第55回 早慶附属高校の入試制度を知ろう

執筆者:尾田哲也(Z会進学教室 代表 御茶ノ水教室長/数学科)
記事公開日:2022年06月03日
最終更新日:2022年06月18日

早慶附属高校の入試制度を知ろう

こんにちは。Z会進学教室代表で、御茶ノ水教室で教室長をしている尾田です。今回は「早稲田大学」「慶應義塾大学」(2つの大学を合わせて「早慶」と呼ぶことが多いです)の首都圏にある附属高校について、入試制度を中心にお伝えします。小学6年生の皆さんや保護者の方はもちろんのこと、中学生の皆さんもぜひご覧いただき、学習の参考にしてください。

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首都圏の早慶附属高校

首都圏にある高校募集を行っている早慶附属・系属高校は以下の7校です。

・早稲田大学高等学院(早大学院・東京都練馬区・男子校)
・早稲田大学本庄高等学院(早大本庄・埼玉県本庄市・共学校)
・早稲田実業学校高等部(早稲田実業・東京都国分寺市・共学校)
・慶應義塾高等学校(慶應義塾・神奈川県横浜市港北区・男子校)
・慶應義塾志木高等学校(慶應志木・埼玉県志木市・男子校)
・慶應義塾女子高等学校(慶應女子・東京都港区・女子校)
・慶應義塾湘南藤沢高等部(慶應湘南・神奈川県藤沢市・共学校)

このうち、慶應湘南は「全国枠入試」(小6から中3までの4年間の全期間を、東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県以外の地域に在住かつ在学した生徒が対象)と「帰国生入試」のみの募集なので、この記事では、まず慶應湘南以外の6校の入試を、推薦入試・一般入試・帰国生入試の順に説明して、最後に慶應湘南について触れることにいたします。

早慶附属高校の推薦入試

早慶附属高校の推薦入試は、その高校を第1志望にする生徒が受験することができます。つまり合格したら入学することが前提になります。

早慶附属以外の大学附属高校の推薦入試は、適性検査という名のもとにテストを行って、そのテストの結果、つまり学力を重視する傾向が強いのに比べて、早慶附属高校の推薦入試は、学力以外のものも重視する傾向が強いです。

早慶附属高校6校の中には、学校の調査書の成績(いわゆる内申点)の基準さえ満たせば受験することのできる学校と、何か特別な実績がないと受験することのできない学校があります。

早稲田実業の推薦入試は、出願資格として、内申点基準(全学年の9教科の評定の合計が94以上など)の他に、スポーツ分野で都道府県大会8位以内や、文化分野で都道府県レベルのコンクール等において入賞以上などの実績が必要です。例年12月中旬に行われる「活動実績資格相談」において、受験資格の認定を受けないといけません。入試日(1月22日)には作文と面接の試験があります。

慶應義塾と慶應志木と早大本庄は、まず書類選考があり、書類選考に合格した生徒のみが面接試験などに進むことができます。アピールするものが何もないと書類選考で落ちてしまいます。

慶應義塾の推薦入試は、出願資格として、内申点基準(中3の9教科の評定合計が38以上)などの他に「中学校時代に、運動・文化芸術活動などにおいて、相応の成果を上げた者」というものがあります。実績がないと書類選考で不合格になってしまいます。書類選考に受かった生徒は、入試日(1月23日)に作文と面接の試験があります。

慶應志木の推薦入試は、出願資格として、内申点基準(中3の9教科の評定合計が38以上)などの他に「学校内外で、中学生として充実した諸活動を行い、それを入学志願書によって示すことのできる者」というものがあります。入学志願書に諸活動の実績や志望理由・高校で学びたいことなどを記入し、その入学志願書によって書類選考が行われます。慶應義塾に比べると、実績だけではなく、入学志願書の内容も重視されていると思われます。書類選考に受かった生徒は、入試日(1月23日)に面接資料の記入(40分間)と面接(個人面接とグループ面接)があります。「面接資料」は高校入試でよくある、得意・不得意教科や長所・短所を書くような簡単な面接資料と異なり、小論文に近いもので、教養も問われます。

