「お子さまに寄り添った添削」「充実した解説」を日々お届けしている通信教育のZ会が、2026年度(2026年2月実施)開成中学校の入試問題「算数」を詳細に分析しました!
入試問題の概観と大問1つを厳選し、Z会ならではの視点で解説をまとめましたので、ぜひお役立てください。
入試概観・解説(開成中学校)
開成中学校の算数を徹底分析! 今年の入試問題の概観と、開成中最頻出分野・立体図形の問題「大問3」の詳細解説を掲載。
大問3の解説だけにとどまらず、今後の開成入試を解くときにも活かせる各問題のポイントも紹介しますので、ぜひご確認ください。
概観
入試問題全体を通して
今年度も前年度に引き続き大問4題の構成であった。単元としては「速さ」「数と論理」「立体の切断」「図形と場合の数」であった。
いずれも開成入試では頻出の分野であり、過去問演習などを通してこれらの分野にしっかりと習熟できているかが合否を分けるポイントとなった。
各問題で要求されるレベルが高い一方、丁寧な誘導もついており、極端に難しい問題はなかった。つまり、どの大問も「差がつく大問」であったということができるだろう。
実際、学校発表の合格者平均と全体平均の差は、ここ2年は10点未満であったが、今年は13.2点もの開きがあった。
丁寧な処理や試行錯誤が求められる問題が多く、すべての問題を時間内にミスなく解き切るには相当な力が必要である。そのため、どの問題に時間をかけるかの判断がカギを握る入試だったと思われる。
大問1
図形上の点の移動と面積について、グラフを用いて考察していく問題である。(1)で30秒後までのグラフを解答するが、(2)で(a)(b)をわざわざ分けて問われている意味を察し、30秒後から60秒後までのグラフは、30秒後までのグラフを180度回転したものであることに気づきたい。
開成の算数としては標準的な難易度であるので、丁寧に処理を行い確実に正解したい。
大問2
分数を用いた式の計算結果が最大(最小)となるように空欄に数字を埋める問題である。最大となる場合の計算結果や最小となる場合の数値の範囲が問題で与えられているが、それがあったとしても(2)はかなり難しかったのではないか。
例えば、1つめの(分母が2けたの)分数の分母が98、2つめの(分母が1けたの)分数の分母が7とすると、和を求めるときには2つめの分数の分子が14倍される。つまり2つめの分数の分子が1大きくなることは、1つめの分数の分子が14大きくなることに相当する。
このように考えて、より影響の大きい位から丁寧に決定していくことが大切である。
大問3
白黒2色に色分けされた立体を切断する問題である。切断のしかた自体はシンプルであるものの、考えるべき黒い立体が立方体の内部にあり、45度傾いていることが切り口をイメージするのを難しくしている。
「同じ面上の点は直線で結ぶ」「平行な面には切り口の線が平行に入る」という、切断問題の定石をしっかりと意識しながら、4つある黒い四角柱にどのように切断面が入るのかを注意深く考察する必要があった。
後日、解説を掲載する予定だが、開成で合格点を勝ち取るためには、立体図形、とりわけ切断の発展問題は避けては通れない最頻出分野である。『Z会頻出分野別演習 立体図形難問対策』では、切断を含めたさまざまな立体図形の難問を、難関校の入試問題なども紹介しながら扱っているので、開成の立体図形対策としてぜひ取り組んでみてほしい。
大問4
与えられた点を頂点とする三角形のうち、4つの特徴をすべてもつものの面積と個数を考える問題である。
各三角形の面積については、正六角形の分割を利用して考える必要がある。大前提としてこの技能はしっかりと身につけておくようにしたい。
難しかったのが(3)の、4つの特徴をすべてもつ三角形を新たに見つける部分であろう。
やみくもに考えるのではなく、問題文で示されている三角形を利用し、1つの頂点だけをいろいろ動かしてみるなど、探し方をくふうしたいところである。
三角形の個数を求める際には、(2)のように内部にどの点を含むかで場合分けをして考える。こういった誘導にうまく乗ったうえで、どの向きの三角形が存在するのかの数え上げは、ミスのないように注意深く行いたい。
大問3の解説
大問3「三角柱を組み合わせた立体の切断」は、開成で頻出の立体の切断を扱った問題である。立体の色に注意して、切り口や切断されてできる立体を調べていく必要があり、丁寧な処理が求められる問題であった。黒い部分は4個の四角柱に分けられるので、一つひとつ見ていくことが大切である。
(1)以下解説に記載
(2)40(cm3)
(1)解説

