「子どもにどれだけ情報端末を使わせるのか」「子どもとインターネットの関わりをどのように考えるべきか」。保護者にとって、大変悩ましい問題のひとつです。そんな「お子さまと『デジタル機器』との関わり方」についてZ会プログラミングシリーズの責任者が解説します。
※本記事は、2021年1月18日に「Z会 STEAM・プログラミング教育情報サイト」上で掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。
ある日の風景
娘たちの朝は早く、平日でも朝6時にはリビングではしゃいでいます。「おてつだいするー!」と言いながら家事の邪魔をしたり、なんのかんの理由をつけながら着替えずにパジャマで走り回ったりしています。
「ねえねえ、iPad使いたい。」
上の娘が言い出しました。下の娘も「使いたい!」と同調します。
「8時になったらね。まだ6時だから、使えないよ。」
我が家では、iPadは夜8時から朝8時まではパスワードを入力しなければ使えないように設定しています。
「いやだー。使いたいー!」
ですよね。いくら「お約束」とはいえ、小さな子どもが納得するはずがありません。なだめすかし、なんとか朝食を食べさせます。娘たちが朝食にかける時間は30分。食べ終わると7時過ぎ。しばらくはEテレの朝の番組を見ていますが、幼稚園に行く前あたりでまた、「iPadを使いたい!」と言い出します。幼稚園のバスの時間が決まっていますので、それまでと約束し、iPadを渡します。幸い幼稚園が好きな娘たち、バスの時間だよといえば素直にiPadを手放します。
幼稚園から帰ってきて。
「ねえ、iPad使う!」
朝思うように使えなかったことを覚えているからか、一歩も引く気配はありません。
「わかったわかった、じゃあ30分ね。」
30分後、そろそろだよと声をかけると、姉妹で喧嘩が始まりました。下の娘が「今度は私が使う」と主張し、上の娘は「ダメ!」と渡そうとしません。そこで私が実力行使でiPadを取り上げると、上の娘は泣きわめき始めました。下の娘は諦めて、妻のスマホを(勝手に)手に取り、写真を見始めました。……が、妻にスマホを取り上げられ、やはりギャン泣き。二人が泣き止むまでに30分ほどかかりました。
なぜ使いたがるのか
なぜ子どもたちにデジタル機器の使用を制限できないのでしょうか。まずは自戒を込めて「保護者が使っているから」という理由があげられます。保護者など、身近な人が使っていれば、「同じことを同じようにしたい」と思うのは自然なことです。そして、デジタル機器を用いて得られる体験にも理由はあるでしょう。デジタル機器を用いると、何らかの働きかけに対し、何らかの反応が返ってきます。テレビや読書ではそうはいきません。この、いわば「双方向性」が子どもにとっては楽しいのでしょう。
ここで改めて、こんなことを考えてしまいます。
「子どものデジタル機器利用って、本当に制限すべきなんだっけ?」
デジタル機器の使用が引き起こす問題
子どものデジタル機器使用について、様々なことが言われています。中には「こじつけに過ぎないのでは?」と思うものもありますが、間違いなく以下のデメリットはあるといえるでしょう。
- 使いすぎれば視力への心配がある
- ブルーライトの問題
- スワイプのしすぎで指が変形する恐れがある
また、かつては珍しかった若年層の「急性斜視」が増えており、その原因としてスマホの使いすぎが疑われるとの報告もあります(浜松医科大学・佐藤美保教授ら)。
当然のこととして、何事も「ほどほど」が大切です。暗い場所で長時間本を読みすぎれば視力は落ちますし、過剰に運動をすれば骨や筋肉に影響が出ることもあります。それでも読書や運動が推奨されるのは、うまくコントロールすることで、デメリットを上回るメリットがあるからです。デジタル機器の使用についても同じことが言えます。デメリットを知った上で、うまくコントロールする。そのことが今、求められているのです。
それでは、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。もちろん、「使う時間や場所、使えるものなどの約束を決めて、それに従わせる」ことは前提です。どのような思いと姿勢でお子さまと向き合えばよいのでしょうか。
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