高校から大学にあがるにつれて学びが深くなることに伴い、大学様から「入学前教育として議論や研究などの場で深い学びができるような思考の準備をさせたい」といったご要望がよく聞かれます。このようなご要望にお応えするテストとして、「課題発見・解決能力テスト」をご用意しております。「課題発見・解決能力テスト」は、複数の立場・見解をもとに、より深く思考し、自ら主体的に意見・見解を構築する能力を測定します。〈決まった答えのない問い〉に対して、自分なりの答えを出すために、的確に情報を収集・分析し、建設的に意見を組み立てることができたか、その思考のプロセスを評価します。
特長とメリット
1.最新の学習理論に立脚した、アクティブ・ラーニング型アセスメント
「課題発見・解決能力テスト」は、学習科学・認知科学に基づいた理論を背景に設計されています。複数の立場、見解をもとにより深く思考し、自ら主体的に意見・見解を構築していく――その過程においては、さまざまな資料を理解し、他者の意見を取り入れながら、広い視野で思考していくことが必要になります。模擬的なアクティブ・ラーニングの流れの中で、受験者のパフォーマンスを評価・測定していく、この時代に求められるアセスメントです。
2.早稲田大学での実証実践結果に基づく、信頼性のある出題内容
「課題発見・解決能力テスト」の出題内容は、早稲田大学人間科学学術院・尾澤重知研究室との共同研究開発により考案されています。理論に基づいた出題案を、実際に大学生に取り組んでもらい(実証実践)、その解答結果を仔細に分析することで、パフォーマンスを測定するにふさわしいアセスメントとしての出題が可能になるよう、日々研究を進めています。
3.従来のテスト評価の在り方を覆す、多面的・立体的な評価
「答えの見えない」問いに対する解答を評価するにあたり、従来型の「この問いは○だから何点」といった評価はふさわしいとは言えません。問いに取り組む過程の中で、どのように情報を収集し、それによってどのような意見を構築することができたのか、プロセスを評価することが必要になります。「課題発見・解決能力テスト」では、複数の問いの解答を比較し能力項目を評価するという、これまでにない評価の在り方で学習者の力を測定していきます。
こんな大学におすすめ!
- 社会で活躍するために必要な
「答えのない問い」に立ち向かう
力を測定したい - 社会に出て要求されるのは、ものごとを深く、広く考え、これまでにない結論を生み出すことです。このような社会人として活躍するための地力がどの程度あるのかを、論述型のテストで測定し、各学生の強みと弱みを明らかにします。
監修者からのことば
アクティブ・ラーニング型の課題に取り組む意義とは?
早稲田大学人間科学学術院 尾澤 重知 教授
近年、アクティブ・ラーニングが大きな注目を受けています。導入段階を過ぎた今、重要になってくるのは、その評価と持続的な改善です。学び手が適切な評価を受け、その結果をさらなる学びに結びつけることができてはじめて、成果が未来につながります。
しかし、評価には落とし穴があります。安易な評価は、それ自体が目的化しがちだからです。「目標から逆算する」という発想は、確かに重要な考え方の一つですが、予測不可能な時代においては逆算型のアプローチは限界があります。
「課題発見・解決能力テスト」の考え方のベースになっている学習科学・認知科学に基づいた方法論は、優れた問題解決者が当たり前のように(しかし時に無自覚に)行なっている「物事を複数の視点から捉え直す」ことを促す手法です。授業内はもちろんですが、個人であってもこの発想を応用することができます。本アセスメント課題は、これまでの実証研究に裏付けられた素材を用いて、これまでになかった未来志向型の評価を目指します。
「課題発見・解決能力テスト」のもう一つの特徴は、学び手の視点に立った「問い」を重視している点です。優れた問いの組み合わせは、学び手の知的好奇心を喚起するだけでなく、「問い」が新たな「問い」を生み出します。例えば、「3Dプリンタって何だろう?」という身近な話題を「複製とは何か?」「摸倣はどこまで許されるのか?」などの問いと関連づけることができれば、自ずと探究が展開していくはずです。
本手法が、さまざまな教育現場で活用されることにより、アクティブ・ラーニングが単なる経験学習ではなく、持続的に協調的な学びを生み出す原動力になることを願っています。
試験の種類
「課題発見・解決能力テスト」には、主に中学生を対象とした「標準レベル」、主に高校生~大学生を対象とした「応用レベル」、主に大学生~社会人を対象とした「発展レベル」があります。
標準 レベル |
応用 レベル |
発展 レベル |
|
