第43回 高校受験を見すえて、小学6年生が理科を勉強する時に心がけたいこと ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:服部豊(Z会進学教室 上本町教室長)
記事更新日:2022年03月18

高校受験を見すえて、小学6年生が理科を勉強する時に心がけたいこと

こんにちは。Z会進学教室の上本町教室の服部です。今回は理科という科目について、小学校と中学校の違いにも触れながらお話します。小学生のうちからどういった点を心掛けて勉強するか、ぜひ学習のご参考にしてください。

理科という世界

理科は世界中のあらゆる事象を対象にした学問ですから、微生物や細胞のように目に見えない世界から宇宙まで、範囲は広大です。さらに、地層などから生物の進化や地球の誕生など太古の世界も、明日の天気や動物の進化など未来についても学ぶことができます。だからこそ、現在も解明されていないことも多く、本来、「わからない」ということを追い求める非常に楽しい学問です。

ヒトはなぜ食事をしないと生きられないのか、光とは何か、月はなぜ満ち欠けを繰り返すのか、鳥はなぜ飛べるのか。身のまわりのあらゆることが理科の世界の対象となります。

しかし、「鳥は空を飛ぶもの」と思考が停止してしまうと、知識は広がりません。食事をすることでヒトにとってどんな良いことが起こるのか。食事をしない動物はいるのか。植物はなぜ食事をしなくてもいいのか。様々なものに興味を持ち、どんどん新しい疑問が生まれていくと理科の知識も自ずと広がっていくのです。

小学校と中学校の違い

しかし、何の知識もなければ物事を科学的にとらえることなどできません。そのため、小学校の理科では基礎的な知識及び技能を身につけることが大切です。その勉強の中で疑問が出てくればより良い学習となるでしょう。

もちろん、中学校に進学しても基礎的な知識を吸収することは小学校の頃と変わらず重要です。しかし、覚えないといけない知識量も格段に増えます。教科書をしっかりと理解して用語の意味や実験の結果とその理由などをまず覚えることが大切です。

一方で、知識を得てからが小学校の頃とはさらに異なります。中学校ではどの単元であれ、「なぜ」が問われます。これが本当の理科の勉強です。小学校の頃は「植物は光合成をして栄養を得るんだよ」と知識を吸収すれば良かったですが、中学校に入るとそこに疑問を持ち、様々な知識と繋ぎ合わせて思考する力が必要です。「なぜ植物は緑色なのか」「なぜ雲はできるのか」「なぜ電池は電気を流すことができるのか」と様々な理由や原因まで理解することが必要です。

ちなみに、こういった考え方は中学受験などでもよく問われるようになっています。「知っている」では不十分で、「理解している」ということが求められているのです。だからこそ、「小学校のうちは覚えればいい」というわけではなく、小学校の頃からこういった思考の癖をつけておくことが大切なのです。

思考の癖をつける

教科書を読むとき、ノートを取るとき、問題を解くとき、あらゆるときに「なぜ」を考えてください。授業の中で実験結果が出てきたら、なぜその結果が得られるのかを考えましょう。板書を写す時も、なぜを考え、メモをするとさらに知識が定着します。たとえ当然だと思っていることでも理由を意識してください。前述の通り、理科の世界はわからないことだらけです。調べてみた結果、「まだ解明されていない」ということでも構いません。考えること、調べることが知識を定着させ、本当の理解につながるのです。

理科の学習法

まずは学校や塾の先生の話をしっかりと聞くことです。当然ですが、言葉の端々まで意識を高めてください。そのうえで、板書をしっかりと写し、気付きや疑問もどんどん書き込みましょう。そのうえで、疑問などは授業前後の時間を使ったりして先生に聞いてみると良いでしょう。そこで分かったこともノートにしっかりと書き込むと、そのノートは非常に優秀な参考書になります。疑問点には自分なりの仮説を立ててみるのも良いです。そのうえで調べると、仮説が正しいかどうかに関係なく知識として定着しやすいうえに、自分の思考で不足していたところも把握できます。そうすると、次の疑問を考えるときの精度がどんどん上げることができます。

知識を吸収したら、多くの問題に取り組んでください。まず一問一答形式の問題などで、1問あたり5秒以内にするなど、時間をかけずに知識の定着を確認しましょう。知識が定着したら読解力や計算力も必要な問題に取り組みましょう。どんな問題でも解説などで理由や原因を確認していくと、その問題が正解だったかどうかにかかわらず知識を増やすことができます。問題を解き、そこで知識を塗り重ねる。この学習を繰り返すと初見の問題でも出題者がどんな意図をもって問題を作成したのかも読み取れるようになります。

いろいろなものに多くの疑問を持ち、その謎を解明することを楽しんでもらえたらと思います。そして、その力は小学校や中学校の理科の成績を向上させるだけでなく、他の科目でも必ず役に立ちますし、勉強以外の問題解決能力をも高めてくれます。

この記事の著者

服部 豊(はっとり・ゆたか)

大阪府生まれ、三重県育ち。現在は高校受験部門の上本町教室長。生徒には、高校受験を成長の場としてもらうべく、生徒たちがチャレンジできる環境づくりに全力を注いでいます。趣味は映画鑑賞、愛猫と遊ぶこと。

大阪上本町駅(大阪市)の学習塾・個別指導塾「Z会上本町教室」

 

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