時事問題対策を始めるにあたって 理科・社会

入試において理科・社会で時事問題を出題する学校は多く、今後も出題が予想されます。あわてることのないよう、ご家庭でのふだんの生活の中で今から対策していきましょう。

 

【理科】ニュースや新聞にふれよう!

時事問題に強くなるためには、まずは、ニュースにふれる習慣をつけることです。連日、大きく取り上げられているできごとほど、出題されやすいと考えてよいです。しっかりと目を通しておきましょう。そのとき、できごとの詳しい内容を理解することはもちろん大切ですが、そのできごとが理科のどの単元に対応するのか考えてみたり、時間があればその単元を復習したりすることが重要になります。
「なぜ復習が必要なの?」と思う方もいるかもしれません。入試の理科で時事問題が出題される場合、そのできごと自体を掘り下げる問題は珍しく、むしろ、そのできごとに関連した理科の内容を問われることのほうが多いからです。

 

関連した内容の確認のしかたについて、最近の天文現象を例に説明しましょう。
昨年は、4月20日に部分日食、10月29日に部分月食が日本で観測できました。月食や日食は入試で出題されやすい話題です。月食や日食が起こる原理や、地球と月と太陽の大きさはどれくらいか等を確認しておくとよいでしょう。
今年の12月8日には、土星が月に隠される現象(土星食)が日本で観測できる予定です。また、過去の天文現象が入試で出題されることもありますので、大きな話題になったものは確認しておくとよいでしょう。星については9月号で学習します。

天文現象以外に、世界自然遺産、地震や火山噴火などの自然災害、マイクロプラスチックなどの環境問題、はやぶさ2のような探査機なども、理科の入試問題で取り上げられやすい時事問題です。ニュースに限らず、日々の生活や、博物館などに出かけたときに「なぜ?」と思ったことを調べていくと、ますます理科が楽しくなりますし、入試対策にも有効です。

(執筆:理科担当)

 

【社会】生活のなかには、社会の学習につながるものがたくさんあります

「時事問題」と聞くと、ニュースの内容そのものを問われるような問題を想像しがちです。実際そのような出題もありますが、実は、時事的な話題をもとにしながら社会科の一般的な知識を問う問題も少なくありません。

たとえば、2024年に児童手当の支給対象年齢が18歳まで引き上げられることに関連して、日本の子どもをめぐる問題や少子化・高齢化についての出題が予想されます。また、歴史上の重要なできごとから節目となる年(例:2024年は第一次世界大戦が始まってから110年)には、そのできごとを軸にした出題が見られます。
日々のニュースを見て逐一細かい知識を覚える必要はありませんが、どのような記事が新聞の一面で扱われているかを意識しておくことは時事問題対策に有効です。

政治や社会にまつわる話題は、ニュースでの扱いが大きく、多くの学校で出題されています。2024年度入試では、こども家庭庁の設置、広島で開かれたサミット、男女間の格差に関する出題が多く見られました。また、国外の話題では、ロシアによるウクライナ侵攻やインドの人口が世界一になったことなども出題されました。
公民の政治分野を学習し始めたのは6年生になってからですが、お子さまにとってはとっつきにくい分野です。早くから家庭で話題にするようにしておけば、「難しいけれどよく聞く言葉」が増えて、頭に残りやすくなるものです。お子さまと一緒に、ニュースや新聞などの報道に注目しながら、公民の知識も確実にしておきましょう。

 

とはいえ、いざそういった話題についてお子さまと話をしてみようとしても、なかなか難しいものです。
そこで活用できるのが、小学生新聞や、ニュースを解説した子ども向けの雑誌です。これらは、大人でも興味深く読める記事がいろいろ載っていますので、あまりニュースなどにふれてこなかったご家庭は、お子さまに渡すだけではなく、まずは保護者の方がこういった話題や情報にふれることから始めましょう。各媒体のWebサイトでは、注目の話題の解説なども掲載されていることがありますので、それを見るだけでも参考になるはずです。下記「関連リンク」でご紹介しましたので、よろしければお子さまと一緒にご覧になってください。
また、気になるニュースについては、「あの話題はどうなったかな?」といったように、あとから追いかけて調べてみると、ニュースが変化することもよくわかり、より理解が深まるでしょう。

お子さまのニュースに対する興味・関心度合いや志望校の出題状況で、今後の対策方法は変わります。しかし、ご紹介したようなアイテムを上手に活用しながら、時事問題のテーマとして出題されやすい用語に慣れておくことや、自分なりにその問題について考えたり、ほかの人の意見を聞いたりすることが、のちの時事問題対策の基礎となり、大きな武器となるでしょう。

 

公民に限らず、地理・歴史を含めた社会科の学習全般にいえることですが、家庭や学校、地域などで見聞きする情報のなかには、社会科の学習につながるものがたくさんあります。
このことを保護者の方が意識なさっていると、よいタイミングでお子さまの知的好奇心を刺激することができますし、もちろん入試対策にも有効です。

社会の1月号の教材では「社会時事関連」として時事問題対策を行う予定です。今のうちから、日ごろ目にするニュースやさまざまな情報から、意識的に社会科の学習につながるものを見つけ、お子さまと共有していってください。

(執筆:社会担当)

 

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関連リンク

毎日小学生新聞
朝日小学生新聞
読売KODOMO新聞
月刊「NEWSがわかる」
月刊「ジュニアエラ」
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次回Topicは5月23日(木)更新予定です。
 
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