小論文ライティング講座の答案から見える学生の成績傾向

Z会ソリューションズの入学前教育では多くの大学様に小論文ライティング講座をご利用頂いております。

今回は入学前教育で最もご採用頂いている課題の「学科での学びと社会貢献」の答案から見える学生の成績傾向についてご紹介致します。

さらに、「学科での学びと社会貢献」に次いでご利用が多い、「『他人の眼』と共生社会」「大学で学びたいことと人・モノとの関わり」の成績結果資料をご用意しております。

入学前教育をはじめ、ライティング指導の参考資料としてぜひご活用ください!

講座実施概況

【2022年度実施結果】
全13大学(学部)2,020名実施

【課題】
「学科での学びと社会貢献」

【形式】
テーマ型小論文

【設問】
あなたはこれから所属する学科での学びをどのような形であなたの人生に生かしていきたいと考えますか
(例:国内・国外での就職、卒業後の進学、社会貢献、自己実現など)。
それに関連した社会現象、あるいは身の周りのことを一つ具体的に挙げた上であなたの考えを600字以内で述べてください。

【評価について】
小論文講座では、「論述内容」「表現表記」の2つの大きな項目に分けて評価を行っています。
「論述内容」では、
論述の基本【設問要求の理解+自己意見(主張+根拠)】ができているか、
読み手に対して説得力を持つ記述ができているかどうかなどを評価しています。
「表現表記」では、
原稿用紙の使い方や漢字表記、小論文としての適切な表現などの国語的な記述力を、「論述内容」の評価とは切り離して評価しています。

 

論述内容についての評価

設問の要求に応じているか

人数 割合
A(とても良い) 93 4.60%
B(良い) 988 48.91%
C(普通) 794 39.31%
D(あまり良くない) 139 6.88%
E(良くない) 6 0.30%

【成績傾向】
50%以上の学生様がB評価以上で設問条件を理解した上で論述に取り組むことができています。
Cレベル以下の学生様は、将来に対する自らの考えをあげているものの、設問文に示されている「社会現象、身の周りのこと」という具体例との整合性に欠けている傾向がありました。
設問条件は理解しているものの、それをどのように論述に落とし込むのかという点で課題があります。

 

自分の主張は示しているか

人数 割合
A(とても良い) 141 6.98%
B(良い) 932 46.14%
C(普通) 905 44.80%
D(あまり良くない) 37 1.83%
E(良くない) 5 0.25%

【成績傾向】
約50%の学生様がおおむね自身の主張を適切に示すことができています。
将来像と志望学科の学びとの関連をより明確に説明することで主張を強く打ち出し、説得力を高める論述につながります。

適切な根拠を挙げているか

人数 割合
A(とても良い) 114 5.64%
B(良い) 756 37.43%
C(普通) 993 49.16%
D(あまり良くない) 147 7.28%
E(良くない) 10 0.50%

【成績傾向】
全体的に事例を上げようという意識はうかがえますが、適切な事例がどうか、自身の考えを補強する説明ができているかどうか、という点においてやや物足りない論述が見受けられます。
D評価の以下の学生様については事例を上げずに抽象的な説明に終始している傾向があります。
自分の体験や知識を活用して「主張」の補足説明ができていることが適切な根拠の提示につながります。

全体の構成が整っているか

人数 割合
A(とても良い) 50 2.48%
B(良い) 628 31.09%
C(普通) 1,187 58.76%
D(あまり良くない) 150 7.43%
E(良くない) 5 0.25%

【成績傾向】
B評価以上の学生様は読み手にわかりやすい論展開ができています。
C評価以下の学生様は、説明が冗長になり同じ内容を繰り返す、思いつくままに書き進めていて読み手に伝わりにくいなど、小論文を書く上での基本構成の定着が課題となります。
また段落分けの全くないものもあり、高校までの学習による習熟度の差を最も感じられる評価項目でもあります。

適切な考察がなされているか

人数 割合
A(とても良い) 43 2.13%
B(良い) 417 20.64%
C(普通) 1,286 63.66%
D(あまり良くない) 268 13.27%
E(良くない) 6 0.30%

