第13回 【入試制度】兵庫県公立高校篇 ~小学6年生のあなたへ~

執筆者:杉本亮(Z会進学教室 神戸三宮教室長/国語科)
記事更新日:2021年10月1日

【連載:高校入試を知る!】兵庫県公立高校篇

こんにちは。Z会神戸三宮教室の杉本です。この記事では、兵庫県にお住まいで公立高校入試の受験をお考えのみなさまに、兵庫県立高校入試についてわかりやすくお伝えします。ぜひ学習や志望校選びのご参考になさってくださいね。

内申点が大事!「推薦入試・特色選抜」と「一般入試」

まず、兵庫県立入試は2月に「推薦入試・特色選抜」があり、3月に「一般入試」が行われます。それぞれの日程や選抜方法を見ていきましょう。

■推薦入試・特色選抜

1.令和4年度(2022年度)選抜日程 →推薦入試と特色選抜で共通
適性検査、面接等 2月16日(水)
合格発表     2月21日(月)
2.推薦入試と特色選抜の違い
・推薦入試…専門学科入学希望者への入試
(例:神戸高校総合理学科、兵庫高校創造科学科、市立西宮高校グローバル・サイエンス科)
選抜方法は適性検査(国数英など)+面接、中学校長推薦が必要、県内全域から受験可能
・特色選抜…普通科入学希望者への入試
(例:長田高校人文数理探究類型、市立西宮高校人間探究類型)
選抜方法は小論文+面接、自己推薦、学区内のみ受験可能
3.選抜方法
調査書+適性検査or小論文+面接  ※配点は非公表。

推薦入試・特色選抜では、一般入試よりも高い内申点が必要となることがほとんどです。また、入試問題は各高校のオリジナルなので、一般入試と比べて難しくなります。推薦入試・特色選抜を受けるだけでも相当高いハードルを越えなければならず、その中でさらに激しい合格争いがくり広げられるのです。

■一般入試

1.令和4年度(2022年度)選抜日程
学力検査     3月11日(金)
合格発表     3月18日(金)
2.選抜方法
調査書250点+学力検査250点

通常、公立高校入試というと、この一般入試のことを指します。兵庫県公立高校一般入試の最大の特徴は、調査書(=内申点)の比率の高さです。いくら実力(=学力検査の得点力)があっても、調査書の点数が足りないと逆転が不可能になるので、内申点をとっておくことは公立トップ校を受験するための「最低限の受験資格」だと考えましょう。

一般入試の調査書について

では、ここからは一般入試の調査書と学力検査について、それぞれ詳細を見てまいりましょう。調査書には、主に、中3の内申点と特別活動(部活動・生徒会活動など)が記載されます。このうち、中3の内申点(5段階×9教科)が、主要5科(国数英理社)を4倍、副教科4科(音・美・技家・体)を7.5倍して、250点満点に換算されます。なお、特別活動の配点は非公表です。

公立トップ校を受験するためには、中3の内申点が目安として9教科45点満点中、40前後は必要です。特に、副教科4科の点数が主要5科のおよそ倍(!)もあるので、授業態度、提出物の質と期限を守ること、実技テストの成績などを意識して、「日ごろから」意欲的に学習に取り組みましょう。

学力検査について

続いて一般入試の学力検査についてお話します。学力検査は、100点×5教科(国数英理社)=500点満点を0.5倍して、250点満点に換算されます。

公立トップ校に合格するためには、(内申点や志望校にもよりますが)当日点が400~420点ほど必要です。例えば、内申点で志望校のボーダーを15点下回った状態で受験する場合、当日点はその倍の30点分ボーダーを上回る必要があります。公立トップ校には学力上位層が集まるので、その中で30点も余分に得点することがどれほど大変なことか、想像してみてください。そのため、内申点が大きく不利な状態で受験することはオススメできません。

兵庫県の学力検査の特徴は、記述問題が極端に少なく、入試問題が易しめなことです。近年は大学入試改革の影響で、記述問題の出題が増えたり、問題の文章量が増えたりしていますが、難易度はそこまで大きく変わっていません。ただし、特に数学・理科は平均点が低く難しいことが多いため、しっかりと対策をしておくことが重要です。

【参照】令和3年度入試結果(兵庫県教育委員会HPより)
https://www.hyogo-c.ed.jp/~koko-bo/02nyuushi/r3senbatu/R3nyuugakusyasennbatsuzissikekka.pdf

おわりに ~大学受験を見すえた高校受験を!~

Z会の教室には、小6や中学から教室に通い、難関国公立大学に現役合格した先輩が何人もいます。一方、国公立大学入試は5教科ですが、兵庫県の私立高校入試・公立推薦入試では3教科受験の学校も多く(大阪寄りの私立高校は5教科受験が中心です)、理科・社会の学習が手薄な受験生が目立ちます。Z会の教室は高校入試をゴールだとは考えていませんから、みなさんには、高校の入試制度にとらわれず、理科・社会も含めた5教科をバランスよく学習し、来たる大学受験を意識した、質の高い学習を続けてもらうことを切に願っています。

学習や志望校選びについて、何かお悩みがございましたら、どうぞお気軽に教室までお問合せください。

この記事の著者

杉本亮(すぎもと・りょう)

2017年入社。福岡生まれ、福岡育ち。長らく神戸三宮・京都・梅田で国語科講師、そして神戸三宮教室長として従事し、現在に至る。小学~大学院の各ステージで経験した様々な受験のノウハウを武器に、子ども達の目標の実現をお手伝いさせていただいています。お子様・保護者様に寄り添い、共に悩み、互いに成長できれば幸いです。ぜひお気軽にご相談ください!

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