プログラミングは中学校でも必修|独学で学ぶことができるのか学習ポイントを紹介

2020年度から小学校でプログラミング学習が必修化され、注目を集めています。そして中学校でも新学習指導要領の全面実施により、2021年度からプログラミング教育の内容が拡充されました。中学校では、どのようなプログラミング学習が行われるのでしょうか。この記事では、その内容を紹介するとともに、中学校でのプログラミング学習でつまずかないためのポイントを解説します。

※本記事は、2021年12月08日にZ会 STEAM・プログラミング教育情報サイト」上で掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。

 

中学校で学ぶプログラミングの内容

中学校で学ぶプログラミングは具体的にどういった内容なのでしょうか。中学校では、技術・家庭科の技術分野で「プログラミング」を扱います。中学校の技術分野では「材料と加工の技術」「生物育成の技術」「エネルギー変換の技術」「情報の技術」の4つを扱い、プログラミングは「情報の技術」に含まれます。そして、「情報の技術」は次の(1)~(4)で構成されています。

(1)生活や社会を支える情報の技術
(2)ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決
(3)計測・制御のプログラミングによる問題の解決
(4)社会の発展と情報の技術

これらのうち、「(2)ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」、「(3)計測・制御のプログラミングによる問題の解決」がプログラミングに関する内容です。

双方向性のあるコンテンツとは、出発駅と到着駅を指定すると条件に合わせてルートを提示してくれる乗換案内アプリや、自分が送信したテキストや画像などを見た相手が反応を返すSNSなどのコミュニケーションツールのように、「自分が入力した文字や、操作によって反応が返ってくる」機能をもつコンテンツのことです。

この項目では、双方向性のあるコンテンツの基本的な仕組みや利用方法を学んだのち、身近にある困りごとを双方向性のあるコンテンツを活用して解決する方法を考えていきます。たとえば、学校に関する質問にすぐに答えられるよう、あらかじめ質問に対する答えを用意して自動で回答するチャットボットなどです。

この項目は、以前の学習指導要領では「ディジタル作品の設計・制作」でしたが、新学習指導要領で変更されました。単にソフトウェアを用いて、プレゼンテーション資料やWebページの作成を行うだけではなく、プログラミングを使用した問題解決の手法を学ぶことが盛り込まれた点が大きな違いです。

「計測・制御のプログラミングによる問題の解決」では、まず、計測・制御システムの仕組みやプログラムの役割を学びます。計測・制御システムとは、光や温度、距離などをセンサによって計測し、計測された情報を処理して自動で動作を行う命令を出し、モータなどの仕事を行う部分の動作を適切に制御する仕組みのことです。

……と言っても、何が何やら、といった印象を受けるかもしれませんが、周囲の温度や湿度などを検知して室内を適温に保つエアコンや、食品の温度を感知してちょうどよい温度になるまで加熱してくれる電子レンジなどが計測・制御システムを使用した製品の例です。身のまわりのさまざまなものに計測・制御システムが組み込まれています。

この項目でも、学んだ内容を参考に、身近にある困りごとを計測・制御システムを用いて解決する方法を考えていきます。たとえば、ゴミを効率よく集めるロボット掃除機などです。

この項目は、以前の学習指導要領の「プログラムによる計測・制御」を継承したものですが、これも「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」と同様に、プログラムを制作するだけでなく、技術による問題解決の手法を学ぶ内容が加わったことが大きなポイントです。

中学生でプログラミング学習につまずかないためには事前の準備が大切

パソコンやスマホ、タブレットの普及により、子どもたちが情報機器に触れる機会は増加しています。これらの機器を正しく使いこなすために、情報技術の知識を身につけて、活用していくことが大切です。プログラミング学習は、そのきっかけとして考えられる選択肢の一つでしょう。

2020年度に小学校でプログラミング教育が必修化されましたが、明確に教材などが決まっているわけではなく、各学校の裁量に任されています。そのため、学校によって取り組み方や設備環境に差が出る場合もあります。中学校に進学して慌てないためにも、小学校の段階から少しずつプログラミングなどの情報の技術を学ぶ準備をしていくことが大切です。

中学生のプログラミング学習は独学でできる?

もちろん、お子さまにプログラミング学習に対する意欲があれば、書籍などを使い、独学でプログラミングを学ぶことは可能でしょう。しかし、独学で学ぶ場合、途中でつまずいてしまったときに答えがわからない、効率的に学習することが難しい、モチベーションを維持することが困難であるなどのデメリットもあります。

先ほど説明したように、小学生のうちから準備しておくのがおすすめです。お子さまお一人で、おうちで学べるプログラミング教育として、Z会でもいくつかの講座を展開中です。お子さまの学年やご興味に合わせてお選びください。
https://www.zkai.co.jp/z-programming/

中学生がプログラミングを学ぶ注意点

ここで、中学生がプログラミングを学ぶときに注意したい点を解説します。

初めから難しく複雑なものに挑戦すると、挫折してしまう可能性があります。まずは、自分でもできる簡単なものから始め、少しずつ難度を上げていくのがよいでしょう。「できた」という成功体験を積み上げていくことが、学習意欲の継続につながります。

そして、何よりも継続して学習することが大切です。最初はやる気に満ちていてもすぐに飽きてしまっては、学んだことが知識として定着しません。時間や目標を決めるなどしてコツコツと進めていくのがよいでしょう。

「プログラミングを学習して自分が何をしたいか」という目的を明確にしておき、目標を達成するために必要なステップを考えて行動に移すことで、次に何をすればよいかがわかりやすくなり、モチベーションの維持に役立ちます。

まとめ

小学生のプログラミング学習が必修化や中学生のプログラミング教育の内容拡充からも、プログラミングをはじめとした情報活用能力の重要性がますます高まっていることがわかります。

大学入学共通テストでも、理科や数学などとともに「情報」が入試教科の一つとして課されることが決まっています。お子さまの将来の可能性を広げるためにも、小学生や中学生のうちから、プログラミングなど情報の技術を学んでおくことを強くおすすめします。

 
(「プログラミングは中学校でも必修|独学で学ぶことができるのか学習ポイントを紹介」終わり)

 

学年やお子さまの興味に合わせた講座を展開中です。