出題校
千葉県の中高一貫校では、千葉県の共通問題を使用して、適性検査が実施されます。
各学校の問題は、次の表の通りです。
(共通=千葉県共通問題、独自=学校独自の問題)
1-1 |
1-2 |
2-1 |
2-2 |
|
|---|---|---|---|---|
| 千葉県立千葉中学校 | ||||
| 千葉県立東葛飾中学校 |
1-1 |
1-2 |
2-1 |
2-2 |
|
|---|---|---|---|---|
| 千葉県立千葉中学校 | ||||
| 千葉県立東葛飾中学校 |
※1-1・1-2が「一次検査」、2-1・2-2が「二次検査」となります。
全体的な傾向
問題の構成や傾向について、前年度からの大きな変化はありませんでした。
・適性検査1-1
2問構成で、大問1は和食についての問題、大問2は買い物の支払い方法についての問題が出題されました。
・適性検査1-2
2問構成で、大問1は物質の状態変化、浮力の原理に関する問題、大問2はダイヤモンド富士に関する問題が出題されました。
試験時間に対して問題量が多く、問題文から情報を読み取るスピードが求められます。
各問題の難易度にばらつきがあるため、確実に得点できる問題を見極めることが重要です。
問題ごとの分析
適性検査 1-1(45分)
共通問題(社会分野)
〇テーマ
和食
〇内容
和食で使われる食材の特徴や、日本の伝統的な食文化について、統計などの資料を丁寧に読み取りながら考察する。
◆概要
(1)~(2)
海外における日本食レストラン数の変化など、和食の海外人気に関する資料を読み取ります。
資料の細かい部分まで素早く正確に読み取る必要があります。
(3)~(6)
米の暮らしへの関わりや、和食の栄養バランス、発酵調味料について解答します。
特に(5)では、複数の資料から情報を素早く読み取り整理する必要があります。
(7)~(12)
日本の食文化の地域性や和食で使われる器などをテーマに、表やイラストなどを見て、日本食の工夫や変化などについて考えます。長めの記述問題もあります。
いずれも、資料が多く、内容も複雑であるため、一つの問題に時間がかかりすぎてしまうおそれがあります。
時間がかかりそうな問題を後回しにする判断も大切です。
問題の形式は、会話文や表の空欄に当てはまる言葉・文を答えるものが多いため、資料からわかることを自分の言葉で説明する力が必要です。
◆ピックアップ!問題攻略
差がついた1問や必ず得点しておきたかった問題について、おすすめの解き方とあわせてご紹介します。
(12)
資料を見ながら、「日本人の伝統的な食文化の体験会」の計画を立てる問題です。
自分の意見をまとめる力を強化するのに適した問題ですので、受検勉強の一環としてぜひ取り組んでみてください。
問題の条件を確認します。計画書の「ねらい」の部分を理解します。
資料15から、「ねらいのもととなった和食の特徴」を2つ選びます。
「ねらい」の中の「四季を感じとる」「行事食の魅力」という言葉に注目し、資料15のA~Dの中から、Bの「季節の移ろい」、Dの「年中行事」という特徴を読み取ることができるとよいでしょう。
「体験の内容」を記述します。次の条件をおさえる必要があります。
問題文で指定されている資料だけでなく、大問1の中で出てきた資料や会話文も参考にし、自分なりに観点をしぼって記述すると、より具体的な体験内容とすることができるでしょう。
共通問題(社会分野)
〇テーマ
買い物の支払い方法
〇内容
セルフレジやキャッシュレス決済の増加をふまえ、日本や海外におけるキャッシュレス決済の利用状況や、ICカードを利用した地域づくりについて考える。
◆概要
(1)~(4)
セルフレジやキャッシュレス決済の利用方法や利点、経済効果などについて解答します。
資料の数値から計算するスピードも重要です。
(5)~(8)
海外でのキャッシュレス決済の利用状況や、日本のキャッシュレス決済の利用率の低さについて考えます。
複数の資料を読み取り、情報をつなげて考える必要があります。
(9)
ICカードで得た情報をもとに町の課題を解決する方法を考えます。
町の課題を具体的にとらえ、解決方法を自分の言葉で説明する必要があります。
大問1同様、会話文の空欄に当てはまる言葉・文を答える問題が多いため、前後の文のつながりや、解答の条件を確認して、短くまとめる必要があります。
◆ピックアップ!問題攻略
差がついた1問や必ず得点しておきたかった問題について、おすすめの解き方とあわせてご紹介します。
(8)
日本のキャッシュレス決済の利用率が低い理由について、資料を読み取り、空欄に当てはまる文を考える問題です。
