第8回 都立国立高校で学べる本当の価値 ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:Z会進学教室 調布教室スタッフ
記事更新日:2021年8月27日

都立国立高校で学べる本当の価値~公立トップ校を目指す君へ

今回はZ会調布教室の受付スタッフより、「高校受験を振り返った今、伝えたいこと」をまとめます。今はZ会調布教室で大学生アルバイトとして働いていますが、以前私もZ会進学教室に生徒として通っていました。Z進で勉強して国立高校に進学しました。ここでは私の経験をお伝えしながら、高校受験のことについて小学6年生の皆さんや保護者の方に少しでも身近に感じてもらえたらいいなと思います。

まず前半は「私が国立高校に合格できた理由」として、内申対策と学力向上に分けてお話をします。後半では「国立高校に実際入って気づいたこと」をお伝えします。

内申を上げる2つの秘訣

東京・多摩地区ではトップと言われる都立国立高校に合格できた私ですが、実は中学校に上がって最初の通知表は、オール4にも届かない成績でした。決して良いとは言えない成績を上げることができたのはなぜか、二つ思い当たることがあります。

一つ目は、勉強の成果を競い合うライバルをつくったことです。定期テストで良い点を取るために頑張るとき、生身の誰かの存在が刺激になりました。別に出来るようにも見えないあの子があんなに高い点数を取っているのに、自分はこれしか取れていないというようなショックが、勉強の原動力になりました。

競い合うと言いましたが、自分よりも良い点を取る人にひそかに、一方的に勝負を挑むのでもいいと思います。そういう意味では、ライバルをつくることは、目標をつくることだとも言えます。

もし今みなさんの中に、自ら目標を立ててそれを達成していく習慣がついているよ、という人がいたら、その習慣がある自分をこの先ずっと誇ってほしいです。ひとりで目標を立てて頑張るのはとても難しいことですし、誰にでもできることではないと思います。

二つ目は、言い訳をしないようにしたことです。全く勉強をせずに取った80点より、準備をして取った100点の方が評価は高いですよね。同じく、テストの点だけ良い人の通知表の4より、テストも提出物も同じくらい準備して仕上げる人の通知表の5の方が評価が高いです。提出物もできるだけ完璧な状態を目指して日々授業を受けていました。「もっと時間をかけていれば」、「このプラスアルファの提出物を出していれば」といった言い訳が出てこないようにしていました。

もっとも、高校に入ると「少ない努力量でコスパ良く結果を出す」というやり方が評価される場面も多くあります。高校生の頃から今まで、かけるべき時間やするべき努力と、かけられる時間、自分のキャパシティとのギャップに悩むことがよくあります。でも、少なくとも私が中学生のときは「自分は要領も良くないし、特別勉強ができるわけでもないのだ」と割り切って、かける時間は惜しまないようにしていました。

ハイレベルな環境で受験のイメージをつかむ

私は、高校受験で都立進学指導重点校レベルを目指すとなると独学では心細いと思ってZ会に入会しました。Z会のカリキュラムは学校のものより進みが速く難しいものだったので、学校では学校の勉強、Z会ではZ会の勉強、というメリハリが自然と自分の中でつきました。Z会で勉強することが、いつの間にか受験勉強になっていて、違和感なく自校作成校(※)の入試問題に取り組めるようになっていたのは良かったなと思います。

(※国立などの進学指導重点校、進学重視型単位制高校は英数国の問題が各学校の独自作成となり、記述式が多い難しい問題となっています)

とはいえ大は小を兼ねるというように、Z会での勉強は学校での勉強にも役に立ちました。苦手だった数学などは、すいすい進んでいく先生や周りの子たちに置いていかれたくないと必死になったおかげか、学校のテストで良い点を取って5をもらえるくらいになりました。

Z会で初めて式の展開(中学3年生で扱う内容です)を習ったとき、暗記必須の公式が板書されてすぐに問題演習の時間になり、あまりの進度に戸惑ったことを今も覚えています。言われたばかりの公式を利用する問題を、特に困った様子もなく解いていく周囲に驚きながら、これは一刻も早くこの公式を覚えなければならないぞと強く思いました。

