2020年度の小学校でプログラミング教育が必修化。これを機に「子どもには嫌々ではなく楽しくプログラミングを学んで欲しい。」「どうせなら、子どもといっしょに学びたい。」と思う保護者の方も多いはず。
しかし、教材はたくさんあって選ぶポイントがわからない……そんな保護者の方へ、「教材の選びかたのコツ」を解説します。
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※本記事は、2021年09月08日に「Z会 STEAM・プログラミング教育情報サイト」上で掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。
小学生向けプログラミング教材の選び方のポイント
「学校でプログラミングの学習が始まるのであれば、その『対策』をしなければ!」このように考える保護者の方もいらっしゃることでしょう。しかし、「対策」なるものは考えづらいのが現実です。それはなぜでしょうか。
まず、「プログラミング」という教科が設置されるのではないことが挙げられます。算数や理科といった既存の教科のなかで、プログラミングを「体験すること」が2020年度からの必修化の正体です。
また、学校によっても実施される内容に差異があることが考えられます。
学習指導要領に例示されている、たとえば「多角形を描く」といった内容はどの学校でも行われるはずです。
しかしそれ以上の内容を扱うのかどうかは、担当する先生によって、あるいは学校の方針によって変わってきます。どの程度の内容を扱うのかは、まだ手探りであるのが現実です。
こうした現状を鑑みるに、「対策」というよりも「お子様の将来のためにいかにプログラミングを学んでいくのか」を考えるべきでしょう。
「お子様の将来のために」という観点から見えてくるプログラミング教材選びのポイントは、次の3点です。
- お子様が興味を持てる内容か
- 特定の技術の習得になっていないか
- 「続けられそうかどうか」は考えない
以下、それぞれのポイントについて解説します。
1.お子様が興味を持てる内容か
改めて説明するまでもないことでしょう。
お子様が興味を持てる内容でなければ、そもそもプログラミングがキライになってしまいます。これまでにも「数学は面白いと思えず苦手だった」「英語の授業がどうしても嫌で英語に力を入れる気にならなかった」という声は決して少なくありません。
プログラミングについても、まずは「面白い」「やってみたい」と思えるものでなければ続きませんし、キライになってしまっては元も子もありません。
2.特定の技術の習得になっていないか
コンピュータの世界は日進月歩です。10年前の常識が通用しない場面は少なくありません。小学生のいま、「将来のため」と身につけた技術が、将来役に立たなくなってしまう可能性もあるのです。
もちろん、将来といわず、小学生のいまからプロ仕様のツールなどでプログラミングをすることもできます。習得した技術への(きちんとした)理解と意欲があれば、どれだけ時代が変わっても対応できるプログラマになれるはずです。
しかしともすれば、「やり方」だけを覚えてしまうことになり、結果、覚えたことが無駄になってしまうことも考えられます。
その意味でも、多くの場合「特定の技術」の習得を目的とするよりは、まずはプログラミングを経験することを目的としたほうがよいでしょう。
3.「続けられそうかどうか」は考えない
逆説的ですが、この段階では「続けられそうかどうか」を考えないほうがよいでしょう。もちろん、続けられるに越したことはありません。
しかし、「最後まで使わなければならない」との保護者さまの思いが、逆にプレッシャーになってしまうことも考えられます。まずは一歩を踏み出すという意味で、使ってみることが大切です。
この3点の中で最優先されるべきは「お子様の興味」です。お子様の興味が向くのであれば、たとえ続けられずとも、特定の技術の習得を目的とする教材であっても構わないでしょう。内容を理解したいとの思いが学習意欲につながる可能性もありますし、使いこなして「小学生プログラマ」になる可能性も十分にあります。
大切なのは「可能性をつぶさないこと」。この一言に尽きます。
小学生向けプログラミング教材の種類と特徴
とは言うものの、多くの場合、保護者さまもお子様も、「何から始めればよいか」に悩むことでしょう。
ここでは、多くの小学生に選ばれている教材キット・ツールをご紹介します。
Scratch(スクラッチ)
マサチューセッツ工科大学「メディアラボ」にて生まれたプログラミング言語です。
命令文を「書く」のではなく、命令ブロックをマウスでつなげていくことでプログラムを作成します。
Scratchは、まず「無料であること」が大きなポイントです。
また、多言語に対応しており、日本のみならず世界中で使われています。
そして、無料であることからユーザーや対応する教材も多く、学校でも多く採用されている、Scratchをベースとしたプログラミング用アプリがいくつもあるなど、小学生を中心とした初学者にはおすすめしやすいプログラミング環境です。
KOOV®(クーブ)
ソニーのグループ会社であるソニー・グローバルエデュケーションが開発した、学習用ロボット教材です。
専用のブロックを用いてモデルを作成し、Scratchをベースとしたプログラミング用アプリで制御用のプログラムを作成します。
KOOV® は直接購入することもできますが、Z会をはじめ、塾などでも教材として取り上げられています。
見た目にもきれいなブロックであり、種類を抑えることで(7色・7種類のブロックしかありません)、「精密なモデル」よりもまずは「思ったことをおおまかに形にする」ことを目的としています。
アプリ単独でも学習ができるほか、Z会の通信教育や一部学習塾でもKOOV® を用いたコースがあり、「ロボットプログラミング」の入り口としておすすめです。
まとめ
ここに紹介した以外にも、小学生を対象としたプログラミング環境、プログラミング教材は数多くあります。どの教材にも長所があるため、できることであれば、まず「使ってみる」、その上で「興味を持てそうか」を考えてみるとよいでしょう。
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Scratch はMITメディアラボの Lifelong Kindergarten グループによって開発されました。詳しくはWebサイトをご覧ください。
Scratchの名称、Scratchのロゴ、Scratch Cat、Gobo、Pico、Nano、Giga、Tera はScratch チームの商標です。
MITの名称とロゴは、マサチューセッツ工科大学の商標です。
本サイトでは、®および™を明記しておりません。
https://scratch.mit.edu
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