次のように、順序立てて解答するとよいでしょう。
資料7から、日本銀行券(お札)にさまざまな工夫がされていることを理解し、「く」に当てはまる文を考えます。
資料8から、日本の偽造券枚数は他国と比べ圧倒的に少ないことを読み取り、「け」に当てはまる文を考えます。
日本銀行券(お札)にはさまざまな工夫がされており、偽造券枚数が他国よりも少ないことから、日本では現金が信頼されていることを読み取り、「こ」に当てはまる文を考えます。
「つまり」という接続詞につながるよう、「く」と「け」を抽象化して「こ」を考えることがポイントです。
「く」「け」「こ」は文章としてつながりがあるので、空欄に当てはまる文を考えたら、通して読んでみて、文章のつながりがおかしくないか確認してみることも重要です。
適性検査 1-2(45分)
共通問題(算数分野)
〇テーマ
物質の状態変化・浮力の原理
〇内容
会話文や図、表から必要な情報を読み取り、体積や重さ、比の計算を行う。
◆概要
(1)~(3)の3問構成で、会話文の条件やグラフを読み取ったうえで、算数の知識(図形・比・単位量あたりの大きさ)を用いて理科の現象を考察する問題です。
(1)
ロウの状態変化にともなう体積や重さの関係を考える問題です。比や密度の考え方を用いて正しく立式・計算する力が問われています。
(2)
複数の材料を混ぜて固まる反応を考える問題です。
混合比に注意してグラフから反応の過不足を読み取ったり、材料の比率と密度から必要な材料の重さを求めたりといった複雑な問題を解きほぐす思考力が必要です。
(3)
熱気球がうかび上がる原理を「温度による空気1Lあたりの重さの変化」に注意して考える問題です。
熱気球がうかび上がる条件について、グラフから必要な数値を読み取ったうえで数式に表したり、実験条件に着目したりして考察するなど、柔軟な発想力が求められます。
◆ピックアップ!問題攻略
差がついた1問や必ず得点しておきたかった問題について、おすすめの解き方とあわせてご紹介します。
(2)③
この問題では、まず体積比と密度を用いて「重さの比」を導き出すことが、問題を最短で解く糸口になります。
次のようなステップで考えてみましょう。
「会話文であたえられた体積比」と「表1の密度」をかけて、「各材料の重さの比」を求めます。
各材料の重さの比を合計して、「コンクリート全体の重さの比」を求めます。
ステップ1とステップ2で求めた比を用いて、コンクリートの重さが850gのときのセメントと砂利の重さを計算します。
共通問題(理科分野)
〇テーマ
ダイヤモンド富士を見ることができる場所
〇内容
季節ごとの日かげ曲線の特徴と富士山の山頂との位置関係から、ダイヤモンド富士を見ることができる地点をわり出す。
◆概要
大問2を解くにあたり、以下の2点をスムーズにできたかどうかが、解答スピードに大きく影響したでしょう。
(1)③
②をヒントに考えます。
なお、午前9時のかげの右側と午前11時のかげの左側の交点などは、2時間以上、日かげが続くと想像しやすいのですが、そうでないところの処理を短時間でできるかどうか、思考力が問われました。
(1)④
建物の屋根の部分のかげが底辺4m、高さ1mの三角形になることに気づけるかどうかがポイントです。
(2)①
会話文の「ダイヤモンド富士を見ることができるならば、富士山と太陽は同じ方角にある」ことと、朝日と夕日の位置から考えます。
(2)②
図7と「わかったこと」をもとに空欄ク~ソに地点A~Hを書きこんでいくと、朝日や夕日のダイヤモンド富士を見ることができる地点、見ることができない地点の特徴を視覚的につかむことができます。
この問題のように、状況・条件を正確に理解するのが難しいときでも、まずは手を動かすことで理解につなげることが大切です。
(3)①
図7の日かげ曲線は太線が冬至、細線が夏至のものとわかるので、図9においてもいちばん北側の(太い)線が冬至、いちばん南側の線が夏至のものとわかります。
また、図4の春分・秋分の日かげ曲線はほぼ重なり、真っすぐな線であることから、図9においても真っすぐな線が春分・秋分の日のものと推測できます。
(3)②
「富士山の頂上から見て真東から左側に36度の方向」「円周上の・は、正五角形の頂点のうちの2つ」であることをヒントに考えます。
正五角形の中心角が72度であり、さらにその半分が36度であることに気づけるかどうかがカギでした。
◆ピックアップ!問題攻略
差がついた1問や必ず得点しておきたかった問題について、おすすめの解き方とあわせてご紹介します。
(2)
①
