今回の記事では、関西圏(大阪、京都、兵庫、奈良)の入試動向について、ご紹介します。
中学入試概況(関西圏)
過去最高の受験率
今年度の関西圏の入試を振り返ってまず目につくのは、受験率の大幅な上昇です。少子化にもかかわらず、受験者数も増加しました。ここ数年の受験率は一貫して上昇傾向にあり、2023年度からは10%を超えていますが、今年度は過去最高となりました。ICT活用の定着やグローバル教育の推進など、私立校が展開する「時代の変化を先取りした独自の教育カリキュラム」が改めて評価されており、より質の高い学習環境を求める私学志向は確固たるものになったといえるでしょう。
大阪府高校授業料無償化の影響
近年の関西圏での受験率上昇の大きな要因として、「大阪府による高校授業料完全無償化の先行実施」があげられます。2026年度から完全実施となり、中高一貫校であれば高校3年間分の授業料の見通しが立ちますから、これまで経済的な理由で私学受験に躊躇していた層が流入してきたことにより、関西圏全体の数字を押し上げています。2026年度は、とくに中堅レベルの学校に人気が集中し、競争が激化したところもありました。
入試制度の多様化
関西圏の多くの学校では、統一入試日(解禁日)とその翌日に試験日が集中しています。近年「午後入試」が定着したことで、この2日間の午前・午後あわせて計4回の受験で大勢が決まる傾向にあります。
「英語入試」「自己推薦型入試」「適性検査型入試」「思考力型入試」など入試制度の多様化傾向も続いています。ここ数年では、「英検などの資格」に、入学試験の点数に加点する制度を導入する学校も増えてきました。
関西圏の今後の入試動向
これからの中学入試
2027年度以降の入試はどうなるのでしょう。
中学受験という選択肢がより一般的になれば、人気のある学校に受験生が集中し、より合格が難しくなる学校も出てくるでしょう。また、「校風」や「雰囲気」だけでなく、「教育内容」や「探究学習や主体的な学びなどの学習内容」など、多面的な視点で学校が評価されるようになっています。大切なのは、「本人が伸び伸びと学校生活を送ることのできる学校」「やりたいことができる学校」といったように、その学校の特色を見きわめたうえで、ご家庭の価値観に合う学校を選ぶことです。
このように学校選びの基準が受験生それぞれで異なることを考慮すると、全体の受験率はあくまでも一般的な傾向としてとらえる必要があります。一般的な傾向を踏まえた上で、行きたい学校の実質倍率を個々にチェックしていくとよいでしょう。
早期決着を図る傾向も
関西圏では、毎年1月の第二土曜日または第三土曜日が統一入試日とされています。統一入試日である初日とその翌日である2日目の、午後入試を含めた併願戦略が重要であることは上で述べたとおりです。一方で、人気校の2回目入試や最難関校の入試が3日目以降に設定されていることも多く、実際には3〜4日目まで受験をされている方もいます。
大学附属校人気
大学附属校の人気は依然として続いています。先行きの見えない中で、少しでも不安を取り除きたいと考えるのでしょう。系列大学への進学がほぼ保証されていることから、クラブ活動や課外活動などに思いきり取り組めることも高い支持を得ている要因と思われます。
主要難関校の動向
末尾に主要難関校の受験者数、合格者数、実質倍率を掲載しました。あくまでも参考程度にご覧ください。志望校の詳細については、学校のWebサイトを直接確認したり、過去問題集の入試データなども参考にしたりするとよいでしょう。新校舎建設、入試日程変更などの理由で、ある年に倍率の急激な増減があった場合、入りにくさが敬遠されたり、逆に入りやすさが歓迎されたりして、翌年の倍率に反動が起こることがあります。大きな理由なく、倍率が増減する隔年現象が起こることもあります。
関西圏の難関校では3教科入試を行う学校も多くあります。入試制度の変更などにも注意しながら、今後の動向については都度確認するようにしてください。
関西の主な学校(合格者数/受験者数、実質倍率)

次回の受験サポートは6月11日(木)更新予定です。
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