ヨーグルトの力で鶏肉がジューシーに!タンドリーチキン

「科学する料理研究家」平松サリーさんが、料理に役立つ知識を科学の視点から解説します。お子さまと一緒に科学への興味を広げていきましょう。

 

本格インド料理をご家庭で

タンドリーチキンとは、鶏肉をヨーグルトと各種スパイスに漬け込んで、タンドールという釜で焼いたインド料理。今回紹介するレシピは各種スパイスをカレー粉に、タンドールをオーブンに置き換えて、自宅でも作りやすくアレンジしたなんちゃってタンドリーチキンですが、ヨーグルトの力でお肉がジューシーに仕上がります。

オーブン料理というと、難しそうでちょっと敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、スイッチを押したらあとは放っておくだけなので実はとってもお手軽です。鍋にかかりきりになる必要がないので、メイン料理を焼きながら副菜の準備や洗い物ができます。火を使わないのでお子さんにも手伝ってもらいやすいですね。

オーブンで焼いたときの、こんがりとした風味がおいしいので、家にオーブンはあるけどあまり使えていない、という方はぜひこの機会に挑戦してみてください。オーブンがなくてもできる、フライパンで作るレシピも併せて紹介しています。

 



照り焼きや唐揚げなど、鶏肉を使った料理はお弁当の定番。その理由は鶏肉の脂がとける温度にあります。
お肉の脂は冷えると固まって白っぽくなります。たとえば、牛肉の脂がとける温度は40~50℃なので、温かいうちに食べれば気になりませんが、冷めると脂が白っぽく固まり、ボソボソと嫌な食感になります。豚肉の脂は33~46℃でとけるので、脂が少ない部位ではさほど気になりませんが、脂が多くなるとやはり舌触りに影響します。一方、鶏肉の脂がとける温度は30~32℃。人間の体温よりも低いので、脂が冷えて固まっても口の中でとけて気になりにくく、冷めた状態で食べるお弁当向きのお肉なのです。

料理の温度は肉の脂以外にも影響を与えます。たとえば、冷えるとにおいの成分が揮発しにくくなるため、お弁当は風味が少なく味気なく感じられやすいという難点があります。カレー粉などのスパイスや、にんにく、生姜、胡麻、青のりなど風味の強い食材を活用すると冷めても風味豊かで、飽きることなく食べられます。

なお、プラスチックのお弁当箱はカレー粉を使った料理で黄色く着色してしまうことがありますが、日光に当てると退色するのでご安心ください。


次回は「牛乳かん」について、科学的な要素に焦点を絞って解説いたします。どうぞお楽しみに!

科学する料理研究家、料理・科学ライター

平松 サリー(ひらまつ・さりー)


科学する料理研究家、料理・科学ライター。京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。生き物がつくられる仕組みを学ぼうと、京都大学農学部に入学後、食品科学などの授業を受けるうちに、科学のなかに「料理がおいしくできる仕組み」があることを知る。大学在学中に、科学をわかりやすく楽しく伝えたいとブログを始め、2011年よりライター、科学する料理研究家として幅広く活躍している。著作には『おもしろい! 料理の科学 (世の中への扉)』(講談社)などがある。

 

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