秋になると、6年生は学校別対策・過去問演習が本格化し、5年生は受験学年に向けて学習内容の難度がぐっと上がります。今までと同じように学習をしていては「時間が足りない」という事態に陥りかねません。そうならないようにするためにも、夏休みの段階から9月以降の学習を見据えて勉強に取り組むようにしましょう。
9月以降に5・6年生の学習はこう変わる
〇6年生
6年生の9月以降は、「学校別対策」と「過去問演習」に取り組む必要があります。これまでの学習だけでも大変だったのに…というお子さまもたくさんいらっしゃると思いますが、9月以降はバランスよく併行して学習できるように、学習の進め方を工夫し、調整していく必要があります。そこでカギとなるのが「総合演習」(複数の単元がまざった問題の演習)の取り組み方です。学習要素が増える以上、これまでのように多くの時間をかけて取り組むわけにはいきません。短時間の取り組みでも必要な演習ができるように夏休みを使って準備を進めておく必要があります。
〇5年生
5年生は9月以降、算数では「速さと図形」、理科では「水溶液、電流、力学」など、重要単元に取り組むことになります。実はこれら重要単元で出題される計算問題のほとんどは、5年生前半で学習する算数の「比と割合」の知識(比の性質)を使って解いていきます。そのため「比と割合」の理解が不十分のままだと、5年生後半の算数や理科でつまずいてしまいます。
9月以降につまずかない!夏休みの学習メニューはこれ
では、9月以降の学習でつまずかないようにするためには、夏休みにどのような学習を進めておくべきなのでしょうか? 具体的に見ていきましょう。
〇6年生のための夏休み学習メニュー
6年生については、9月以降「総合演習」に割く時間を短縮できるように、苦手教科や苦手単元をできるだけ克服しておくようにしましょう。「克服する」といっても、すべての問題を完璧に解けるようにするということではありません。基礎をしっかり理解し、基本問題ならスラスラ解けることを一つの目安としてください。基礎がわかっていれば、9月以降の「総合演習」でわからない問題があったとしても、それほど広範囲で大掛かりな復習をすることなく、知識を積み上げていくことができます。もちろん、4教科満遍なく取り組むことも大切です。
そして、ただ漠然と学習していてもなかなか成績は伸びていきません。自分の苦手教科・単元がどこなのかを見極め、自覚し、苦手を克服するんだという目標を持って、夏休みの学習に取り組むようにしてください。
〇5年生のための夏休み学習メニュー
5年生は、算数「比と割合」の復習にしっかり取り組みましょう。難しい問題まで完璧に解けるようにする必要はありません。基本問題に対して、どうしてこのような公式が成り立つのか、この答えになるのか説明できることを目標に勉強をしてみてください。
「比と割合」の復習が終わったら、他の教科の学習も忘れずに。多くの学校の入試は4教科で実施されますので、国語は漢字や文法知識の復習や反復練習を積み重ねておきましょう。社会は6年生までしばらく勉強する機会のなくなる地理の復習を、理科はこれまで習った単元で抜けているところを確実にフォローしておいてください。算数についても「比と割合」以外も大切な単元です。苦手な単元は学習課題として取り上げて、勉強を進めるようにしてください。
理科や社会の語句知識を覚えきれないという話もよく聞きますが、しっかり記憶に定着させるためには国語の漢字と同じように書いて覚えるということが大切です。ただ読むだけでなくて、しっかり手を動かして覚えるようにしましょう。
秋以降に備える夏休みにしよう
秋以降になると、前述の通り、6年生はやらなければならないことが多くなり、5年生は勉強内容が難しくなります。来る変化に十分対応できるよう、夏休み中に「やるべきことをしっかりやっておく」ことが大切です。塾に通われている方なら塾の勉強や宿題をしっかりやる、Z会中学受験コースを受講されている方なら8月号教材やこれまでに提出した答案の復習にしっかり取り組む等、自分がやるべきことに取り組みましょう。その際は時間を決めて、1時間と決めたら1時間、2時間と決めたら2時間、その時間内は集中するようにします。
また、夏休みには、これまでの学習の復習だけでなく、夏休み中に取り組んだ内容の復習もできるように計画を立てましょう。通塾されているお子さまは塾がない日に、通塾されていないお子さまは週1回を目安に「復習の日」を決めて、解けなかった問題やもう少しで解けそうな問題の解き直しに取り組んでみてください。苦手分野については、完璧を求めずに基本的な分野をしっかり身につけられるように取り組みます。
〇6年生向けアドバイス
夏休み中に間違いノートを作っておくことをオススメします。とくに知識事項について、間違えた漢字、理科・社会の用語など、教科別にノートにまとめておくと、自分の間違いやすいところをピンポイントで復習できるので非常に役立ちます。比較的時間のある夏休みに取り組んでみてください。
〇5年生向けアドバイス
読書などで、長い文章を読むことに慣れておくとよいでしょう。難しいものではなく、Z会や塾の教材で読んで面白かったなと思ったものや、自分の興味関心のある分野の本でかまいません。6年生になるとそのような余裕がなくなるので、ぜひ5年生の夏休みに読書の時間をとってください。
〇保護者向けアドバイス
保護者の方には、お子さまの「時間管理」をお願いします。4教科の学習量のバランスなどを考慮の上、取り組むべきことを具体的にアドバイスしていただけたらと思います。「復習の日」については1週間に1日程度を目安に、お子さまの学習状況に合わせて設定・調整してください。
6年生は第一志望校合格に向けて、5年生は受験学年に向けて、9月以降やるべきことにしっかり取り組めるように、夏休みを有効に使って十分な準備をしたいものですね。
※この記事は、2021年7月31日に中学受験コース学習アドバイザーにより執筆されました。
Z会の中学合格実績、
中学受験対応コース・講座のご紹介
公立一貫校受検をお考えの方に 公立中高一貫校適性検査5・6年生
最難関中学受験をお考えの方に [Z会×エクタス]最難関中学受験プレミアム講座4~6年生