以前のコラムでお伝えしたように(Z会 イマドキ中学受験情報 塾なしでの中学受験は可能なのか?)、中学受験は親子の受験といえるほど保護者の方の協力が重要ですが、保護者の方も初めての受験対策で不安や悩みをおもちの方が多いと思います。
そこで、保護者の方の不安や悩みを解決するために、2019年~2021 年に私立(国立・公立)中高一貫校を受験したZ会員の保護者500人を対象に「中学受験について」のアンケートを実施しました。これから中学受験を検討しているみなさまの参考となれば幸いです。
「質の高い教育を受けさせたかったから」が77.2%
Q.中学受験をした目的について教えてください。(n=500、複数回答方式)
保護者の方に、中学受験をした目的について聞きました。
中学受験の目的として、「質の高い教育を受けさせたかったから」が77.2%で最も多く、「私立(国立・公立)の教育方針や校風が気に入ったから」が47.0%、「同じレベルの生徒が集まるから」が46.4%と続きました。「子どもが受験したいと言ったから」という回答も多く、40.4%となっています。
また自由記述で「同じレベルの子が集まる学校に通うことでもっともっと上を目指すようになりいい刺激になっていると思う」、「 学習面はしっかりとしたカリキュラムがあるので、学校に安心して任せられる」という回答が多くありました。子どもの未来を重視して中学受験をするご家庭が多いことがわかりました。
受験生全体の76.4%の方が小学4年生までに
中学受験をすることを検討
Q.中学受験を検討したのはいつ頃でしたか。また、タイミングとしてはいかがでしたか。(n=500、単一回答方式)
お子さまの中学受験について検討し始めた時期については、受験生全体の76.4%の方が小学4年生までに中学受験をすることを検討し始めていたことがわかります。
また、小学3年生までに中学受験をすることを検討し始めていた方が48.4%となり、より低学年のころから中学受験を意識し始めていることがうかがえます。中学受験検討のタイミングが適切と感じたかを聞くと、「適切だった」と答えた方は小学3年生が最も多く、4年生以後になると「遅かった」と答えた方が増えています。
また、お子さまの中学受験対策でもっとこうしておけばよかったと感じたことについて自由記述で回答してもらったところ、「もっと早く準備しておけばよかった」「もっと早い時期から、学習習慣をつけさせたかった」等、受験を意識し始めたタイミングについての回答が多く、受験を意識し始める時期は受験生にとって非常に重要であることが明らかとなりました。
本格的な受験勉強(受験に直結するような学習)は5年生からですが、その土台となる基礎学力、また長時間机に向かうといった習慣をつけるためにも3・4年生から受験勉強を始めるというのは適切だと思われます。
▽3・4年生での受験勉強については、こちらの記事もご確認ください。
小学3年生の学習時間は1-2時間程度が大半
Q.お子さまの1日の勉強時間について教えてください。
※中学受験対策に費やしたおおよその時間をお答えください。
お子さまの中学受験対策に費やした1日の勉強時間(※学習塾での時間を含む)について聞きました。学年が上がるにつれて学習時間が増え、小学6年生の夏以降の平日では3時間、休日では5時間以上学習している受験生が半数を超えていました。
また、中学受験を意識し始めた方が多い小学3年生の時の学習時間は、平日・休日問わず1-2時間程度という方が大半を占めているという回答でした。小学校3-4年生では、学習量をこなすことより、学習習慣を身につけること・中学受験対策の学習に慣れること等に時間を使った受験生が多かったと考えられます。
学習計画や問題の丸つけなど、積極的にかかわっている
Q.保護者の方はどのようにお子さまの勉強にかかわっていましたか。 また、苦労したことを教えてください。(n=500、単一回答方式)
お子さまの中学受験対策において、保護者のかかわり方について聞きました。「スケジュール管理」「学習進捗状況確認」「問題の丸つけ/解説」など学年問わず受験対策にかかわっていたことがわかります。
小学6年生時に通塾していたご家庭においても、スケジュール管理や問題の解説等、積極的にかかわっている保護者が多く、親子二人三脚で挑む「親子の入試」というのをあらわす結果ですね。また、かかわり方で苦労した点として、「勉強のモチベーションの維持・子どものメンタルケア」が最も高く55.8%となりました。
適度な距離感を保ちながら、志望校合格に向けて親子で協力してがんばれる環境作りをしていくことが大切と言えるでしょう。
受験生全体の35%が中学受験を終えるまで習い事を継続
Q.中学受験対策をしている時期の、塾や学習以外の習い事について教えてください。(n=500、単一回答方式)
中学受験対策以外の習い事について聞きました。受験生の68%が、中学受験対策をしながら習い事をした経験があると回答しました。習い事としては、ピアノが38.5%と一番多く、水泳が26.5%、英語・英会話が19.4%と続きました。
さらに、習い事を続けていた68%(340名)の方に、その習い事を中学受験を終えるまで続けたかどうか聞いたところ、52%の方が続けていたと回答しました。つまり、受験生全体の35%が中学受験を終えるまで習い事を続けていたことになります。
習い事を続けることができた理由を聞くと、「子どもが続けたいという気持ちがあったから」「あまり負担はなく、中学受験の息抜きとして」が多く、受験勉強の息抜きとしてうまく活用していたことがうかがえます。
中学受験をするために習い事をすべてやめると決めつけるのではなく、お子さまの学習の状況を見ながら、習い事を続けるかどうかお子さまと話し合ってみましょう。
▽お子さまのペースで中学受験対策を。
中学受験して良かったと感じた保護者97%
Q.お子さまの中学受験を振り返り、中学受験して良かったと感じますか。(n=500、単一回答方式)
受験を経て中学生活をおくるお子さまの様子を見て、中学受験をしてよかったと感じる保護者がほとんどでした。初めて親子二人三脚で挑んだ「中学受験」、自由記述から子どもの成長を中学受験を通して感じた保護者の方が多いことがわかりました。
最後に、具体的な保護者の声をいくつか紹介します。
まとめ
〇受験生の76.4%が小学4年生までに中学受験を検討。小学3年生以前に検討した受験生は48.4%。
〇小学3年生での学習時間は1-2時間程度が多く、学習習慣を身につける・中学受験対策の学習に慣れるために時間を使っていたことがうかがえる。
〇保護者はお子さまの「スケジュール管理・学習進捗状況確認」をしており、学年が上がるにつれて積極的に中学受験にかかわっていた。
〇保護者の苦労 「子どもの勉強のモチベーションの維持・メンタルケア」
〇受験生の68%が、中学受験対策をしながら習い事を継続 継続できた理由は「本人が続けたいという気持ちがあったから」
調査対象:Z会通信教育中学生向け講座を受講中で、2019年~2021年に私立(国立・公立)中高一貫校を受験した現中学生の保護者
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年12月17日(金)~12月18日(土)
回答者数:保護者 500 人
※この記事は、2022年2月1日に中学受験コース学習アドバイザーにより執筆されました。
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