第44回 小学生と算数 ~算数と向き合う~

執筆者:下野安慶(Z会進学教室 西宮北口教室長/数学科)
記事更新日:2022年03月22日

小学生と算数 ~算数と向き合う~

こんにちは。Z会進学教室 西宮北口教室の下野安慶です。みなさん、算数は好きですか?嫌いですか?

今回は、小学生のみなさんがすでに算数と向き合っていることから、何を気をつけていれば算数ができるようになるのか少しお話ししたいと思います。得意な人も苦手な人も、保護者様とも一緒にお読み頂ければと思います。

算数を理解するところから始めよう!

算数を学ぶときに、一番最初に練習するのが「計算」ですね。授業では計算についてもしっかり考え方が提示されるものの、結局は計算ができないとテストで丸がもらえないので、まず計算の方法を身につけるために練習をたくさんすることになります。しかし、「その計算、なんでそうなるんだろう?」と思ったことはありませんか?ここが抜けてくると、だんだん算数が上手くいかなくなります。特に「割合(百分率含む)」「速さ」「平均」などは、ただ公式に頼ってやっていると、すぐに計算が合わなくなりますよね。これらの単元が苦手で、算数が得意ではないとなっているお子様を多く見かけます。以下のポイントを押さえておきましょう!

①自分が解いた跡は残しておくこと(解説の方法と自分の方法がどう違うか)
②解き直しを必ずすること
③定義(元々のルール)を理解してちゃんと覚えること

この3つについて、

よく、間違ってしまったときに消しゴムで自分の解答を消してしまう人がいますが、おすすめしません。自分がどこまでなら理解していたかをちゃんと把握しておくことが重要ですし、このようなことを習慣にしておけば、中学での学習でも自分を分析しながら学習を進められるお子様に育ちます。

①で自分の間違った部分が分かったら、修正したことがちゃんとアウトプットできるようになっているかの確認をします。(何となく理解した)=(得点できる)ではありません。

例えば「速さとは何か?」と問われて、正しい答えが言えますか? 案外答えられないお子様は多いです。小中で学ぶ「速さ」は「平均の速さ」であり、その定義は、「単位時間あたりに進む距離」です。時間と距離がセットになっていて、進むペースを表す量と考えてよいです。ですから、

・時速6km → 1時間(60分)で6km進む → 1分なら100m → 分速100m

と、順番に考えていけば公式は使わなくても解くことができます。他のタイプの問題でも可能です。試しに速さの問題を公式なしで解いてみて下さい。

図形はセンスではない!

よく「自分には図形の才能がない」といって、図形を遠ざける人がいますが、こうすると余計に図形ができなくなってしまいます。確かに図形に対して状況把握や隠された条件を見抜く力が高いお子様はいますが、そうしたことが苦手であっても、鍛えることができます。図形の力は経験によるところが大きいのです。ポイントは、以下の3つです。

①基本的な問題をたくさん解くこと
②①のような問題の図や解き方が出てきていないかチェックする
③よくある図以外のタイプの問題に触れること

図形問題は、まずよく出てくるパターンをしっかり頭に入れておくことが重要です。そして、解けなくても諦めず、解法をしっかり理解して覚えていきます。これらが蓄積されていくと、隠された図形や条件が見抜きやすくなるのです。その上で③にあるのは、例えば三角形の「底辺」と「高さ」と言われたときに、みなさんはおそらく真っ先に横一線と縦一線をイメージするでしょう。しかし、「底辺」にあたるものが斜めに配置されていても、その「辺」と90度に交わっていれば、それは高さになり得ます。つまり90度に交わっていることがまず「底辺」と「高さ」の条件であり、その向きは何でもよいのです。向きで図形を把握している人は、この向きを変えられると途端に違う図形に見えてしまい、解けなくなるのです。

覚えておいてほしいことは、とにかく「図形は鍛えればちゃんと伸びる!」です。苦手な人は、少しずつでよいです。経験を積んでいきましょう。大丈夫!

終わりに

かくいう私は、小学校~中学校まで算数・数学は大の苦手でした。分からなくて答えがすぐに出ないと投げ出していて、すぐに公式のようなものを探してしまっていたのです。当然、答えは合わず余計に敬遠してしまうというスパイラルに陥っていました。高校数学に出会ってからは、数学とはストーリーであることを実感し、一からお話を理解していくために定義(ルール)や性質を覚えて、それらをどこで使うことになるのか、そして結末はどうなるのかを追う学習に切り替えることで、数学が好きに、得意になっていきました。苦手意識は、ちょっとしたきっかけから払拭できるものです。皆さんを応援しています!頑張ってくださいね。

この記事の著者

下野安慶(しもの・やすきよ)

2015年入社。兵庫生まれ、兵庫育ち。長らく神戸三宮・梅田・上本町で数学講師、そして西宮北口教室長として従事し、現在に至る。子ども達は日々進歩しています。我々大人もその進歩に合わせて成長しなければなりません。教室という場ではそれをひしひしと感じ、どうすれば生徒にとって最も良い形となるか、日々奮闘しています。生徒にとって頼れるアドバイザーであり、かつ大きな壁でもあり続ける、そんなZ会の教室の門を是非叩いてみてください。

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