執筆者:髙木茂之(Z会進学教室 南浦和教室/数学科)
記事更新日:2022年02月08日
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今から始める「算数」から「数学」への準備
小学生生活も残すところあと2ヵ月程となりました。4月になれば中学1年生。中学生になると「算数」が「数学」へと変わっていきます。ここでは、算数から数学に向けた準備の話をしようと思います。
算数と数学の違いって??
算数は、基本的な計算方法や図形の面積や体積の意味や求め方を学ぶ教科で、「答えを正しく求める」ことがとても重要な教科です。日常生活で求められる計算力が必要になる教科でもあります。
数学は数量や図形について「なぜそうなるのか」を考える教科で、「答えを求めるプロセス」がとても重要な教科です。ですので、算数と数学は同じような教科と思っている人が多いと思いますが、考え方が少し違うのです。この少しの違いで「算数」は好きだったのに「数学」は苦手という人が多くなるように感じます。ただ、数学の土台はやはり算数なので、今のうちにしっかりと算数をできるようにしておくことが大切です。
中学校入学前に身につけておきたい「算数」
では、中学入学前に今のうちに身につけておきたいことは何でしょうか。それは「計算力」、「問題を読み取る力」、「図形の理解」です。
1、計算力
算数と同様に数学でも計算問題がしっかりできることが重要になります。特に分数や小数まじりの計算をしっかり習得しておきたいところです。
計算でミスが多くなる→問題を解くのに時間がかかる→解き終わらないので点数が上がらない→数学が苦手になる。この負のスパイラルに陥らないように今のうちに計算力を上げておきましょう。
では、計算力を上げるにはどうするか。ノートにしっかりと途中式を書くことです。自分が計算途中のどこでミスをしてしまうのか、これがわからないと毎回間違えたら最初からやり直し、だから時間がかかる、という状態になっていってしまいます。見直す癖をつけるためにも途中式を残すことを意識しましょう。
2、問題を読み取る力
数学の文章題が苦手になってしまうのは、「問題を読み取る力」を十分に発揮できていないことが多くの原因であります。公式を丸暗記していたり、問題文にある数値だけでどうにかしようとしたりしても、解けるようにはなりません。問題文の言葉の中から必要な情報を正しく抽出する力が必要になります。速さや割合などで出てくる言葉の意味をしっかり把握しておきましょう。今のうちに文章を読んで式を組み立てられるように、組み立てた式が何を表す式なのかがわかるようにしておいてください。
3、図形の理解
図形について、基本的な知識は小学校で学びます。面積や体積の公式はしっかり把握してください。そして、公式を確実に使えるように練習してください。特に、円の面積や周の長さは小数の計算でミスが出てしまってはもったいないので、計算力と合わせてしっかり学習してほしいです。
数学でつまずかないために…
算数が苦手なので数学も苦手になってしまうかも…と考える人は多いと思います。しかし、最初にお話しした通り考え方が少し異なるので、数学を一つずつ丁寧に学習していくことでできる教科・わかる教科になるはずです。では、どんなことに気をつけながら学習すればいいか、それは「インプットよりアウトプット」と「公式や定義の理解」です。
1、インプットよりアウトプット
皆さんも自分が分かった問題を人に説明することでより理解が深まる、などの経験をしたことがあると思います。インプットすることも大切なのですが、アウトプットができるようにならないと、いざ問題に向き合ったときに「あれ?これどうするんだっけ??」とうまく思い出すことができない状態になってしまいます。実際にアウトプットすることで自分の頭を整理することでできることがどんどん増えていくと思います。
2、公式や定義の理解
数学を苦手にしてしまう人の一番多い勉強の仕方が「とにかく覚えなくては」とがむしゃらに公式を暗記して解き方を暗記していく、という学習法になってしまうケースが多いように感じます。ただ暗記するのではなく「その公式はどうして成り立つのか」を考えながら覚えていき、その公式を必要とする問題はどの問題かを考えながら実際に使っていく。図形の問題では、図形が成り立つための定義をしっかり理解しておかないと証明問題などで何を書いたらいいのかわからず鉛筆が動かない状態になってしまいます。公式や定義を理解することで問題にも取り組みやすくなるはずです。
最後に
この記事の著者
髙木茂之(たかぎ・しげゆき)
Z会進学教室 南浦和教室長 高校受験を目指す小学6年生~中学3年生の数学を担当。中学の時の数学の先生に教えることの楽しさを学ぶ。その時の気持ちを忘れず「わかる・できる・楽しい」をモットーに授業を展開している。