3月発売の新刊『異文化理解で変わる ビジネス英会話・チャット 状況・場面115』が好評発売中です!
本書は、異文化理解を深めながら英語を学べる、グローバルに活躍したいビジネスパーソン必携の1冊です。
著者の鈴木武生博士は、30年以上にわたってグローバル・ビジネスの前線で活躍する一方、東京大学総合文化研究科で言語情報科学を専攻した言語学博士でもあります。
著者の豊富なグローバル・ビジネス経験と、英語に対する言語学的知見の両方に裏付けられた解説は、本書の大きな魅力の1つとなっています。
今回のブログでは、言語学者の椎名美智先生よりいただいた書評をご紹介します。
椎名先生は、法政大学文学部の教授であり、著書『「させていただく」の語用論—人はなぜ使いたくなるのか』(ひつじ書房)でも話題の言語学者です。
言語学を専門とする椎名先生の視点で、本書がグローバル・ビジネスのどのような場面でどのように役立つのか、解説していただいています。このメッセージを通じて、本書の魅力をより立体的に感じていただけるはずです。
鈴木武生先生『異文化理解で変わる ビジネス英会話・チャット 状況・場面115』に寄せて
グローバルに活躍しているビジネスパーソンの皆さんは、経験を積むにつれて、英語でのコミュニケーション・スキルが徐々に身についてきている実感があると思います。仕事は問題なくこなせるし、必要なフレーズに困ることはないでしょう。
でも、キャリアを積めば積むほど、うまくいくことも、うまくいかないことも出てきます。想定外のトラブルにも遭遇するし、自分の責任ではない、外的な理由でトラブルが生じることもあります。あなたの判断力が試されるのは、実はそうしたトラブル場面です。そういう場面では、相手の文化的背景や価値観と自分の考え方に折り合いをつけながら対処することが求められます。これはもう英語だけの問題ではありません。言語の領域を超えた、言語の奥にある考え方の問題、マニュアルのない世界です。
英語は話せるようになっても、言葉の奥にある考え方や価値観は、そう簡単には理解できません。英語文化圏における対人関係、距離感の取り方、どういう付き合い方が求められているのか、自分が示した日本的な謙遜や遠慮は正しく理解されているのかなど、経験を重ね、知れば知るほど、わからないことは増えていきます。本来、これらは多くの場数を踏み、試行錯誤で身をもって学んでいくことです。
実体験が最善のレッスンですが、シミュレーションでも実体験と同じ効果が得られます。一度、そういう想定で練習して考えておけば万全。この本には、ビジネスで起こりうるさまざまな場面が取り上げられています。スムーズに進んでいる場面だけでなく、トラブルが起こった場面をきめ細かく想定し、どのように対応すればよいのか、きちんと例が示されています。
実は、この本のポイントはそこにあります。うまくいくときは少しぐらい対応が間違っていてもうまくいくものです。本当に大事なのは、トラブル場面での対応。対応を間違うと、ますます対人関係も仕事もこじれてくるからです。でも、ピンチはチャンス。そこがうまく切り抜けられれば、あなたはみんなから信頼を得て、存在感を増すことができます。
この本には、日常のビジネス場面で必要とされる英語の表現だけでなく、その奥にある文化的価値観や対人関係における距離感について考えるヒント、異文化コミュニケーションにおけるエッセンスがたくさん詰まっています。そのエッセンスが身についていれば、突然やってくる想定外のトラブルにも自分なりの対処ができます。それこそが、ビジネスコミュニケーションの真髄です。
丸覚えの英会話スキルでは対応できない場面も、異文化理解の考え方が基礎にあれば、自分が言うべきフレーズが浮かんでくるはず。この本に示されている場面設定は、英語でのビジネスコミュニケーションへの近道も、そうした本質に近づくための深い道も示されています。マニュアルに頼らなくてもよくなるマニュアル、まさにビジネスパーソンのための座右の一冊です。
椎名美智
法政大学文学部教授
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すでにグローバル環境で仕事をしている方はもちろん、海外赴任や外資系企業への転職を見据えている方や、将来グローバルに活躍したい学生の方にもおすすめの1冊です。
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