桜蔭中学校 2024年度合格体験記 後編

前編では、中学受験を検討したきっかけやZ会での学習の様子などについておうかがいしました。
後編では、6年生になってから直前期、入試までのMさんの様子についておうかがいします。

 

 

Z会は1学年先取りして受講されていたので、5年生の終わりにはZ会中学受験コースの学習は終了されていますね。6年生ではどんな勉強をされていたのですか。

母:
2年生の終わりから始めた受験塾に、受験直前まで通っていました。加えて、Z会の「最難関中学受験プレミアム講座」に桜蔭志望者向けのオンライン学習コースがあることを知り、6年生から受講しました。

Mさん:
あえて授業前に問題を見たり解いたりはせずに、授業内の先生の合図で初めて問題を解くようにしていました。そうすることで、ほかの子と比べた場合の自分の問題を解くスピードを意識できました。ほかの子より先に正解できたときはうれしかったり、逆にほかの子が先に正解すると悔しかったりと、ほかでは経験できない“解答スピードを競う”ことも楽しく、「最難関中学受験プレミアム講座」でしか経験できないことでした。

母:
直接顔を合わせなくてもライバルの存在を意識しながら学習できたことがとても励みになり、刺激にもなったようです。チャットを使った授業は初めてだったのですが、送信した解答が間違っていた場合は、先生から「惜しい!」などと応答があるのもよかったです。また、制限時間内なら何度も解き直して解答を送ることができるので、正解できたときには、最初はどこをどう間違えていたから不正解だったのか、子ども自身が身に染みてわかるようで、納得していたり、悔しそうだったり、反省したりしていました。

Mさん:
先生の解説もわかりやすく、100分程度の授業で効率よく学習できました。解説してほしい部分と解説はいらない部分の両方のレベルが、自分に合っていました。

母:
最初はかなり出来が悪かったのですが、回を追うごとに正答率は上がり、最後は間違いが本当に少なくなりました。6年生の最後の方になると、授業中に先生の解説を聞いただけで完璧に内容が理解ができるようになったため、授業の復習の時間もほぼ必要なくなりました。親から見ても驚くくらい理解度が上がっていったので、「最難関中学受験プレミアム講座」を受講して本当によかったと思います。

Z会中学受験コース専科の「志望校別予想演習」にも桜蔭志望者向けの講座がありますが、受講されましたか。

母:
はい。6年生の11月頃から受講したことによって、桜蔭入試4教科の問題の傾向がつかめたようです。そのほか専科では「頻出分野別演習」の「算数/立体図形難問対策」と「理科/複雑計算問題対策」を受講しました。いずれも、強化したいと思っていた分野を集中的に学ぶことができ、よかったです。一度間違えた問題には付箋をはり、正解できるようになるまで、何度も繰り返し解いていましたね。

 

模試や過去問はどのくらい取り組みましたか。

母:
模試は4年生から全部で20回ほど受けました。間違えた問題の解き直しも欠かさなかったと思います。過去問になかなか手をつけずにいたところ、6年の12月中旬になって塾から「1月から過去問を解き始めるのでは遅いよ」と言われ、慌てて始めたんです。桜蔭だけは全教科12年分くらいやりました。過去問に関しても、間違えた問題は入試直前までひたすら解き直していました。

入試直前の勉強法で、ほかにも役立ったものがあれば、教えてください。

Mさん:
社会は、6年生になってから間違えた問題をすべて1冊のノートに書き留めていたんです。「間違えノート」と呼んでいたのですが、それを入試直前までよく見ていました。公民の細かい数字を覚えるのに苦戦していたので、役立ちました。

母:
あと、漢字の復習も欠かさなかったよね。6年生になってから間違えた漢字については、私がすべてExcelに入力していました。それを印刷して、基本的には模試の前日や長期休みに取り組み、受験前には毎日のように取り組みました。

Z会の教材をはじめ、模試、過去問、漢字……すべてにおいて、徹底的な復習を継続されてきたのですね。精神的な強さも感じます。

母:
Z会や塾から情報を得て「これをやるといいらしい」と聞けば、娘は必ず実践してきました。その真面目さや素直さ、実行力こそが、娘の強みであり、桜蔭合格につながったのではないかと思います。自分を律して「やりたいこと」よりも「やるべきこと」を優先できるようになったのは、受験を通して、大きく成長した部分ではないでしょうか。

 

