[情報と入試]【第4回:「情報」入試はマイナーデビュー?! いえ、プログラミングと同じくメジャーデビューの準備をしています。】

2025年1月の大学入学共通テストから、「情報」が入試教科として加わります。来たるべき「情報」入試の内容と、情報入試・情報教育の未来予想図について、全6回にわたって解説いたします。

前回(【第3回:「情報」入試…学習することがばらばらじゃあ対策できないし…。 いえ、対策できます。】)はこちらからご覧いただけます。

※本記事は、2021年04月13日に「Z会 STEAM・プログラミング教育情報サイト」上で掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。

 

メジャーデビューの準備は万全!

2021年3月24日に独立行政法人大学入試センターは、

『情報』は「情報Ⅰ」の内容を出題範囲とする。 また,情報で一つの試験時間帯とする。

と、発表しました。
これを受け、情報入試の普及を目指す、情報処理学会が、2021年3月29日に喜びの声を出しています。どういうことでしょう。

実は、この時間割こそが、情報入試がメジャーデビューをはたすための絶対条件なのです。

地歴(地理歴史)と公民の受験者数と時間割

ちょっとだけ、難しい話をします。
次の表は、地歴と公民の受験者数を比べたものです。同じ教科でも2011年1月実施のほうが、公民の受験者数がかなり多いですね。少子化の影響でしょうか…いえ、地歴は逆に2014年1月実施のほうが増えています。

社会科受験2011年
社会科受験2014年

次に試験の時間割を見てみましょう。

2011年1月実施
1日目
公民(1科目) 9:30〜10:30
地歴(1科目) 11:15〜12:15
2014年1月実施
1日目
地歴・公民  9:30〜11:40

2011年1月実施は、地歴と公民で時間割が別、2014年は地歴と公民で時間割が同じです。これにより、2011年は地歴から1科目・公民から1科目選べるのに対し、2014年は地歴・公民から2科目選べるのです。

一般に、国公立文系の2次試験では、地歴(世界史B、日本史B、地理B)から2科目という学校が多く、受験生も地歴を重点的に勉強しがちです。そのため、公民を選択する受験生は少なくなってしまうのです。

一方で、2011年1月のように、公民だけで一つの時間帯であれば、2次試験での受験機会や高得点採用を狙うべく、多くの受験生が受験するのです。
「情報」が一つの試験時間帯となることの影響の大きさが、ここにあります。目指せ約20万人受験!
メジャーデビューへ向けて着々と準備が進められています。

でも、「大学が入試教科に採用しないと、意味がないのでは!?」という声が…入試の世界も流行があるのです!

 
【第5回:「情報」入試は流行にのれるのか!?売れっ子になれるのか?!…大学入学共通テストの影響力は大きいのです。】につづく)

 

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