【2024年度入試】一橋大学 英語

文法・語彙の知識、読解力、記述力が
バランスよく問われる。

長文読解、自由英作文、リスニングが出題され、総合的な英語力が問われる出題である。ただし、2025年度以降はリスニング問題の廃止が発表されている。それに伴って出題構成の変化が予想されるため、対策にあたっては1題あたりの時間配分を適切に見きわめることを意識し、どのような出題構成でも時間切れになることなく、着実に解答することを目指したい。なお、出題内容の変更に関する正式な情報は、必ず一橋大の公式発表を確認すること。

*分量:変化なし *難易度:やや易化(昨年度比)

 

■概要 (120分)
* 出題・解答の形式

  • 2024年度は長文読解2題、自由英作文1題、リスニング1題の4題構成であった。長文読解はⅠが記述式、Ⅱが選択式、リスニングはA・Bとも選択式。

* 特記事項

  • 長文読解は、2021~2023年度のような1500語前後の英文1題ではなく、英文2題の構成となった。総語数に変化はなかった。ⅠとⅡをあわせた設問数は9問で、2023年度Ⅰの10問からは1問減少した。
  • 設問形式は、全体で見ると、従来と同様に和訳、内容説明、空所補充、語句整序から成っているが、Ⅰがすべて記述式の和訳・内容説明、Ⅱがすべて選択式の空所補充・語句整序となった。
  • Ⅲの自由英作文は、与えられた3つのテーマから1つを選択し、それについて100~140語の英文で意見を述べるという出題であった。2022・2023年度の画像を描写する問題に比べると、身近な話題で取り組みやすかったと思われる。
  • Ⅳのリスニングは、A・Bとも、2023年度に続いて放送される英文(講義)の内容にもとづいて内容一致文を完成させる問題であった。A・Bを合計した英文の分量は、2023年度より約160語増加した。

 

■各問の分析(難易度は一橋大受験生を母集団とする基準で判定しています)

Ⅰ:長文読解(数学と文学の相互的なつながり)[標準]
約720語のエッセイ調の文章。設問は、内容説明4問、和訳1問の計5問。内容説明の総字数は300字と記述量が多いため、英文の要旨を速く正確に把握した上で、自分の言葉でまとめることに時間をかける必要がある。
1は下線部前後から筆者の置かれた状況を汲み取って答える。②は because I wasn’t の意味するところがポイント。
2の和訳は長い1文で、That feeling …(S)is(V)the same feeling 〜(C)の構造を見抜き、修飾語句を整理しながら訳す必要がある。ダッシュに挟まれた that 節は、主語 That feeling … の内容を説明している。
3は、下線部の直前の both cases が、その前にある2つの作品における structure に関する試みを指すことがわかれば該当箇所がつかめる。「固有名詞は使用しないこと」という指示は、20字以内という短い字数制限で要点をまとめるための留意点と言えるだろう。
4は下線部の続きを読んでいくと Number words, for example, … とあり、one と two の記述がそれぞれ見つかるので、ここをまとめればよい。
5はまず該当箇所の把握を的確に行うこと。第1段落は筆者の主張の導入であり、第2段落冒頭に We can find mathematics at the heart of literature. とあるので、これ以降が該当箇所とわかる。100字以内という制限は長いようで短いため、要点を整理した上で書き始める必要がある。
Ⅱ:長文読解(達成欲求への対処法)[標準]
約880語の論説文。設問は、空所補充問題2問、語句整序問題2問の計4問。1・2の空所補充問題は、熟語やコロケーションとして答えられるものと、文脈に沿って判断するものの両方が含まれていた。3・4の語句整序は、まず前後の文脈と与えられた語から、どのようなことを言っている文なのかが大まかに想像できるだろう。その上で、主語・動詞になり得るものの候補を絞りつつ、結びつきの強い語同士をまとめていく。3は空欄(あ)の前後が命令文なので、その点も考慮すると考えやすかっただろう。
Ⅲ:自由英作文[標準]
与えられた3つのテーマから1つを選択し、それについて100~140語の英文で意見を述べる問題。2022・2023年度は3つの画像から1つを選択して描写する形式だったが、2021年度以前の傾向であるテーマ型の出題となった。いずれも比較的身近な話題であるため、考えやすかったと思われる。
ただし、シンプルな質問文であるがゆえに、100語以上の内容に膨らませるには、2~3つの理由と、それをサポートする具体例や詳細を含め、全体の構成をしっかりと検討する必要がある。筋の通った論理構成と、正しくわかりやすく伝える表現力がストレートに問われる出題であった。
Ⅳ:リスニング(A ドイツ人とアメリカ人の雑談の仕方、B 遺伝子組換えされた紫色のトマト)[標準]
問題A・Bとも、放送される英文(講義)の内容にもとづいて内容一致文を完成させる問題。読み上げられる英文の語数は、Aは約560語、Bは約530語であった。いずれもある程度まとまった分量の英文を聞き取った上で、複数の選択肢の正誤を判断しなければならない。事前に問題に印刷されている設問・選択肢に目を通し、何を聞き取る必要があるのかを予め把握しておくことが大切である。