受験生活をふり返って、とくに大変だったことはありますか。

Mさん:
やっぱり勉強です。1日10時間は当たり前、休憩も5~10分とるのに精一杯な感じだったので……。どうしてもやる気が出ないときは、アラームをかけていったん寝て、回復したらまた頑張っていました。

母:
娘が疲れているときに、無理に頑張らせることはしませんでした。「寝る」と言ったら「どうぞ」と寝かせて、あとは娘が自ら動く気になるまでじっと待つだけ。「子育ては待つことが大事」とよく言いますが、「私も本当に待てるようになったなぁ」と思います。「勉強しなさい」と言ったことも、こちらから進んで何かを教えようとしたこともないですね。祖母も私も、娘が困っているときに手を差し伸べてきただけ。そんな接し方でしたので、娘との関係がぎくしゃくするようなことはありませんでした。

長期間に及ぶ受験生活、モチベーションを保つのも、適切なサポートを続けるのも、簡単なことではないですよね。Mさんが大きなスランプに陥ることはなかったですか。

母:
一度だけ、気持ちが思い切りダレてしまったことがありました。6年生の受験塾の冬期講習でもどんどん成績が上がり続けたため、先生やまわりのみんなが口をそろえて「これなら桜蔭に受かる」と言ってくれたものだから、本人も「受かるんだ」と思ってしまったみたいで……。冬期講習が終わった後、まるで人が変わったかのようにだらけてしまって、録画しておいたお正月番組を3時間とか、寝転がって見始めたんです。1月入試の学校を受験する直前に「どうしたの?」というくらいモチベーションが落ちてしまったんです。

Mさん:
そんな状態で1月に受験をしたら、思いのほか試験の出来が悪くて……。何とか受かってはいたのですが……。

母:
その頃に受けた入試直前の模試も過去ワーストワンの点数でした。合格ラインまであと1点足りないという結果で、そこで初めての不合格判定が出たんです。

Mさん:
さすがに「やばい」と思いました。「このままでは桜蔭に絶対に落ちる」と。ダレているときにも一応勉強はしていたのですが、明らかに集中力が欠けていたように思います。模試で過去ワーストワンの点数をとってからは、やることは変わらないけれど、集中して本気で勉強するようになりました。

母:
その後に受けた模試では、志望者内の順位がいきなり4位にまで上がって合格判定が出ました。「気持ちの持ち方によって、こんなにも成績が変わるんだ」と、こわいくらいでした。

 

最後に、Z会で頑張っているみなさんへ、アドバイスやメッセージをいただけますか。

母:
娘は小さな頃から、Z会の答え合わせをすべて自分でやる子だったのですが、それはお勧めかなと思います。答え合わせをした後、「なぜ間違えたのか」がわかるまで、じーっと考え続けているのですが、その時間が大事だったような気がします。
また、間違えた問題には付箋をつけて、時間が経ってからもう一度解き直すという作業を5年生まで繰り返してきましたが、「わからないことを残さないようにする」こともすごく重要だと思います。時間と労力はかかりますが、その分、6年生になってから、娘の学習理解度は一気に上がりました。復習も少しで済むようになった分、ほかのことに時間が使えるようにもなったんです。

Mさん:
努力は必ず報われると思います。みなさんも最後まで走り抜いてください!

 

Z会からちょこっとアドバイス

【復習までをセットにした学習習慣】

Mさんがやっていた間違えた問題について時間をおいて再チャレンジする方法は、学習した内容を確実に理解し、基礎を固めながら学習を進めることができるので、とても有効です。

■問題を解いたら解きっぱなしにせずに、きちんと丸つけをして、復習までをセットにした学習習慣を身につける
「復習」はできるだけ早く行うのが効果的です。練習問題やドリルなどの問題を解いたら、丸つけから復習までをセットで行いましょう。復習するクセをつけておくと、確実に理解できるようになり、勉強をよりスムーズに進めることができます。

■間違えた問題は答えと考え方を読んで、理解できるまで取り組む
自分の解答と「答えと考え方」を見比べ、なぜ間違えたのか、正解を導くための考え方をしっかり理解しておきましょう。間違えた問題は、すぐに復習したあと、少し日数をおいて、再度チャレンジしてみましょう。これで正解できれば、学習内容がきちんと身についていることがわかります。また、再度間違えてしまったら、間違えなくなるまでさらに復習します。この繰り返しが重要です。

 

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