国語
「説明文、随筆、詩」の大問3題の構成だった。詩について、昨年度は物語と詩の融合という珍しい形式だったが、今回は詩の問題が独立しており2023年度までの形式に戻った。漢字は、ことわざを漢字に直す筑駒頻出の形式ではなく、今回は読解問題の中で出題されている。
読解問題の設問の形式は、選択肢問題2問、記述問題10問。選択肢問題は、2023年度に6年ぶりに出されてから3年連続。選択肢は基礎的なレベルであり差がつきにくく、これまでどおり記述問題でいかに得点を積み重ねていけるかが合否を分ける。
大問一の説明文は、ハングリー精神を発揮するための条件と甘やかしを区別するラインをどう捉えるべきか、一律の基準ではなく一人一人がしっかり考える必要があるという筆者の思いが述べられている。設問は、例年のように対比で考えることがポイントとなるものや、筑駒で頻出の表現の意図を問うものなどが見られた。
大問二の随筆は、筆者が「文字」について感じたこと・考えたことが綴られた文章。比喩の説明のほか、筑駒でよく見られる抽象と具体を置き換えて説明する問題などが出された。
大問三の詩は、詩全体をとおしてえがかれる主題をきちんと理解する必要があり、筑駒ならではの難問だ。詩の題名をふまえて、詩の最後の言葉のもつ意味を考える設問は、まさに主題に直結する問いだった。
説明文、随筆、詩ともに、各設問の出題意図を把握して、短い試験時間内に端的にまとめあげなければならない難問ぞろいである。
算数
例年通り4題出題され、どれも論理的思考力を多分に要求するテーマであった。
問題数は少し多いが、難しさとしては易しめの問題が多く、どちらかといえば例年よりも正確さと注意力が問われる入試であった。
大問3は19年度大問4で問われたような、回転移動する図形中の点の細かい動きまでを考察する問題だった。(2)は時間をかけてでも1周回転するようすをしっかり図示して処理するべきだろう。このような正確な処理力がうっかりミスが許されない筑駒においてとても大切である。
大問4は旅人算の問題だった。最終問題としては短時間で解けてしまうため、自分の解法に不安が残りやすかったかもしれない。徒歩の速さを任意で設定できる問題のため、確実に正解しておきたいならば、実際に速さをあてはめて検算まで行えるとよいだろう。
理科
大問6題構成で物理・化学・生物・地学の4分野から出題された。例年通り、物理では2問出題されたが、例年ほど難度は高くなかったため、解答しやすかったかもしれない。一方、化学では例年より難度が上がり、時間を要した受験生も多かったと思われる。生物と地学の問題を正確に素早く解き、物理と化学の問題にどれだけの時間を割くことができたかが合否の分かれ目であったと言えるだろう。
社会
例年どおり、大問3題構成で、地理・歴史・公民から1題ずつ出題された。公民では水俣病、地理ではPFASといった、近年話題になったできごとや日常的に使用されている物質をテーマにしたリード文が用いられた。歴史は個人の調べ学習のメモをもとにした出題であった。地形図の読み取り、グラフを用いた文章記述問題など、解答に時間を要する問題も出題された。正解の選択肢を「すべて」選ぶ問題に対応できる正確な理解を心がけるとともに、時間配分を意識した過去問題対策を行いたい。
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