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対象 | 主に中学生 | 主に高校生~大学生 | 主に大学生~社会人 |
測定範囲/測定分野 | P-A1~P-B1レベル | P-A2~P-C1レベル | P-B2~P-C2レベル |
回数 | 年1回 | ||
試験方法 | PBT(紙での実施) | ||
解答時間 | 60分 | ||
解答形式 | 記号選択式+記述式 | ||
問題分量 | 1テーマ・小問6~7題 | ||
評価方法/成績表示 | 専門評価者による項目評価により、 「課題を見極め、情報を収集する力」「論理を構築する力」 「意見を構築する力」「多様性受容能力」の4つの力を測定 |
試験内容
全体構成
最初に「解決すべき大きな問い・疑問」が提示されます。この問い・疑問を考えるにあたって参考になる資料の提示→他者の意見の収集→別の角度からの資料の提示という流れを経て、最終的にあなた自身の結論を論述してもらいます。
各レベルのねらい
レベル | ねらい |
---|---|
標準レベル | 身近な問題や事象について、その原因・理由を複数の角度から検討し、最後に自らの見解・意見を200字~400字程度でまとめます。ひとつの立場・要因にとらわれることなく、大きな課題に対して幅広い視野で与えられた課題を考察することができるかがポイントになります。
【過去の出題例】 【とくに重視される能力】 |
応用レベル | 社会的な問題や専門的な事象について、その原因・理由を複数の角度から検討し、最後に自らの見解・意見を400字~800字程度でまとめます。自らが収集した情報や、自らとは異なる立場などを総合し、大きな課題に対して主体的に深く考察することができるかがポイントになります。
【過去の出題例】 【とくに重視される能力】 |
発展レベル | ビジネス現場で活躍するに際し、根底となる思考力を問います。複数の事例を精読し、成功・失敗の要因を考察したうえで最終的な自らの見解を800字程度でまとめます。与えられた問いや資料に対して、常に疑問を投げかけながら考察し、独自性のある意見を構築できるかがポイントになります。
【過去の出題例】 【とくに重視される能力】 |
成績表
「課題発見・解決能力テスト」の成績表では、ものごとを考える際の段階となる「課題を見極め、情報を収集する力」「論理を構築する力」「意見を構築する力」の3つに加え、その過程でどれだけ多様な立場・意見を吸収できているかを表す「多様性受容能力」が測定され、スコアと評価、アドバイスが表示されます。また、基礎的な言語運用能力として、「読解力」「記述力」の2点が評価されます。ものごとを考える際に、どの段階でつまずきやすいのか、ふだんは意識しづらい点をフィードバックしますので、受験後の意識の仕方が変わります。
個人成績表
試験の結果は、紙の成績表で確認できます。課題を発見し、他者と協調的に問題を解決していくプロセスにおいて、どのような点に注意しなくてはならないのかをフィードバックします。
- 総合スコア:総合力を表すスコア(100点満点)
- 総合評価:総合スコアに応じた総合評価の説明
- 総合スコアの見方:各レベルのスコアに応じた説明
- 今回の結果:総合評価・能力ごとのスコア
- 能力別評価:各能力の到達度レベル
- これからの学習に向けてのアドバイス:各能力において、これからどのような点に注意して能力を伸ばせばよいかのアドバイス
- あなたのスコアとあなたの団体の平均スコアとの比較:団体様の中でのスコアの位置づけを確認
お問い合わせ~受験の流れ
ご所属の団体名(大学・学部名など)/責任者の方のお名前/実施希望のレベル/受験者数/実施日・実施期間
※事前にご不明な点などを説明させていただきますので、まずはご連絡ください。
※原則、ご請求は申込者数にて行わせていただきます。ご要望がある場合はご連絡ください。
● 成績一覧のエクセルデータ
を、受験終了から1か月半後を目安に、別途納品いたします。
※上記は大学内で実施する場合の流れとなります。大学入学前の課題として利用する場合については別途ご相談ください。
※お申し込みは10名以上、報告書のご提供は100名以上の場合に限らせていただきます。
※年末年始などの長期休暇をはさむ場合は、STEP5、STEP6のお届けが遅くなる場合がございますのでご了承ください。
- 資料請求・お問い合わせ・
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資料請求や無料体験、お見積りのご依頼など、下記よりお気軽にお問い合わせください。
貴学の目的やご要望を丁寧にお伺いしながら、
より質の高い教育を安心して進めていくためにご支援いたします。