第2回 夏休みの読書感想文は「なぜ」と「もしも」で解決! ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:鈴木亮介(Z会進学教室 調布教室長/国語科)
記事更新日:2021年7月16日

一味違う、読書感想文を書こう!【前編】

今回から2回に分けて、夏休みの宿題の定番、読書感想文についてZ会進学教室で国語の授業を担当する鈴木亮介がお伝えします。

皆さん、読書感想文は好きですか?「本を読むのはいいけど作文を書くのはニガテ」「マンガだったらいいのになぁ」などなど色んな声が聞こえてきそうですが、まず前編では本の探し方、そして読み方についてのアドバイスを書きたいと思います。

「読みたい本」と「読むべき本」を選ぼう

まず読書感想文の課題にするための本の選び方ですが、小学校で指定がある場合はその中から選ぶとして、自由に選んで良い場合は「まず、本屋さんに出向いてみる」ことをお勧めしたいと思います。「読みなさい」と言われて取り組むのと、自分で選んで読み始めるのとでは気持ちの入り方が全く変わってきますよね。

とはいえ、「自分で選ぶと毎年同じようなライトノベルになってしまう」と保護者の方の心配も容易に想像がつきます。そこで、「読みたい本」と「読むべき本」の2冊を手にする、というのはどうでしょうか。

1冊は自分の好きな、趣味・娯楽となる本。もう1冊は「読むべき本」、つまり6年生として読めたら良いなと思える、挑戦する本。「小学校最後の夏だから、普段は敬遠してしまうような分厚い長編小説」や、「社会について考察を深められる意義深い本」など、テーマを決めてみましょう。

明治~昭和初期の文豪がおすすめ

そもそも長い本を読むのが得意ではないという人には、明治から大正、昭和初期にかけて活躍した文豪の短編小説もおすすめです。たとえば芥川龍之介や小川未明、志賀直哉など、短い作品の中にも、じっくりと考えることのできるテーマが含まれています。

また、小品の微細な表現の妙に触れ親しむという読書もおすすめです。たとえば宮沢賢治は生前、わずか一か所の擬音も含めて何度も何度も書き直すほど一文、一行の表現にこだわったと言われています。作家の命を削るようにして紡ぎ出した表現をじっくり丁寧に追体験していく、そういった読書の楽しみ方も知ってほしいです。

「なぜ」と「もしも」を手に、本の世界を探検しよう

さていよいよ本を読む段階です。読書の仕方に決まりはありませんから、思うがままに、好きなようにページをめくっていくと良いですが、今回は「読書感想文を書いて提出する」という目的がありますから、「本は読んだけど、さて何を書いたらいいかな」とならないように、ある程度「書くこと」を想定しながら読むことが大切です。

そこで皆さんにおすすめしたいのが「なぜ」と「もしも」です。お話を読みながら、疑問に思ったところに後で振り返れるようにふせんをつけておきましょう。「なぜこんなことを言ったのかな?」「どうしてこうなっているのかな?」 …考えることの第一歩は疑問を持つことです。

「もしも」というのは魔法の言葉です。「もしもここで右に行かずに左に行ったらどうなったかな?」「もし私がこの登場人物だったら、こう言われてどう思うかな?」「お話が終わった後、もしも続きがあったとしたら、この後どうなるかな?」などなど。お話の世界から自由に想像し、自分の独自の発想を膨らませていきましょう。

これは物語文(小説)に限らず、説明的文章でも活用してほしい読み方です。「もしこれがこうなっていたら」「これをこうしたらもしかすると…」 動物のコミュニケーションと人間のそれとの一番の違いは、「言葉」を持っていることです。つまり、私たちは言葉によって何百年も前に生み出された知恵をいつまでも大切にしたり、これからの未来を自由に創り出すことができるのです。さぁあなたも、「なぜ」と「もしも」を手に、本の世界の探検に出かけましょう!

この記事の著者

鈴木亮介(すずき・りょうすけ)
2013年よりZ会進学教室にて中学生の国語、小6公立一貫校受検コースの文系を担当。立川教室や池袋教室を中心に数多くの6年生の作文指導に携わり、南多摩中、立川国際中、大泉中などの合格者を輩出。2016年よりZ会に入社し、同年より調布教室の教室長を務めるほか、国語科の一員として校正業務、冬期講習単科ゼミ「西の作文」の講座設計・教材作成も担当。肥薩線の三段スイッチバックのごとく「地味にすごい」をモットーに教壇に立つ。

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