【2024年度入試】大阪大学外国語学部以外 英語

英文和訳、長文読解、英作文の3つの力が
バランスよく問われる。

Ⅰは下線部和訳、Ⅱは長文読解、Ⅲは自由英作文、Ⅳは和文英訳の全4題の構成。限られた時間内でさまざまな形式の問題を解かなくてはならないため、各大問にかける時間を意識して解答を進める必要がある。

*分量:変化なし *難易度:やや難化(昨年度比)

 

■概要 (90分、文学部は105分)
* 出題・解答の形式

  • 記述式、客観式混合。

* 特記事項

  • 大問の出題数・形式に大きな変化はなかった。
  • Ⅱの長文読解について、2023年度に引き続き下線部和訳の出題がなかった。
  • Ⅲの自由英作文は、2023年度に引き続き「80語程度」だった。

 

■各問の分析(難易度は阪大受験生を母集団とする基準で判定しています)

Ⅰ(A):英文和訳(生物にとっての海とは)[やや易]
英文のテーマはわかりやすく、文構造・語彙ともにさほど難解な箇所は見られない。強いてあげるなら、1文目の強調構文、3文目の embodiment と the + 形容詞が正しく訳出できたかがポイント。
Ⅰ(B):英文和訳(芸術家の仕事)[標準]
こちらも内容はつかみやすいが、1文目の they do what they do など、そのまま直訳するのでは意味が通らないところがあり注意が必要。文脈をふまえて、具体的に何を意味するのか適切に訳出したい。2文目の an aspiring artist はやや難易度が高いが、「芸術家が助言をする」という文脈から推測可能であろう。
Ⅱ:長文読解(天の川銀河の進化)[やや難]
約800語の論説文で、4年連続で下線部和訳問題の出題はない。2023年度に比べて語句のレベルが高く、天文学のやや専門的な話も含まれるため、読みにくいと感じた受験生も多かったであろう。小問数は2023年度より1問減少したが、記述量はやや増加している。(1)の語句言い換え問題は、知識から正解を絞りやすい問題も含まれている一方で、(ii)の opulence は難語であり文脈から推測するのも難しい。(2)(3)は、下線部を含むパラグラフの内容を正しく理解できているかが問われた。(4)の culprit は難語だが文脈から推測可能であり、該当箇所も直後にあるため比較的取り組みやすい。(5)(6)は広範囲の理解を問われる問題であり、難易度が高かった。
Ⅲ:自由英作文(大学における理想の学び)[標準]
2023年度に引き続き、語数指定は80語程度だった。「学び」という身近なトピックではあるものの、適切な具体例をあげて掘り下げていくのは難しかったかもしれない。自分が書きやすい内容を選び、自然かつ適切な論旨展開でミスなく表現できるかどうかがポイントであった点は例年通り。
Ⅳ(A):和文英訳(「哲学すること」とは)[標準]
文構造に迷うところは少ないが、「疑問が広がる」「『そもそも』問題」などそのままでは英訳しづらい表現が含まれる点は例年通り。文脈をふまえて適切な日本語に読み換え、自分が書ける英語で表現するのがポイント。
Ⅳ(B)(イ):和文英訳(ひとをモデルにした小説を描くには)[やや難]
2023年度と比べるとやや具体性の高い日本文であったが、表面的に訳しても意味が伝わりづらい箇所が含まれる点は例年通りであった。特に「フィクションだから何でも許される」は文脈から適宜情報を補って英訳する必要があり、難易度が高かった。3文目は1文がかなり長くなるので、途中で区切るなど文構造を工夫して訳したい。
Ⅳ(B)(ロ):和文英訳(マスメディアに対する批判)[標準]
全体としてわかりやすい日本文であり、標準的な文法・語彙で表現することが可能。「全て…とは限らない」「…を考えても」などは入試頻出の定型表現であり、ミスなく書き上げたい。「…である以上」「報道が届く人々の範囲の広さ」などは文脈をふまえた和文和訳が必要で、差がつくポイントであろう。

 

■合否の分かれ目
阪大英語の特徴の1つは、試験時間に対し、多くの設問に取り組まなければいけないことである。2024年度の問題は、やや難化した大問もあったが全体的には概ね標準的な難易度であったため、事前に時間配分も含めた対策をしておき、本番で想定通りに解き進められたどうかが合否の分かれ目であったと言えるかもしれない。また、Ⅱの長文読解は記述量がやや増加したため、ここで時間を使いすぎることなく解き進められたかどうかによっても差がついただろう。

 

■阪大英語の要求
要求① 語彙と文法・構文知識の確立
早い時期に入試標準レベルの語彙と文法・構文をしっかり覚えて、表現力の基礎を培おう。自由英作文のテーマは、具体的なものから抽象的なものまで幅広い。やみくもに書く練習をするのではなく、模範解答の書き取りや熟読、添削を受けた後に自分の解答をリライトするなど、復習を徹底的に行いたい。
要求② 長めの英文に太刀打ちできる速読力と精読力
英文の読解に対して問題量が多い。長文読解では、英文全体のキーワードやキーセンテンスに着目して大まかな流れをつかみつつ、設問に目を通しておき、解く際の根拠となる箇所に印を付けながら読むとメリハリがつき、解答のスピードアップにもつながる。
要求③ 論理的な思考力と表現力
長文読解において内容説明問題は高い頻度で出題される。設問指示に従い、求められている解答を吟味するようにしたい。筋道を立てて解答を考え表現する力は、その他の問題形式にも共通して言えることである。

 

■阪大英語攻略のために
基礎力の完成
基本的な語彙の持つ幅広い意味をふまえながら、それを英訳・和訳で応用する力の基礎を培おう。ただし、そのような力は一朝一夕では獲得できないため、日々の英語学習の中で意識的に身に付けていく必要がある。大学入試必修レベルの単語集による学習を何度も繰り返し行い、いつでも実戦的な問題に取り組めるよう、準備をしておこう。
レベルUP
要求②を満たせるように、阪大形式の内容説明問題や適語選択を含む長文読解に取り組み、練習を重ねよう。また、英文和訳・和文英訳・自由英作文も毎年出題されるため、特定の大問形式に偏ることなくバランスよく演習をすることが大切である。また、必ず過去問に目を通しておくこと。
阪大レベルの演習
入試本番を想定した演習に取り組む時期には、要求①~③の完成を目指す。過去問と、最新の傾向を反映した予想問題などを活用し、総仕上げをしよう。ただし、共通テストも侮らず、確実に高得点を取れるようにしておくことが大切である。共通テスト終了後も決して気を抜かず、最後まで粘り強く勉強を続けられれば、本番当日の自信につながるだろう。

 

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