第42回 小学国語から受験国語へ ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:杉本亮(Z会進学教室 神戸三宮教室長/国語科)
記事更新日:2022年03月17日

小学国語から受験国語へ

こんにちは。Z会神戸三宮教室の杉本です。この記事では、小学校・中学校を通じて学習する、どこか影の薄い(?)教科である国語について、高校受験に向けて、小学生のうちから意識してほしいことをお伝えします。ぜひ、学習のご参考にしてください。

「国語」という教科のことを知ろう

突然ですが、あなたは国語が好きですか?「別に…」とか「フツー(笑)」と思ったみなさん!国語の先生は泣いています。。。国語は、算数のように中学校に入学して教科名が変わったり、英語のように中学校から本格的に勉強したり…ということもなく、地味かもしれません。

しかし、国語にさほど興味がない(小1から学習しているのに!)みなさんにこそ、ぜひお伝えしたいことが3つあります。

①国語力は全ての教科学習の源である。
⇒小学生のうちから語彙力と教養を養おう。
②国語は知識だけでなく、学習法を学ぶ教科である。
⇒とにかく、書く・書く・書く!
③学校の国語と受験の国語は別物である。
⇒文章の「読み方」、問題の「解き方」を身につけよう。
以下、順番にお話しましょう。

①国語力は全ての教科学習の源である。

まず、なぜ国語を学習するのか?という点からです。国語では、物語、随筆、説明文、詩・短歌・俳句、漢字・語句の知識、言葉のきまり、作文など、様々な単元を学習しますが、文字(文章)を「読む」ことが学習の中心に据えられています。そして、国語が好きな人は、勉強以外でもよく読書をしていると思います。考えてみれば、算数や理科を学習する際にも、みなさんは教科「書」を「読」みますね?このことは、中学生・高校生・大学生になっても基本的には変わりません。どの教科でも、最初は教科書を読むことから始まります。これを読書と呼ぶ人はなかなかいないでしょうが、日頃から読書に慣れ親しんでいる人は、知らず知らずのうちに勉強への扉を開いているわけです。

さらに、読書の効果についてもう少し説明します。たくさんの「書」(ここでは、文庫本に限定せず、広く図鑑や事典などの教科学習に役立つ書物一般を指すとお考えください)を「読」むにあたり、少し難しいものに挑戦しようとすると、より多くの漢字・語句を知っておく必要があります。自分の興味のある教科や分野の学習を深めようとすると、相応の語彙力(知っている言葉の総数)が必要になるのです。そして、読書を通して獲得した新しい難解な知識は、より難解な知識へと連なっていきます。このようにして、みなさんはどんどん「物知り」(「教養人」ともいいます)になることができるのです。カッコイイですよね!

従って、国語にさほど興味がない人は、まずは自分の興味のある教科や分野に関する本を読みましょう。そうすれば、その教科の学習にも役立ちますし、いずれ国語力の必要性にも気付いて国語の学習まで頑張れるでしょう。(ちなみに、元々国語が好きな私は、小学生の時に国語辞典を読書していました。)

②国語は知識だけでなく、学習法を学ぶ教科である。

次に、国語では「書く」ことも学習の中心に据えられています。漢字を書いて覚えたり、文章読解の記述問題の答えを書いたり、自分の考えを作文にして書いたり…みなさんが「面倒」だと感じるものばかりですね。しかし、どの教科でも、手を動かしてきた時間が最終的にはものを言います。日頃の授業でノートを書くことも手を動かす訓練の一環です。

鉛筆を握ってこなかった(勉強をしてこなかった)人ほど「手が遅い」ので、学習の効率が下がり悪循環に陥ります。これから勉強を頑張ろうと思っている人は、学習法の基本である書くことから逃げないでください。「とにかく、書く・書く・書く!」です。

③学校の国語と受験の国語は別物である。

最後に、高校受験(ひいては大学受験)を見据えた国語の学習法についてお話します。小学校・中学校で学習する文章読解は、「精読(長い文章をじっくり丁寧に読むこと)」が中心です。一方、受験国語で要求されるのは「速読力(初めて見る文章を速く・大意をつかみながら読む力)」です。同じ文章読解でも、両者はマラソンと短距離走くらい違います。だからこそ、国語では受験用の学習が必要になるわけです。

また、受験では、物語、説明文など様々な種類の文章が出題されますが、文章にはその目的に応じた「読み方」があります。同様に、問題文にも「読み方」があり、問題の「解き方」というものもあります。これらの「読み方」「解き方」は、学校ではなかなか習わないこともあるので、国語が苦手な人は、それを知ることが受験国語の学習を進める近道になるでしょう。

おわりに ~国語力は一日にして成らず~

Z会の教室には、小6や中学から教室に通い、難関国公立大学に現役合格した先輩が何人もいます。通信教育から始まったZ会では記述力の養成に力を入れており、私も、国語の指導は「Z会のお家芸」だ、という誇りを持って日々の授業に当たっています。国語は成績が上がるのに時間がかかる教科ではありますが、毎日コツコツ漢字・語句を覚え、余暇の一部を読書に充てるなど、目に見えない地道な努力を継続的に続けることが最も重要です。そして、Z会の先輩たちは、それが当たり前に感じられるようになるまで、今日も地道な努力を続けています。国語が好きなみなさんも、嫌いなみなさんも、興味がないみなさんも、Z会で国語の楽しさを学びませんか?国語の楽しさに気付けば、地道な努力はただ苦しいだけのものではなくなるでしょう。

学習について、何かお悩みがございましたら、どうぞお気軽に教室までお問合せ下さい。

この記事の著者

杉本亮(すぎもと・りょう)

2017年入社。福岡生まれ、福岡育ち。長らく神戸三宮・京都・梅田で国語科講師、そして神戸三宮教室長として従事し、現在に至る。小学~大学院の各ステージで経験した様々な受験のノウハウを武器に、子ども達の目標の実現をお手伝いさせていただいています。お子様・保護者様に寄り添い、共に悩み、互いに成長できれば幸いです。ぜひお気軽にご相談ください!

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