早大本庄の推薦入試は、出願資格として、内申点基準(中2の9教科の評定合計が38以上かつ中3の9教科の評定合計が40以上など)の他に何らかの実績が求められます。活動記録報告書や志望理由書を提出し、それによって書類選考が行われます。書類選考に受かった生徒は、入試日(1月22日)に面接試験があります。

慶應女子と早大学院は、事前の書類選考による選抜がないので、内申点などの出願資格を満たして出願すれば、1月22日の面接試験などを受験することができます。

慶應女子の推薦入試の出願のための内申点基準は「中3の9教科の評定合計が42以上かつ理科と社会がともに5、など」です。入試日の1月22日には、適性検査(90分)と面接が行われます。適性検査では様々な教科が絡んだ総合問題が出題されます。

早大学院の推薦入試の出願のための内申点基準は「中3の9教科の評定合計が40以上」です。出願時に9項目からなる出願者調書を提出し、それをもとに面接試験が1月22日に行われます。面接試験は高校入試の面接としてはかなり長い時間行われますので(約30分間。中3男子に30分間話をさせる!)、しっかりと練習をしておかないといけません(Z会進学教室に通っている本科生で推薦入試を受験する生徒には面接練習を行っていますが、最初から30分間の話ができる生徒はほとんどいません)。

早慶附属高校の一般入試
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首都圏の早慶附属高校6校の一般入試の学力試験は英数国の3教科です。理社の試験はありません。

いずれの高校も出題する問題のレベルはかなり高く、全国的に見ても、最も難しい入試問題を出題する高校の1つと言っても良いと思います。そのため、Z会進学教室のVコース(難関高校受験コース)などで高いレベルの対策をしておく必要があります。

早慶附属高校6校の一般入試では、英数国の試験のみが行われる学校と、英数国の試験に加えて面接や小論文・作文などが課される学校があります。

早稲田実業の一般入試は、2月10日に英数国の試験のみが行われます。試験時間は英語は70分、数国は各60分です。早稲田実業は6校の中で唯一、合格最低点や教科ごとの受験者平均点を発表しています。合格最低点は例年300点満点で180点前後になることが多いです。

慶應義塾の一般入試は、1次試験として英数国の試験(各教科60分)が2月10日に行われ、1次試験に受かった生徒は、2次試験として面接が2月13日に行われます。2021年と2022年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2次試験の面接が行われず、1次試験のみで合否が決まりました。

慶應志木の一般入試は、1次試験として英数国の試験(各教科60分)が例年2月7日に行われ、1次試験に受かった生徒は、2次試験として面接が2月11日に行われます。2021年と2022年も2次試験が行われました。慶應志木は1次試験の合格者の平均点を発表しています(1次試験の合格者の平均点を取っていれば、おそらくほとんどの生徒が最終合格ももらえると思います)。300点満点で160点を割る年から190点を超える年まで、年によって若干ばらつきがあります。

早大本庄の一般入試は、2月9日に英数国の試験のみが行われます。試験時間は各教科50分です。以前は慶應義塾や慶應志木のように、1次試験に合格した生徒に2次試験の面接が行われていたのですが、2020年から2次試験の面接が実施されなくなりました。

慶應女子の一般入試は、2月10日に英数国と作文の試験が行われます。試験時間は各教科60分です。作文も60分で600字以内の文章を書かないといけません。作文は年によって傾向が違うので、どのような題材のものが出題されても書けるようにしておかないといけません。

早大学院の一般入試は、2月11日に英数国と小論文の試験が行われます。試験時間は英数国が各50分、小論文は長めの課題文を読んで自分の考えをまとめるもので、90分で901字以上1200字以内の文章を書かないといけません。

