数のセンスを身につけよう:同じ数ずつ増やす・減らす迷路

さんすう力を高めるにはどうしたらいいの? まあ、そんなに難しく考えないで、まずはお子さまと一緒に問題に取り組んでみましょうよ。
(執筆:小田敏弘先生/数理学習研究所所長)


こんにちは、夏はたくさんアイスを食べていた小田です。某洋菓子店が出している1粒44円(税込)のアイスにハマったりもしていました。夏は食欲も減るし、体重も落ちるだろうなあと期待していたのですが、おかげさまで無事体重を維持することができました。秋こそは運動しやすい季節ということで、がんばって体重を落としたいと思います。

さて今回は、数の迷路です。同じ数ずつ増えていく・減っていくように数字をたどっていきます。ルール自体はシンプルなので、気軽にチャレンジしてみてください。

それではさっそく行ってみましょう。
 

 

Stage79:数のセンスを身につけよう

図のような迷路があります。スタートからゴールまで、通ったマスの数が2ずつ増えるように進んでください。

まずはルールの確認ですね。スタートからゴールまで進めばいい、というのは普通の迷路と同じです。2ずつ増えていけばいいのですが、最初の数は2(下)でも4(右)でも構いません。迷路なので、もちろん「わかれ道」や「行き止まり」もあります。それ以外の部分に関しては、特にルールでわかりにくいところはないと思います。問題の意味が理解できていそうなら、あとはいつも通り温かく見守ってあげましょう。試行錯誤することも大事なので、行き止まりに行き当たったら、「いいね、他の道も探してみよう」と声をかけてあげてください。

ゴールまでたどりついたら、途中の数を確認してあげましょう。数が増えすぎ・減りすぎているところがあれば、「ここは増えすぎ・減りすぎだね」と指摘します。決められた数ずつ増えて・減っていって、ゴールまでたどりつけていればそれで正解です。


難度別に3段階の問題を掲載しています。ぜひ、親子で挑戦してみてくださいね。


▲画像クリックで拡大します(PDFファイル)


解答はこちら 


数のグループを感じ取れるようになる

「足し算」と「掛け算」ではどちらの方がむずしいか、と聞かれたら、どう答えますか。学習する順番を考えても、「足し算」より「掛け算」の方があとに出てくるので、掛け算の方がむずかしいのでは、と思う人も多いでしょう。しかし、多くの子どもたちを見ていると、中には「掛け算よりも足し算の方が難しい」と捉えている子も一定数いるのです。それは別に、算数の得意な子ばかりではありません。むしろ、算数があまり得意でない子にもよく見られます。

たとえば「3+4」を考えるとき、学習の最初の段階では、3から「4、5、6、7」と数えていきますね。数え慣れていないと、「本当に7なのかな、1つ数え間違えていて、本当は6とか8だったりしないかな」と不安になることもあるでしょう。実際、数え間違えていて答えが1ズレることもありますね。一方、掛け算の学習では「九九」を習います。もちろん、九九を覚えること自体のむずかしさもある程度あるのですが、足し算で「数を数えていく」ことに不慣れな子にとっては、この九九を一度覚えてしまえば、まさに「正しい答えにぴたりと着地できる」感覚があるようなのです。

今回の問題のねらいは、「数のグループを感じること」です。「3ずつ増える」迷路には、3,6,9,……というように、3の倍数しか出てきませんね。先ほど、「九九を覚えてしまえば」と言いましたが、単に呪文のように唱えていくだけでは、確かになかなか覚えられないでしょう。しかし、「3、6、9、12、15、……はなんとなく仲がよさそうな気がする」という感覚があるとどうでしょうか。「3×6は?」と聞かれたときに、「15だったか18だったか」と迷うことはあっても、17や19と悩むことはなさそうです。

数はもともと一直線上に並んでいるものですが、離れた数であっても共通の性質をもつものどうしで「グループ」を作っていることもあります。その「グループ」をなんとなく見えるようになる感覚が、「数のセンス」のひとつなのです。5月号(Stage74)や8月号(Stage77)で「図形のセンス」の話をしましたね。数についてもやはり同じで、「数のセンス」とは「数の特徴や性質を感覚的にとらえる力」のことなのです。「倍数のグループ」も、その数の性質のうちの代表的なものの1つでしょう。そして、その「センス」をみがくためには、「数と触れ合う経験を増やす」というのも、図形のときと同じです。倍数のグループが見えるようになるためには、その「倍数同士で仲間になっている」様子を見る経験を積むのがいいのです。今回の問題も、その「倍数同士でつるんでいる」ところをしっかり見てほしい、というのがねらいです。早くゴールできるかどうかよりもむしろ、「あっち行ってもこっち行っても“似たような数”ばかり並んでいるな」と感じ取れる時間を、ぜひ大事にしてあげてください。

 


いかがでしょうか。

最近、生成AIによるプログラミングに手を出してみました。教材用の図版を生成するプログラムを組んでもらったのですが、結構あっさり想定通りのものができあがってしまいました。すごいですね。便利な世の中になったものです。ついでに部屋の掃除も頼んでみたのですが、それはさすがにできないようです。そちらは当面自分でやるしかありませんね。がんばりたいと思います。

それではまた来月!

 

文:小田 敏弘(おだ・としひろ)

数理学習研究所所長。灘中学・高等学校、東京大学教育学部総合教育科学科卒。子どものころから算数・数学が得意で、算数オリンピックなどで活躍。現在は、「多様な算数・数学の学習ニーズの奥に共通している“本質的な数理学習”」を追究し、それを提供すべく、幅広い活動を展開している(小学生から大人までを対象にした算数・数学指導、執筆活動、教材開発、問題作成など)。

公式サイト:http://kurotake.net/

主な著書


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