてください。条件にあてはまっていないことがわかっている様子なら、それでOKです。正解できていてもできていなくても、同じように聞いてあげるのがいいでしょう。
レベル1・2・3の問題に挑戦!
難度別に3段階の問題を掲載しています。ぜひ、親子で挑戦してみてくださいね。
解答を確認しよう!
さんすう力UPのポイント
「条件にあてはまるか」を確かめるのも、論理の力
6月号(Stage75)で、「論理」の第一歩は「他にもないか」を考えることだ、とお伝えしましたね。今回のテーマは、その「論理」の次のステップについてです。
「論理」を組み立てるとき、「AだからB、BだからC」と順々につないでいこうとするだけでは、なかなかうまくいかないことが多い、というのもお伝えしましたね。論理を組み立てるとき、与えられた条件から、まず「考えられる結論候補」をすべてあげる、というところまでStage75でやりました。そうしてピックアップした結論の候補に対し、他の条件にあてはまるかどうかをひとつひとつ確認し、あてはまらないものを削っていけば、残ったものが「正しい結論」となるはずです。つまり、「AだからBかCかDと言えるけど、BはEにあてはまらないし、DはFにあてはまらなくて、CだけEにもFにもあてはまるから、これが答え」という感じです。そうやって得られる「正しい結論」は、いつでも必ず1つに決まるわけではありません。場合によっては複数の「結論」が得られることもありますし、逆に条件にあてはまるものは1つもない、という結論になることもあります。「BかCかDだけど、BもDも違うから、Cが正しい」ともできない、というのが大事ですね。それらも含めて、厳密に「正しい結論」を探していく、というのが、算数における「論理の組み立て方」なのです。
今回の問題は、その「論理の組み立て」の後半部分にあたる、「条件にあてはまるかどうか」をひとつひとつ確認していく練習です。かかれている通りに確認すればいいだけだろう、と感じるかもしれません。しかし実際にやってみると、意外と難しいことに気づくのではないでしょうか。たとえば、Level3(7)の問題で「2回かかれている記号」を探すとき、「3回かかれている記号」の2個目を見つけた時点で、「2回かかれている記号」としてカウントしてしまいたくなったりもしますね。(8)の問題でも「同じ記号がとなりあっている」場所を1つだけ見つけて、2つ目があるのを見落としたりすることはありますね。もちろん、それらを最初から正確にできないといけないわけではありません。「意外と難しいんだな」と感じてもらうことができれば、今回の狙いとしては十分です。その意味では、正解できたかどうかよりも、自分なりに「条件」と「選択肢」を照らし合わせていく姿勢を身につけていくことの方が大事ですね。お子さまがもし何かを見落としていたりしても、「ひとつひとつ確認していくのって結構難しいよね」と、その難しさに共感してあげながら、お子さまなりに頑張って条件を確認している様子を、ぜひ温かく見守ってあげてください。
いかがでしょうか。
相変わらず、暑い日が続きますね。昔は部活だのなんだので、夏休みも外で活動することが多かった気はするのですが、さすがにもうそんな元気はありません。若さってすごいな、と思ったりもしたのですが、最近は、若いはずの生徒たちも外に出たがらないようで。まあ単純に、昔より暑くなったということなんでしょうね。引き続き、熱中症にも気をつけつつ、残りの夏も乗り切っていきたいと思います。
それではまた来月!

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)
数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。
公式サイト:http://kurotake.net/
主な著書
- 「算数のセンス」の具体的な中身を知りたい方はこちら
『できる子供は知っている 本当の算数力』(日本実業出版社) - 試行錯誤しながら、計算や図形のセンスを鍛えたり、考える力を育んだりしたい方はこちら
『東大文の会式 東大脳さんすうドリル 基礎編』(幻冬舎)
『東大文の会式 東大脳さんすうドリル 計算編』(幻冬舎)
『東大文の会式 東大脳さんすうドリル 図形編』(幻冬舎)
『東大文の会式 東大脳さんすうドリル 論理・文章題編』(幻冬舎) - 中学入試の問題の内容や、その本質が気になる方はこちら
『本当はすごい小学算数』(日本実業出版社)
