働くおじいさんたち

出たばかりの新刊から保護者にも懐かしい名作まで、児童文学研究者の宮川健郎先生が、テーマに沿って子どもの本を3冊紹介していきます。 
今月のテーマは【働くおじいさんたち】です。

 

『はじめてのクリスマス』中面画像
『はじめてのクリスマス』より

サンタは ほっきょくで、いちねんじゅう おもちゃを つくっています。
クリスマスイブには そのおもちゃを そりにのせて、せかいじゅうの こどもたちに くばってまわります。
ぜんぶ くばりおわると、サンタは いえにかえって ねむります。
そして クリスマスのあさ、めをさますと すぐにまた、おもちゃづくりを はじめます。
それだけです。

 

「あなたが! なんてすばらしいんだろう。あなたがこの町で演奏するなんて。わたしたちは久しぶりに本物の音楽が聴けるんですね」
「そう。そして、わたしは本当に久しぶりに、完ぺきに調律されたピアノを弾くことができるんだよ」偉大なピアニストは言いました。

 

ウィロビーさんの おやしきにも、トラックで ツリーが とどきました。あおあおと した、みたことも ない ような おおきな ツリーです。

 


 

『はじめてのクリスマス』書影

『はじめてのクリスマス』
マック・バーネット 文、シドニー・スミス 絵、なかがわ ちひろ 訳 
偕成社、2024年 
エルフたちがうながして、サンタクロースとエルフたちは、クリスマスパーティーの準備をする。ごちそうがテーブルにならぶころ、ドアがバタンと開いて、入ってきたサンタクロースが、ほんとうのサンタクロースにプレゼントをわたす。入ってきたサンタクロースはだれか。

 

『ピアノ調律師』書影

『ピアノ調律師』
M・B・ゴフスタイン作・絵、末盛千枝子訳 
現代企画室、2012年 
調律の作業中、ルーベンは、その日のパールマン夫人との調律の約束をわすれていたことに気づく。あわてて、デビーに、約束をあすに変更してほしいと頼みに行かせる。ところが、テビーは、おじいさんのかわりに、パールマンさんのピアノの調律の仕事をはじめたのだ。

 

『おおきいツリー ちいさいツリー』書影

『おおきいツリー ちいさいツリー』
ロバート・バリー=さく、光吉夏弥=やく 
大日本図書、2000年 
裏口を通りかかった庭師のチムがかわいいツリーに気がついて、おかみさんに持って帰る。
さてさて、この話は、どうなるのだろう。

 

宮川先生プロフィール写真

宮川 健郎 (みやかわ・たけお)


1955年東京生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。同大学院修了。現在、武蔵野大学名誉教授。大阪国際児童文学振興財団理事長。『現代児童文学の語るもの』(NHKブックス)、『子どもの本のはるなつあきふゆ』(岩崎書店)、『小学生のための文章レッスン みんなに知らせる』(玉川大学出版部)ほか、著書・編著多数。

 

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