Z会で勉強しなければ、数学の成績を上げたいと言いながら、最低限の公式や定理、基本的な問題の解法すら頭に入れていなかった詰めの甘い自分に気付かなかったと思います。トップ校を目指す生徒がたくさん集まる環境で勉強することで刺激を受けましたし、兄や姉がおらず高校受験のイメージがいまいちつかめない私や親には、何年も生徒を教えている先生方の確かなアドバイスがとてもありがたかったです。

国立高校に3年通って気づいた本当の価値

さて、ここからは私の母校、東京都立国立高校の話をしてみようと思います。みなさんのこれからの高校選びの一助になれば幸いです。国立高校は、進学指導重点校のうちの一校で、JR中央線国立駅か、JR南武線谷保駅から歩けるところにあります。Z会調布教室からも国高の合格者がたくさん出ていますし、多摩地区に住んでいれば総じて通いやすい学校です。

3年間生徒として通っただけに、一言でまとめるのがとても難しいのですが…中学生のときによく聞いたフレーズを借りて表現すると、自由で活気のある校風、名物行事の国高祭が売りの学校です。校則や制服はほぼありません。部活によって部則があったりしますが、基本的には髪を染めようが化粧をしようがアクセサリーをつけようが自由です。とはいえいざ国高に入り、毎日おしゃれを決めたかというと全くそうではなく、上はスウェット、下はジーンズという楽な服装でいることが多かったです。

そもそも周りは部活ジャージやクラスポロシャツを着ている人ばかりでしたし、分かりやすく言うと、半分以上の人がそのまま体育の授業に参加できるような格好でした(ちなみに国高は指定の体操着もないです)。こういうところに、国高の校風があらわれているかなと私は思います。同じく服装に関して自由な青山高校に通っていた友人は、青高にはジャージで登校してくる人はいないと言っていました。

劣等感と付き合いながら夢中で過ごした高校生活

3年間、逆立ちしても敵わないと思うような人たちに囲まれ、たくさんの刺激を受けて身をもって学んだことですが、”良い高校”の価値は、”良い大学”に行くための準備段階としてではなく、そこで周りの人と過ごす時間にあると思います。当たり前に勉強ができる人が揃う中、さらに頭一つ抜けて勉強ができる人、スポーツができる人、場を盛り上げるのが得意な人、人前で話すのが上手い人、皆を自然にまとめられる人、マルチタスクの神様のような人…皆尊敬できる人ばかりで、楽しかった時間と同じくらい(というのは言い過ぎかもしれません)、自分が誇れることは一体何かと悩んだ時間がありました。

しかし、劣等感と何とか付き合いながら夢中で過ごした3年間は、これまで過ごしたどの3年間よりも、自分を成長させることができた時間だったと思います。私は勉強面で選びましたが、勉強でもスポーツでも音楽でも、何かの面で自分より優秀な人が集まる環境に身を置くことには、そういった意味があると思います。

高校は大学受験のための予備校ではないと言っておいて早速ですが、進学校にいることが、大学受験の際に有利に働くこともまた事実です。高校生活があまりにも楽しくて、その次の大学というステージに対してのイメージがなかなか膨らまなかった私でも、身近な先輩方の進学や周囲の雰囲気に引っ張られ、いつの間にか志望校が定まって大学受験を乗り切ることができました。努力して辿り着く場所の価値がその場所自体にあるのではなく、その場所で過ごす時間にあると知れたから、コロナ禍の今を頑張れるような気がします。

調布教室この記事の著者

Z会調布教室 教室スタッフ

地元調布の公立小・中を経て、都立国立高校に進学。器械体操部に所属し、よく動きよく食べる高校生活を送った。
国高祭には、後夜祭実行委員や、外装チーフとして携わり、夏休みも毎日学校に行って定期代の元を取った。

調布市の学習塾・個別指導塾「Z会調布教室」

 

 

親子で始める、中学準備 TOPへ戻る 


Z会の教室では、小学生向けに中学受験・高校受験に向けた指導を行っています。

Z会の教室で、苦手単元を克服したり、得意教科を伸ばしたりしていきましょう!

小学生向け講座について詳しく見る 

    お問い合わせ