 

■合否の分かれ目
長文読解は、パラグラフごとの論旨を捉えながら読み、設問に応じて参照すべき箇所を素早く見抜くことが重要である。その上で、内容説明問題については盛り込むべきポイントを落とさないことだけでなく、それらを的確な日本語で表現できるかが合否の分かれ目となる。自由英作文は、自分が書きやすいと思うものを素早く選んで、時間内に制限字数を満たすことのできる内容構成を検討することが鍵である。その上で、基本的な構文と単語を用いて英文自体のミスを最低限に留め、第三者が読んでわかりやすい文章にまとめる力が必要となる。

 

■一橋大英語の要求
要求① 文法・語彙の知識
一橋大英語では出題形式の変化はあるものの、文法・語彙の知識を直接問う問題も出題される。あまり難易度の高いものが問われることはないが、難関大入試に必要なレベルの知識を早めにしっかりと固めておきたい。
要求② 日本語表現力
一橋大英語の長文読解の内容説明問題では、字数制限があることが多い。英文の論理展開・文脈や指定された字数から、解答の該当箇所を判断できる力だけでなく、「どのように解答をまとめるべきか」を考えた上での記述力が求められる。また、字数制限がない場合でも、ポイントを絞って端的に解答をまとめる力が必要である。和訳問題においては、文構造と語句表現の理解だけでなく、自然な日本語で表現する訳出力が求められる。
要求③ 英語表現力
一橋大英語では100語超えの自由英作文が出題され、発信型の英語力も重視されている。テーマは年度によって変化があり、確固たる自分の意見を構築して論理的に述べなくてはならないもの、写真やイラストを描写しつつ自分なりの解釈をしなくてはならないもの、実践的なシチュエーションを想定した英語力が求められるものなどがある。どのようなテーマであっても、限られた時間内で、論理的に、説得力を持って自分の伝えたい内容の英文を書けるよう、多くの重要構文を覚えて、さまざまなテーマで実際に書く練習を重ねておきたい。

 

■一橋大英語攻略のために
基礎力の完成
まずは「語彙力」と「文法・構文力」を固めよう。自分でこれと決めた単語集に繰り返し取り組み、文法問題集はできなかったところをしっかりと復習するようにしよう。読解対策は、500語程度の英文において、1文ずつ正確に読むところから始めたい。最初は時間がかかっても問題ない。わからない単語が多ければ辞書を引いても構わないが、単語の意味を文脈から推測して読む練習も意識的にしていこう。
レベルUP
これまでに培った基礎力を、一橋大レベルの問題にも応用できるようになろう。記述問題中心の長めの読解問題に取り組み、時間制限も意識して解く練習を重ねていきたい。また、自由英作文は、形式やテーマを問わずさまざまなものに取り組み、アイデアと表現のバリエーションを蓄積していこう。作成した解答は第三者に添削してもらうことで、日本語・英語両方の記述力を養っていこう。
一橋大レベルの演習
入試本番を想定した演習に取り組む時期までには、要求①~③の完成を目指す。直前期には過去問や、レベル・出題形式が一橋大に即応した問題に取り組み、時間内の得点を最大化できるような解き方を身に付けよう。

 

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