栄光学園中学校 2023年度合格体験記(後編)

前編では、中学受験に向けた学習をZ会の通信教育に決めた理由や、Z会の教材の中で良かったものなどをおうかがいしました。
後編では、保護者の方の関わり方についてお話をうかがいます。

6年生の後半になってから、本格的に塾に通われたのですね。

母:
6年生の9月になってから、塾の平常授業と志望校別対策を受け始めました。もともと、6年生のゴールデンウィークと夏休みには塾に行っていたのですが、夏期講習を終えたところで、本人に「今後、塾はどうしたい?」と聞いたところ、「これからは塾に行きたい」とのことで、通塾を決めました。塾に行くと帰宅が夜遅くなったり、送迎も必要になったりしますが、半年なら本人も私も頑張れるかなと思い……。ただ、塾の宿題は量がものすごく多く、負担も大きかったため、10月くらいから、Z会と習いごとの剣道をやめることにしました。

塾に通い始めて、大変なことはありましたか。

母:
そうですね……問題を解くスピードは、早くから塾に行っていた子たちよりは遅かったかもしれません。塾で勉強している子たちは、テクニックというか、条件反射のように「この問題に対してはこの公式」というのがパッと出るんですよね。だけど、うちの子はずっとZ会で勉強していたため、公式やテクニックを丸暗記するような勉強はしておらず、問題に対しても「この問題は、どういう風にアプローチしたらいいんだろう?」とか「原理はどうなっているのか?」というところから考えていました。その部分が、ずっと塾に通っていた子たちとはちょっと違っていましたね。
ただ、栄光の本番の試験では、問題に対するアプローチも採点の対象になっていたようで、考え方を書く部分で部分点が多くもらえたようなんです。Z会は、根本的な原理原則から理解を目指す教材だったので、最初から塾でテクニックを叩き込まれるより、良かったように思います。

たとえばZ会の月例テストも、解答だけではなく、考える過程も各教科の専任指導者が見ていくので、そいういうところも栄光学園中学校の入試問題と相性が良かったのかもしれませんね。

母:
本当に、とても合っていたと思います。早くから通塾していたら、栄光には合格していなかったと思います。

塾には6年生の秋から通われたとのことですが、外部模試は利用されていましたか。

母:
5年生の頃から塾の模試は受けていました。ずっとZ会で自宅学習を進めていたため、周りの雰囲気や試験会場に慣れておく必要があると思ったからです。ただ、模試の合格判定はあまり良くなかったのですが……。

模試では、本番のような良い結果が出なかったのでしょうか。

母:
いわゆるE判定でしたね。最後までずっと、合格可能性20%。

あくまで可能性ですから、E判定だと合格できないということは絶対にないと思います。ただ、ご本人が落ち込んだり、志望校を変更しようとしたりすることはなかったのでしょうか。

母:
本人は、「0じゃなくて20%もある」と捉えて、そんなに悲観的になってはいなかったんですよ。受験直前に学力が伸びることもあるので、私も慰めるつもりで「まぁ、最後までわからないよ」と声をかけていましたが、多分それをそのまま信じていたのでしょうね(笑)。ですので、志望校を変えようとは思わなかったようです。「合格可能性20%、じゃあひょっとして……?」と前向きに捉えることができる。かなり、メンタルが強いですね。私自身にもそう思う気持ちがあったので、「試験は何があるかわからないから、受けてみたらいいよ」と言っていました。

悪い判定が続いていても、保護者の方から「可能性が低いからやめなさい」「志望校を変えなさい」とあれこれ言われなかったのも、Mさんとしては良かったのでしょうね。

母:
きっとそういうものなんですよ、受験って。私自身も大学受験のときに同じ経験をしましたし、本番をやってみないとわからないですからね。ですから、模試がE判定だろうがなんだろうが、本人が一番行きたい中学校を受験したらいいと思っていました。
栄光の入試対策に集中できるように私がしたことは、本人の実力で受かるレベルの国立中学校も探しておく、くらいでしたね。

受験生の生活を支える保護者の方として、お子さまへの関わり方で苦労した点はありましたか。

母:
ちょうど反抗期で苦労しましたね。何か言ったら口ごたえして、口げんかも日常茶飯事でした。何一つ親の話やアドバイスを聞かないんですよ(笑)。そのような状況だったこともあって、あまり「頑張っているね!」「すごいね!」と褒めて育てることはなかったかもしれません。

さんが「たまには褒めてよ」なんてことはおっしゃらなかったですか。

母:
学校の先生や塾の先生、習いごとの先生など、周りが結構褒めてくれていましたからね。祖父母からも「Mちゃん頑張っているね」とよく褒められていました。

Mさんにとっては、周囲の大人の全員が全員褒める環境より、良かったのかもしれませんね。変に「受験生だから」と気づかうより、普段通りに接していらっしゃったのですね。

母:
そうですね。他のきょうだいと同じように、家のことも色々と手伝ってもらっていましたし、受験生であることを理由に特別扱いはしなかったです。しいて言うなら、「塾に送迎つきで通わせてあげている」というのが受験生ゆえの特別扱いでしょうか。

受験を通して、Mさんの成長したと思うところを教えてください。

母:
勉強に関しては、自分で「合格するにはこの分量では足りない、もう少しやらないと」と客観的に考えられるようになったところは、成長を感じます。

小学生のお子さまが、「合格するためにはこれくらいの学習量が必要だから、今の自分ではこれくらい不足している」と俯瞰することは、なかなか難しいことだと思います。
最後に、これから中学受験をするお子さまをお持ちの保護者の方に向けて、アドバイスをお願いいたします。

母:
「E判定でも諦めないで」ですね。志望校は途中で変更してしまうと、子どもも混乱するし、モチベーションも下がると思うので、「絶対に行きたい」と思ったところは初志貫徹で頑張ってほしいです。受験当日、何があるのかやってみないと絶対わからないです。思わぬ下剋上がおきるかもしれないですし。

合否判定はあくまでめやすで、「絶対」ではないですからね。くじけそうなときに勇気がでるメッセージです。

母:
本当に、E判定でも受かることはありますから。何より大切なのは、「絶対にその学校に行きたい」という思いの強さだと思います。

初志貫徹して見事最難関中学に合格したMさん。お母さまも「メンタルが強い」とおっしゃっていましたが、諦めない強さは、今後の学生生活や、その先の将来にも、必ずMさんの強力な武器になるはずです。Mさんの今後の活躍が楽しみです。

 

Z会からちょこっとアドバイス

【模試はいつから受けるべき?】

模試の受験は中学受験には欠かせません。めやすとして、5年生のうちに受験を始めることをおすすめします。なかには3・4年生のうちから受験できる模試もあります。お子さまが興味を示した場合は受験をしてみると良いと思います。

まだ志望校が決まっていない段階でも、受験生全体のなかでの位置がわかったり、苦手分野の洗い出しができたりしますので、ぜひ日々の学習にいかしていただきたいと思います。

模試活用のABC」は、模試を上手に活用するための模試受験の基本をご紹介している、Z会おうち学習ナビ内の連載です。そのときに受験可能な模試の情報や、時期に合わせた模試の受け方、振り返り方をご紹介しています。ぜひご参考にしてください。

 

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