【成績傾向】
一般論の繰り返しにならず、独自の切り口で論述を深めることができているかを評価する項目ではありますが、全体的にやや不足を感じる論述が多く見受けられました。
問われていることに対して表面的な論に終始するのではなく、「自ら踏み込んで考える」習慣づけで「深く考えて伝える力」を伸ばしていくことが重要となります。

表現表記についての評価

原稿用紙の使い方と文字数は適切か

人数 割合
A(とても良い) 1,740 86.14%
B(良い) 180 8.91%
C(普通) 81 4.01%
D(あまり良くない) 13 0.64%
E(良くない) 6 0.30%

【成績傾向】
多くの学生様が制限字数を意識して論をまとめる意識を持っており、高評価の結果となりました。
原稿用紙の基本的な使い方については理解できています。

表現に誤りはないか

人数 割合
A(とても良い) 150 7.43%
B(良い) 566 28.02%
C(普通) 1,252 61.98%
D(あまり良くない) 48 2.38%
E(良くない) 4 0.20%

【成績傾向】
小論文の基礎的な表現についての認識が不足しており、口語表現を用いる論述が多く見受けられます。
また、「常体(だ・である調)」を用いず「敬体(です・ます調)」での記述も目立ちます。
一方で、適切な表現を用いることができている(A,B評価)学生様も3割以上という結果であることから、高校での小論文学習経験による差が表れていると考えられます。

表記に誤りがないか

人数 割合
A(とても良い) 859 42.52%
B(良い) 151 7.48%
C(普通) 979 48.47%
D(あまり良くない) 27 1.34%
E(良くない) 4 0.20%

【成績傾向】
B評価以上の学生様は表記のミスなく注意深く記述できています。
C評価以下の学生様は誤字や送り仮名の誤りがあり、半々の結果となりました。
誤字については、漢字そのものの書き間違いよりも、同音異義語の誤用が多く見受けられます。
「読む・書く」といったインプット・アウトプットの質とともに、語彙力が不足している傾向があります。

 

総括

自分の主張を示すという論述の基本的姿勢は十分に感じられます。
一方で、課題に対し深く掘り下げて考え、その思考内容を他者(読み手)に論理的に伝えるという点が課題です。
大学入学後の学びにおいて必要とされる「能動的な深い思考」「自分の意見を的確に伝える力」を意識して論述学習やグループワーク、PBL型授業などを活用し、他者を説得できる文章表現やコミュニケーション力を身につけていくことが肝要です。

 

Z会ソリューションズの「添削指導」の強み

入学前教育で最もご採用頂いている課題の答案、添削指導、評価から見た成績傾向についてご紹介をしましたが、いかがでしたがしょうか。

Z会ソリューションズの「添削指導」の強みとして

●一人ひとりに寄り添った指導
文章作成の難しさは、書いた本人が自分の文章を客観的に評価できないところにあります。
添削者は、誤字・脱字や表現の誤りといった小論文としての適切な表現のチェックはもちろん、答案のレベルに応じて「どのように思考を深めればよかったのか」「どのように論理を展開できればよかったのか」といった、個々の答案内容に即したアドバイスを行います。
添削コメントは、受講者が復習しやすいよう指摘箇所を明確に示して、具体的に指摘します。
さらに、改善点だけでなく、よかったポイントもとらえて、より「他者に伝わる説得力」を持たせるにはどうすればよいかを意識できるよう指導します。

●添削の「質」向上のために
添削者は、学生アルバイトの採用は行いません。指導者としての適性を確認するテストを実施して採用しています。
さらに、添削した答案は、チェック担当者が指導の適切さや妥当性などをさらにチェックしてからご返却しています。
その上で、添削者には添削内容に関するフィードバックを適宜行い、指導能力の向上に努めています。

添削指導歴90年以上のZ会グループだからこそ、添削指導の質にこだわり、そのノウハウをいかして一人ひとり丁寧にご指導いたします。

 

 

Z会ソリューションズではこのようなデータを活用して、貴学の目的やご要望を丁寧にお伺いしながら、より質の高い教育を安心して進めていくためにご支援いたします。
ぜひ、他課題の成績結果資料もDL資料としてご用意しておりますのでご活用下さい。

 

 

また入学前教育について見直し、ご検討されている方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

 

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