以下では4個の黒い四角柱について、図のようにそれぞれ①~④として解説する。四角柱①は、3点A、B、Cを通る平面によって切断されないので、四角柱②~④についてのみ考えればよい。
四角柱②・四角柱③は、いちばん上の面を直線ACが通るので、これを糸口にして考えるとよい。四角柱②の辺とACの交点は、(図1)の点E、Fである。

ここから、2種類の解法を紹介する。
(解法1)切り口に現れる黒い部分の形に注目する。
○四角柱②・四角柱③について
EFは四角柱②の上面の辺に平行なので、(図2)のようにEFを通る四角柱②の切り口は必ず長方形になる。この長方形を解答欄の正三角形に合わせて書きこむと、黒い部分と白い部分の境界線は下の(図3)のように伸びることがわかる。


ここで、(図2)の辺GHが、立方体Zの手前の面上にあることを考えると、切り口の長方形の頂点の1つはABとGHの交点であることがわかる。したがって、切り口の長方形は(図4)の長方形EFJIになる。
四角柱③についても同様に考えることで、切り口の長方形は(図4)の長方形KLNMになることがわかる。
○四角柱④について

(図4)の点J、Mは四角柱④の辺上にもあるので、これを糸口にして考える。先ほどと同じように切り口が長方形になることや、長方形の頂点が辺AB上、辺CB上にあることをふまえると、切り口は(図5)の長方形JMPOになる。
したがって、切り口に現れる黒い部分は、(図5)で色をつけた部分である。
(解法2)ACに平行な線で切り口を区切って考える。

切り口の三角形ABCを上から下へ(辺ACの側から点Bの側へ)と見ていったとき、色のつき方が変わるのは、(図6)の太線で示した2つの面を横切るときである。これが切り口においてどの部分にあたるのかを考える。
下の(図7)において、ABとGHの交点をIとすると、三角形AGIと三角形BHIは相似で、相似比は、AG:BH=1:3より、AI:IB=1:3とわかる。同様に(図8)において、三角形AQOと三角形BROは相似で、相似比は、AQ:BR=3:1より、AO:OB=3:1である。

したがって(図6)の太線で示した2つの面と切り口との交わりが、(図9)の太線IN、太線OPのようになるとわかるので、これらの間を塗りつぶすことで、切り口の様子は(図5)のようになる。

(2)解説
(1)でそれぞれの四角柱の切り口を求めているので、切断された立体のうち、立体Wに含まれるものの体積を計算して、たし合わせればよい。
黒色の四角柱1個分は、底面が対角線4cmの正方形、高さが8cmなので体積は、
4×4÷2×8=64(cm3)
○四角柱②・四角柱③のうち立体Wに含まれる部分

四角柱②のうち立体Wに含まれる部分は図の三角柱である。三角形EGIを底面と見ると、もとの四角柱と高さ(IJ)が共通なので、体積の比は底面積の比に等しく、(1×1÷2):(2×4)=1:16
したがって色を付けた三角柱の体積は、
64×=4(cm3)
四角柱③のうち立体Wに含まれる部分も同様である。
○四角柱④のうち立体Wに含まれる部分

右の図において、SJ=RO=2cmなので、切り口はこの四角柱の体積を2等分する。したがって立体Wに含まれる部分(上側の部分)の体積は、
64×=32(cm3)
以上より、立体Wの黒い部分の体積は、4×2+32=40(cm3)
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