皮パリッ! 肉ジューシーなチキンソテー

「科学する料理研究家」平松サリーさんが、料理に役立つ知識を科学の視点から解説します。お子さまと一緒に科学への興味を広げていきましょう。

 

手間をかけずに放っておくだけ!チキンソテー

シンプルな材料と作り方で、手軽に作れて満足感もあるチキンソテー。ふだんの夕食にはもちろんのこと、付け合わせやソースを工夫すればごちそうメニューとしても活躍します。

強めの火加減でジュージュー焼くレシピもありますが、今回は、弱火でじっくり時間をかけて、肉はしっとりやわらかく、皮はパリッと香ばしく仕上げる作り方を紹介します。下ごしらえに約20分、鶏肉を焼くのに約20分かかるので時短ではありませんが、放っておくだけなので手間はほとんどかかりません。副菜や汁物を作ったり、洗い物をしたりしながら、じっくり育てるおいしいおかずです。

 

材料(2人分)

  • 鶏もも肉 小さめ2枚(500g程度)
  • 塩 4g程度

<付け合わせの焼きトマト>

  • トマト 中サイズ1.5個
  • バター 20g
  • 醤油 大さじ1
  • 砂糖 小さじ1
  • オレガノ(または粗挽き黒胡椒) 少々

1.塩を振る・トマトを切る
鶏肉の重さの0.8%程度の量の塩をはかりとる。鶏肉500gなら4g(精製塩なら小さじ1で6gなので小さじ2/3、粗塩なら小さじ1で5gなので小さじ1弱が目安)。
鶏肉の表面についたドリップをキッチンペーパーで拭き取り、まんべんなく塩をまぶす。そのまま20分ほど置いて、塩をなじませながら常温に戻す。
その間にトマトを切る。1cm厚さの輪切りにする。


2.皮側をこんがり焼く
表面に浸み出した水分を拭き取り、皮を下にしてフライパンに入れる。このとき、皮がまんべんなく焼けるようにしっかり伸ばしておく。中火にかけ、シューシューパチパチと音がしてきたら、弱火にしてそのまま15分ほどじっくり焼く。


3.裏返して焼く
側面が半分くらいまで白くなってきたら裏返し、3分ほど焼く。
再び裏返し、蓋をして強火で3分焼いて皮をパリパリにする。
焼き上がったらお皿に取り出して、肉を休ませておく。
(火を止めてから蓋を開けると、キッチンが汚れにくい)
フライパンに残った肉汁は取り出して手順4で使う。


4.焼きトマトを作る
フライパンの汚れをキッチンペーパーで拭き取り、バターを入れて弱めの中火で溶かす。
トマトを入れて両面を焼く。トマトがやわらかくなったら取り出して3の鶏肉に添える。残ったバターを加熱し、色づいてきたら3で取り出した肉汁と醤油、砂糖を加え、トマトにかける。トマトにオレガノを振ってできあがり。

 

ポイント

チキンソテーはごくシンプルで基本的な料理なだけに、作り方にもいろいろなバリエーションがあります。中火で10分ほど焼いて仕上げるレシピもあれば、弱火でじっくり焼き上げるレシピも。どちらにもメリットデメリットがありますが、時間があるときには弱火で作る方法もぜひ試してみてください。ほとんどほったらかしでできるので、手間はさほどかかりません。

弱火で焼くことのデメリットは時間がかかることですが、じっくり時間をかけて焼けるというのはメリットでもあります。鶏肉は分厚いので、中まで火が通るのに時間がかかりますが、高温で焼くと中心まで火が通る間に外側が加熱され過ぎてしまうのが難点です。高温での加熱や長時間の加熱は、肉の繊維を収縮させ、水分を搾り出してしまうので、肉が硬くなりがちです。その点、弱火で焼けば、比較的穏やかに加熱できるので、水分の流出が抑えられ、しっとりやわらかく仕上げることができます。油ハネが少ないのも掃除が楽で良いですね。

弱火でゆっくり焼くと、肉の縮みによる皮の凸凹も最低限に抑えられます。皮をまんべんなくパリパリにするため、おもしを乗せたり、フライ返しで押さえたりするレシピもありますが、弱火で焼く場合はあまり必要ありません。火加減を調節したら、ひっくり返すまでほったらかしです。

テフロン加工のフライパンを使う場合、コールドスタート、つまりフライパンが冷たい状態で食材を並べてから火をつけることができます。この方法を使うと、より穏やかに加熱をスタートできるのでおすすめです。

弱火で両面を焼き終えたら、最後にもう一度皮を下にして蓋をし、今度は強火で3分間焼いて仕上げます。皮をパリッと香ばしく仕上げるには、フライパンを高温にし、肉から出た油で揚げ焼き状態にする必要があるからです。蓋をすることで、皮付近は揚げ焼きに、上の方の肉は蒸し焼き状態になり、分厚かったり凸凹していたりして火が通りにくい部分にもちゃんと火が通ります。油ハネでキッチンが汚れるのも防げるので、一石二鳥です。

 

今回のレシピでは、醤油味の焼きトマトを添えて、和洋折衷風にしてみました。加熱されてとろりとやわらかくなったトマトが、付け合わせ兼ソースの役割を果たしてくれます。ポイントは、ハーブやスパイスの香りと加熱したバターの風味。これだけで、トマトがちょっと手の込んだソースのような味わいに変わります。

煮込んで作るトマトソースの場合、加熱によってトマトの青臭さが軽減されます。一方、さっと焼いただけのトマトはフレッシュな反面、青臭さが気になることも。オレガノや黒胡椒のようにトマトと相性の良いハーブやスパイスを加えると、このにおいをマスクして食べやすくしてくれるのです。

バターは、ただ溶かしただけでも食欲をそそる良い香りですが、しばらく加熱していくと、メイラード反応により甘く香ばしい風味が加わり、コクと深みが生まれます。加熱しすぎると焦げてしまうので、バターの色がほんのりきつね色に色づいたところで他の調味料を加えて温度をさげ、加熱をやめましょう。


次回は「コールスローサラダ」について、科学的な要素に焦点を絞って解説いたします。どうぞお楽しみに!

科学する料理研究家、料理・科学ライター

平松 サリー(ひらまつ・さりー)


科学する料理研究家、料理・科学ライター。京都大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修士課程修了。生き物がつくられる仕組みを学ぼうと、京都大学農学部に入学後、食品科学などの授業を受けるうちに、科学のなかに「料理がおいしくできる仕組み」があることを知る。大学在学中に、科学をわかりやすく楽しく伝えたいとブログを始め、2011年よりライター、科学する料理研究家として幅広く活躍している。著作には『おもしろい! 料理の科学 (世の中への扉)』(講談社)などがある。

 

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