国語
物語と随筆の大問2題の出題であった。文字数はそれぞれ約4000字と約3000字で、限られた時間内で長文を読みこなす必要があった。漢字の書き取りが4問、記述問題が7問。2024年のような空欄補充の問題は出題されなかった。字数指定があった2021-2022年、行の解答欄のみだった2023年と経て、2024年は字数指定と1.5~2行の解答欄とが併用される形となったが、今年は1.5~2行の解答欄のみとなった。
物語は、児童文学とは何かについて登場人物が長々と語るというもので、物語とはいいながら、実質的には児童文学とは何か、なぜそう言えるのかについて説明した、いわば物語の形を借りた説明文とも言える(したがって心情説明問題はない)。読解の際にも、説明文的な取り組み方が必要である。一方、随筆は「他者に何かを伝えるとはどういうことか」について考察した文章。冒頭の傍線アと、その具体例を挙げた部分まではわかりやすいが、「ほとんどの場合、何かの思いが完全に伝わるということはない。」以降から、急に抽象的、というよりむしろ詩的な文章になっていき、文意をとるのが難しくなる。比喩的に表現された内容が何を意味しているのかを、その他の部分をヒントにしながら確実につかみたい。いずれにせよ、難度の高い文章を速く正確に読み取る力と、深い内容を端的にまとめる記述力が要求される難問である。
算数
開成らしい個性豊かな大問が並んだ。各大問は、易しい問題と難しい問題ではっきりと分かれており、主に大問3で点数差がついたと思われる。
大問3は速さに関する問題で、やや特殊なグラフとともに3人の動きを考察するものであった。このグラフの意味と読み取り方・利用の仕方をいかに速く理解し、正確に答えを導けたかが合否の分かれ目となっただろう。
大問4の立体の問題は、分野は違えど23年度の大問5のような、「解法のだいたいの流れは記述されており、解説中にある穴埋め部分を答えていく」形式であった。また、最終的には24年度の大問3と同様、図示も求められている。
大問1の小問集合形式や、大問2の「ポイントが大きいほど得点が高いことを明記する」形式は24年度と同様の出題だった。総じて、過去問対策を万全に行っていれば、問題ない入試だったといえるだろう。
理科
例年通り、大問4題構成で物理・化学・生物・地学の4分野から1題ずつ出題された。本年度は23・24年度よりも平均点は下がっているが、比較的易しめで基本的な問題が多かった。全体的に文章量が多く、読解に時間がかかった受験生も多かったと思われるが、考え方や計算は比較的簡単だったので、落ち着いて取り組めば得点できただろう。
社会
大問2題構成で、例年通り、表の読み取りが必要な問題が多く出題された。特記事項として、歴史で現代語に訳された資料を使った出題が多く見られたことと、国際分野からの出題が少なかったことがあげられる。また、現代語に訳された資料は、2024年に話題になった人物によって書かれたものもあった。合格者平均と全体平均に大きな開きがないので、平易な問題で確実に得点した上で、難度の高い問題でも得点を重ねることが求められる。
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