朝日のダイヤモンド富士を見ることができるのは、その地点が富士山の頂上よりも西側に位置している必要があることから考えます。
夕日のダイヤモンド富士を見ることができるのは、その地点が富士山の頂上よりも東側に位置している必要があることから考えます。
②
【概要】と重複しますが、図7と「わかったこと」をもとに空欄ク~ソに地点A~Hを書きこんでいきます。
まず、「わかったこと」の1つめから、地点A、Hは空欄ス、セのどちらかに、「わかったこと」の2つめから、地点E、Fは空欄ケ、コのどちらかに、「わかったこと」の3つめから、地点B、C、D、Gはそれぞれ空欄ク、サ、シ、ソのいずれかに当てはまることがわかります。
次に、地点AとH、地点EとFをしぼりこみます。
「わかったこと」の6・7つめから地点EとHは1年間に1回だけダイヤモンド富士を見ることができ、さらに地点Eは12月22日ころ(冬至のころ)に夕日のダイヤモンド富士を見ることができるとあるので、空欄ケにはEが当てはまります。地点Hは同じく冬至のころに、朝日のダイヤモンド富士を見ることができるので、地点Hは空欄セです。よって、残った地点A、Fはそれぞれ空欄ス、コに当てはまります。
最後に、地点B、C、D、Gをしぼりこみます。
「わかったこと」の4つめから、地点Cは富士山の頂上からのきょり100km以内に位置することから空欄シかソとなります。さらに、地点Cは冬至の日において、富士山と同じ方角に太陽を見ることはできないことから、地点Cは富士山の頂上よりも南側に位置することがわかります。よって地点Cは空欄シ、地点Gは空欄サとなります。
よって地点Bは空欄ソ、地点Dは空欄クです。
とくに伸ばしておきたい力
千葉県の一次検査では、「5つの力」をバランスよく伸ばすことが求められますが、より伸ばしておきたい力として、情報整理・運用力、論理的思考力、課題解決力が挙げられます。
・適性検査1-1
【大問1】
情報整理・運用力、論理的思考力が必要です。
解答に必要な情報を素早く見つけ整理する力を身につけておくことが重要です。
また、情報を自分の言葉で説明する力も伸ばしておきましょう。
【大問2】
課題解決力が特に必要です。
数値の背景にあるできごとや理由を正しくとらえ考察したり、資料から課題を読み取り解決策を提案したりできるよう練習しておきましょう。
・適性検査問題1-2
【大問1】
教科基礎力、情報整理・運用力が必要です。
比や密度、図形の体積などがからむ計算はよく出題されるため、必ず身につけておきましょう。
また、あたえられた情報を整理して考える力も大切です。
【大問2】
情報整理・運用力、論理的思考力が必要です。
問題文であたえられたきまりをしっかりと理解したうえで、さまざまなパターンに当てはめて考える力を伸ばしましょう。
おすすめの学習法
比較的解きやすい問題がある一方、答えを出すためにはかなりの時間を要する問題も出題されています。
時間内により多くの問題を解くために、情報を素早く正確に読み取る練習を積むことが大切です。
問題ごとに、おすすめの学習法を紹介しますので、参考にしながら学習を進めていきましょう。
・適性検査問題1-1
【大問1】
資料を多くあつかう問題に取り組み、あたえられた資料から必要な情報を素早く見つけ出し、自分の言葉で説明する練習をしましょう。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生10月号では、統計資料を読み取り、情報整理・運用力を養う学習ができます。
【大問2】
資料や意見をもとに、課題をつかみ、解決策を考える練習をする必要があります。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生7月号では、さまざまな種類の資料をもとに、社会の課題やその解決策を検討する問題に取り組みます。キャッシュレス決済をめぐる課題の解決も、題材としてあつかっています。
・適性検査問題1-2
【大問1】
問題文であたえられた情報を整理して、論理的に考える練習をしましょう。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座5年生3月号では、グラフの数値を正確に読み取り、複数の情報を組み合わせて論理的に推論する力をきたえる問題に取り組みます。
【大問2】
初めて見るようなテーマの問題において、問題文や資料であたえられたきまりをしっかりと読み解き、問われている内容に一つずつ答えていく練習が大切です。
Z会の公立中高一貫校適性検査講座6年生7月号では、問題であたえられたきまりや条件から類推して考える問題に取り組みます。

