第33回 大学入試の基礎知識(中高6年間を過ごすにあたって) ~中学受験でうまくいかなかった君へ~

執筆者:木村透(Z会東大進学教室 池袋教室)
記事更新日:2022年02月11日

【連載】中学受験でうまくいかなかった君へ ~受験後も学びは続く~
 ②大学入試の基礎知識(中高6年間を過ごすにあたって)

こんにちは。Z会東大進学教室池袋教室の木村です。Z会東大進学教室では、中高一貫校の中学生・高校生の指導をしています。大学入試というと、小学6年生の皆様からみれば6年後の話であり、いまいち実感が湧かない方も多いのではないかと思います。ただし、大学入試概要と、入試ではどのような力が求められるのかをあらかじめ知っておくことで、中高6年間の過ごし方に活かすことができます。高校受験の方も含め、進路に関わらずぜひご覧ください。

入学時の成績と卒業時の成績は必ずしも一致しない

中学受験(受検)で第一志望に進学する方、それ以外の受験校に進学する方、公立中学に進学する方、さまざまな小学6年生がいると思いますが、中高6年間を過ごすにあたって「入学時の成績と卒業時の成績は必ずしも一致しない」という言葉があります。大学受験部として、さまざまな生徒さんをお預かりしていますが、中学受験(受検)で悔しい思いをしたけれども、その後、飛躍的に成長をとげた先輩もたくさんいます。受験(受検)当時の学力差も、学校生活が始まるとあっという間に逆転現象も起こっていくのです。

なぜこのようなことが起こるのか、まず大学入試の概要についてお話します。

大学入試概要 〜2つの試験〜

新入試、英語民間検定試験、記述式導入見送り、私大定員厳格化、新学習指導要領・・・などなど、ニュース・新聞等で入試に関わるいろいろな言葉を耳にして、いったい大学入試とは何なのかと混乱されている方もいるかと思います。

まずは、大学入試には大きく二つの試験があることを押さえておくとよいです。

センター試験(現:大学入学共通テスト)
→英・数・国・理・社、マークシート式、基本問題中心
→基本を見る試験
→2021年度より大学入学共通テストに変更

個別試験
→各大学ごとに実施、記述・論述式、応用問題中心
→専門性を見る試験

国公立大学であれば、最初に大学入学共通テストを受けてその後に個別試験を受験する2段階選抜になり、私立大学であれば、どちらかを選択して受験することになります。(私立の場合はそれ以外にもいろいろな試験形式があります)

大学入試共通テスト

2021年度入試から開始し、2025年度からは教科のフレームワークも含めて改革が進んでいきます。詳細はここでは割愛しますが、概要だけ紹介します。

2020年度以前に実施されていたセンター試験の問題は「短い時間で大量の問題を解く情報処理能力」が求められる試験でした。それに対して、共通テストでは思考力を問うものが多く、「資料を見て考える問題、身近な話題と関連付けて考える問題」が多く出題され、より実生活を意識した問題になっています。


【国語】
センター:長大で難解な問題文と、その解釈を問う択一式問題

共通テスト:複数の資料から必要な情報を取り出す力、多様な資料を読み解く問題

【数学】
センター:あらかじめ正解を出す過程が提示され、それに沿って計算・処理を行う

共通テスト:日常的な内容を題材とした問題や、会話文を読解する問題など、
・数学的な読解力→長い文章・会話を読み「何が問われているか」を理解する力
・知識の活用力→単に公式を覚えているのではなく「どのように使うか」を理解する力 が必要です。


このような問題に対応できるようになるために、「なぜ、そうなるのか」ということを常に考えて理解しながら学習するようにしてほしいと、Z会の教室では生徒の皆さんに伝えています。思考力はセンスではなく、「習慣」によって培われるものです。積み重ねの重要性は個別試験に臨むうえでも言えることです。

個別試験~入試科目・配点は大学からのメッセージ~

個別試験の試験科目・配点は大学によってさまざまです。

・東大(理系)
英語120点、数学120点、国語80点、理科120点(60点×2)
→試験科目が幅広く、配点も均等配点。苦手科目を作らないことが大切。

・東工大
英語150点、数学300点、理科300点
→理系科目が個別全体の80%(600/750)を占める。理系科目の得点力が重要。

・東京外国語大
英語300点・地歴100点
→個別試験全体の3/4が英語。英語の得点力が必須。

入試で求められる力

ここまで聞くと、「ん~、大学によって受験科目も配点も様々で、なんだか複雑そうだな」と思った方もいるでしょう。ただし、どの大学入試でも、本質的に求められる力は実は共通しています。

共通すること①「日々の積み重ねが命」
当たり前の話ではありますが、学習指導要領のカリキュラムに沿いながら、授業は進行していきます。特に、英語・数学は、積み重ねの科目であり(上記をみると、実際に入試科目として課している大学多いですよね!)、前の単元がわからないとその後の単元もわからなくなってしまいます。例えば、数学について見てみましょう。

中学数学→数学ⅠA→数学ⅡB→数学Ⅲの順で学習していきます。(新学習指導要領では数学Cも加わりますが、詳細はここでは割愛します。)中学数学が分からなければ、数学ⅠAは理解できません。その上も然りです。

今後の大学入試において、数学の力はますます重要になっていきます。早稲田大学政治経済学部でも共通テストで数学が必須となりました。新学習指導要領も今後開始していきますが、文系の人でも数学の負担がこれまで以上に大きくなると言われています。

数学の力を上げていくためには、日々の予習→授業→復習が全てです。

上記の学習サイクルを繰り返しながら、一つ一つの単元の理解を進めていくことにおいてのみ数学の得点力は上がっていきます。

最難関理系国公立大学に合格した、数学が得意な先輩の学習の様子を見ていても、問題集で間違えた問題を中心に、何度も何度も繰り返し復習し、粘り強く学習していました。そうした積み重ねが数学の力を引き上げていくのです。

共通すること②「分量多・内容高度」
例えば、日本史は教科書400ページ以上が試験範囲となります。中学受験や高校受験の歴史とは深さがまるで異なります。しかもこれは1科目分です。国公立大学では共通テストが5教科7科目(もしくは5教科8科目)課されます。英語・数学・国語・理科・地歴公民と多くの教科の学習が必要になります。

さらに、今の大学入試では、教科を超えた総合問題が出題されるケースも増加傾向にあり、バランスの良い学力がより求められるようになっています。


さていかがだったでしょう。ここまで聞くと、とてつもない分量・難度だと絶望した人もいるかもしれません…笑。

ただし、これは逆に言うと、学習を積み重ねた分だけ、成績向上につながるということでもあります。6年間の積み重ねがそのまま得点に直結するのです。その意味で、大学入試はきちんと勉強した人が報われる試験でもあります。

そして今日ご覧の皆様が中学受験(受検)を通じて得た学習習慣・経験は、必ずその先の中高6年間に活きていきます。結果はどうであれ、その先の過ごし方が最も重要であると言っても過言ではないと思います。

以上になりますが、今回のお話が皆様の今後の学習の一助となれば幸いです。春イベント「中学生の正しい学習法」でも詳しく説明する予定ですので、興味ある方は是非ご覧ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします

この記事の著者

木村透(きむら・とおる)

Z会東大進学教室にて、中学受験・大学受験の学習指導/進路指導に携わる。オンライン授業も担当。池袋教室副教室長、首都圏国私立中学受験コース運用統括。小学生~高校生、文系・理系問わず幅広く相談に乗ります!

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