第一志望校を早めに決めると、お子さまの目標が明確になります。ゴールがないなかでがんばり続けるのはつらいですが、ゴールがはっきり定まると、今すべきことが明確になり、また意欲が高まりやすくなります。
お子さまの気持ちを志望校選びに向けましょう
お子さまの目標を明確にし、親子で目ざすところを共有するため、できれば5年生の冬には第一志望校を決めておきたいものです。
一方で、お子さまにとってまだ将来は遠く漠然としたものであり、志望校を決めるようにいわれても何を見ればよいのか、どう考えればよいのか思いつかないことが多いものです。
第一志望校がまだ定まっていないお子さまの場合は、たとえば次のように、学校選びについて親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。志望校選定の際に重視したいポイントが見えてくるかもしれません。
【会話例1】
〔保護者の方〕将来、どんな仕事がしたい?
〔お子さま〕うーん、何がいいかな。お医者さんなんかかっこいいかなぁ。
〔保護者の方〕お医者さんになりたいのなら、大学の医学部にたくさん進学している学校を選ぶのもいいかもね。
あとは、医学部進学をめざすための特別なコースを設置している学校もあるそうだよ。
〔お子さま〕どんな学校があるのかな。ちょっと調べてみよう。
【会話例2】
〔保護者の方〕どんな仕事がしたいか決まってる?
〔お子さま〕はっきり決まってはないけど、英語を使って世界中を飛び回る仕事がいいなって……。
〔保護者の方〕それだったら、英語の授業に力を入れている学校がいいかもね。外国人の先生がたくさんいたり、海外研修があったり……。
英語学習だけでなく、グローバル教育に力を入れている学校もいいかもしれないね。
〔お子さま〕グローバル教育って初めて聞いたな。どんなことをするのか、もう少し詳しく知りたい!
このような会話があると、「今の選択が将来につながっていること」を何となくでもイメージすることができます。そうしたイメージがもてると、今の選択の大切さが理解でき、自分にはどんな学校がいいかを、本人なりに真剣に考えられるようになるでしょう。
お子さまの様子によっては、もう少し近い将来である学校生活に焦点を当てて、「あなたの好きな(習っている)○○の部活が盛んな学校が近くにあるみたい」「理科が好きなら、実験に力を入れている学校が向いているんじゃない?」などといった声のかけ方もあると思います。
お子さまはまだ小学生ですので、大人である保護者の方の広い視野や情報収集で、ある程度学校をふるいにかけておく必要はあります。そして、保護者の方がしぼりこみをかけた学校の中から志望校を選定する際は、お子さまにも積極的に参加してもらい、お子さま自身が「ここに入りたい!」 と強く思う学校を第一志望校として決めるとよいでしょう。 親子での話し合いを通じて、お子さまが「自分自身で志望校を決めた」という気持ちになることが大切です。
次回の「受験サポート」は8月28日(木)更新予定です。