執筆者:Z会進学教室 祖師谷教室スタッフ
記事更新日:2021年8月27日
小学校と中学校の違いってなに?
小学校から中学校は同じ義務教育の中でも大きく違いがあります。進学した際に心理的・文化的に受ける様々な違いにショックを受けることもあるでしょう。中にはそれが原因で学校に行き辛くなってしまう子もいます。「中1ギャップ」と呼ばれるこれらの現象は文部科学省でも課題とされています。
では、実際の小学校と中学校ではどんなことが違うのでしょうか。
人間関係の変化
中学校生活は、小学校6年間共に過ごしたお友達と離れ、今までほとんど交流のなかった小学校の子達と新たに関係を築いていくことからスタートします。大人にとってはそれ程難しいことではないかもしれませんが、12~13歳の子どもたちにとって6年とは人生の約半分。今まで、関わりは無くても何となく知っている人達との生活から、全く知らない人と新たに関係を築きながら共に生活するというということは子ども達にとって大きな変化になります。
また、今まで経験したことのない「先輩後輩」の関係。小学校では一緒に遊んだこともあったお兄さんお姉さんが、急に先輩となり部活動などで指導をされる。先輩と話す時は、今まで子ども同士では使わなかった敬語を使わなければならない。など急な変化に適応できず戸惑う子もいます。
先生と子どもたちの関係にも違いが出てきます。今まではほとんどの授業を担任の先生が担当し、時に保護者のように接してくれていましたが、中学校は教科担当制となり、学校内で関わる大人の人数が増えます。
学習の違い
学級の面では、小学校に比べて授業時間が長くなり学習内容が難しくなります。それだけではなく、定期テストの点数・ワークやノートの提出物・授業への姿勢…それらが全て数字となり、点数を付けられて内申点となります。そしてこの内申点は高校受験に大きく関わってきます。
Z会のお問い合わせや面談等でも1~2年生の間に提出物等を疎かにしていたため、内申点が伸び悩んでいるとのご相談がよくあります。どうしても保護者が神経質になってしまいがちですよね。でも子ども達にとっても、生まれて初めて学習と生活を「数字で評価される」という経験になり、かなり緊張しています。私自身、中学1年生の頃にまるで一挙手一投足を先生に見られている気がして、とても窮屈な気持ちになったことを覚えています。
中学校のメリット
ここまでを読むと中学校とはまるで恐ろしいところのように思えますが、決してそんなことはありません。今まで関わることのなかった子ども同士の出会いや、先生との関わりは子どもたちの世界や価値観を広げてくれます。また、少しずつ大人に近い扱いをされることにより、子ども自身が自由にできることや行動できる範囲が広がり「自由と責任」を理解するようになります。
数字で評価される経験も社会に出る準備として必要なことですし、明確な評価をされることによって自身の新たな能力を見つけられることもあります。そして全ての分野の学問の基礎となる中学校の学習は、子どもたちの知的好奇心も刺激します。
しかしながら、ストレス要因が増えることも事実です。小学校の卒業前から不安が強くなり、不安定になる子もいます。そこで必要になるのが、保護者の「見守り」です。日々のお仕事で忙しい中でも、1日10~20分お子さんの学校生活や学習のお話を「聴いて」「視て」ください。子ども自身の「自分は守られている、愛されている」という自覚こそが、目まぐるしい環境の変化の中で花開く大切な栄養素となるでしょう。
また、学習の面では今から少しずつ中学校の学習方法に合わせた勉強をしてみるのも良いでしょう。特にノートの取り方やプリントの保管などは、直接成績に関わるものなので早めに習得しておいて損はありません。学習方法などご不明な点は、最寄りのZ会のお教室までお気軽にご相談ください。
この記事の著者
Z会祖師谷教室 教室スタッフ
2016年から2年間地元中学校の生徒指導補助員として学校教育に携わる。2018年よりZ会祖師谷教室の教務スタッフとして勤務。受付対応・電話対応や教材の準備、面談の日程組みなど教室運営全般に携わり、生徒一人ひとりが安心して授業を受けられるよう、先生方が授業・生徒指導でベストパフォーマンスを尽くせるよう、快適な教室環境づくりに貢献。縁の下で教室を支える傍ら、プライベートでは中学の部活指導に携わるなど365日教育現場に身を置く。