早慶附属高校を第1志望にしている生徒は、複数の早慶附属高校を受験する生徒が多いですが、早稲田実業と慶應義塾と慶應女子は、入試日が同じ2月10日なので、男子は早稲田実業と慶應義塾の、女子は早稲田実業と慶應女子の、どちらかしか受けることができません。

また、慶應志木は1次試験に受かると、2次試験が2月11日なので、慶應志木と早大学院の両方に合格することはできません。出願は両方にしておいて、慶應志木の1次試験に受かった場合は2月11日は慶應志木の2次試験に、慶應志木の1次試験に残念ながら不合格だった場合は2月11日は早大学院に、受験をしに行く生徒も多いです。

早慶附属高校の帰国生入試・慶應湘南の入試

首都圏の早慶附属高校6校では、帰国生入試を実施しています。帰国生としての認定基準は学校によって異なりますので、細かい認定基準は各高校のHPをご覧いただく方が良いと思います。いずれの高校も一般入試と同じ日に同じ英数国の問題で入試が行われ、一般入試よりも若干合格最低ラインを下げている学校が多いようです。

早大本庄のみは、一般入試と同じ日に行われる帰国生入試の他に、推薦入試と同じ日に行われる帰国生自己推薦入試もあります。帰国生自己推薦入試では合格したら入学することが前提になります。まず書類選考が行われ、書類選考に合格した生徒は、1月22日に数学と国語の基礎学力試験(各教科30分)と面接が行われます。英語の試験はありませんが、出願時にTOEIC・TOEFL・英検などの成績票や合格証書を提出して、それも含めて書類選考が行われます。

慶應湘南は「全国枠入試」(小6から中3までの4年間の全期間を、東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県以外の地域に在住かつ在学した生徒が対象)と「帰国生入試」のみを募集しています。いずれの入試も、2022年から入試形態が変わりました。

「全国枠入試」は2022年から出願資格として、内申点基準(2022年は「中3の9教科の評定合計が40以上かつ英数国は各4以上」だったが、2023年は「中3の9教科の評定合計が41以上かつ英語は5で数国は各4以上」に変更される)と「学校内外で中学生として充実した諸活動を行い、それを出願書類によって示すことができる者」というものが設けられました。「全国枠入試」では、まず書類選考が行われ、書類選考に受かった生徒は、入試日(2月12日)に面接試験があります。

「帰国生入試」は帰国生としての認定基準は他の早慶附属高校よりも緩く、小学生の時に帰国しても海外在住期間によっては帰国生入試を受験できる場合があります。一方で、2022年から出願資格として「TOEFL iBT 70点以上、またはIELTS 5.5以上、または英検準一級以上を取得している者」というものが設けられました。入試日(2月12日)に、課題型小論文と数学と面接の試験があります。

最後に

早慶附属高校の入試制度を簡単に紹介いたしましたが、さらに詳しくお知りになりたい方は、映像で配信しているZ会進学教室の早慶附属高校入試研究会をご覧いただけたらと思います。早慶附属高校入試研究会では、早慶附属6校の推薦入試と一般入試の話を中心に、さらに詳しく説明しております。

Z会進学教室では入試研究会という名称で入試の説明会を行っており、新型コロナウイルスの感染拡大以降の2020年からは主に映像での配信を行っております。日ごろZ会進学教室にお通いの本科生以外の方も、配信期間は限定されますが、お申込みいただければご覧いただくことが可能なものが多いので、ぜひZ会進学教室のホームページよりお申込みいただければと思います。(早慶附属高校入試研究会の次回の配信は、7月上旬を予定しております)

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この記事の著者

尾田哲也(おだ・てつや)

Z会進学教室で横浜教室長・渋谷教室長・御茶ノ水教室長を歴任するとともに、20年以上数学の授業を担当。入試情報の分析・発信に力を入れている。

御茶ノ水駅の学習塾・個別指導塾「Z会御茶ノ水教室」

 

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