第52回 中学受験をしない小6生は、この1年をどう過ごしたら良いのか~小学6年生のあなたへ~

執筆者:大堀信也(Z会進学教室 西大寺教室長)
記事更新日:2022年05月13日

中学受験をしない小6生は、この1年をどう過ごしたら良いのか~小学6年生のあなたへ~

こんにちは。Z会進学教室 西大寺教室の大堀です。今回は「中学受験をしない小6生は、この1年をどう過ごしたら良いのか」というテーマでお話をします。

 今回この記事では、【生活面】【学習面】の各項目ごとにクイズ形式で話を進めていきます。これから6年生になるという皆さんは、正しい答えを予想しながら読み進めていってください。既に6年生になって何か月か過ごしているという皆さんは、ご自身の生活面や学習面について正しい習慣がつけられているか、答え合わせのつもりで読み進めていってくださいね。

【生活面】

Q1.起床/就寝/身支度/持ち物管理などは…「親に管理してもらう」「自分でできるようにする」 どちらが適切?
Q2.普段から忘れ物の多い人が、つけるべき習慣は?
Q3.勉強は机に向かってするものが全て!つらくても我慢することが大事! …この考え方は正しい?

A1.起床/就寝/身支度/持ち物の管理など自分のことは自分でできるようにしよう!
起床時間と就寝時間はできるだけ同じになるよう、習慣をつけていきましょう。「休みの日は寝だめして疲労回復しよう」と考える人もいますが、これはお勧めしません。日によって寝る時間や起きる時間を変えてしまうと、学習習慣もつきづらくなってしまいます。次の日の起床時間から逆算して就寝すると良いですね。

A2.忘れ物をしない→前日までに準備する習慣をつけよう!
この記事を読んでいる6年生の(、またはこれから6年生になる)皆さんは、学校や習い事の準備を保護者の方に任せっきりにしていませんか?保護者の方も「うちの子はだらしないから、ついつい親が支度をしてあげてしまう」「忘れ物をしたので届けてあげた」といった状態になっていませんか?

自分のことは自分でできるようにしておかないと、中学に入ってからもっと大変になります。勉強道具や習い事の道具、学校からもらってくるプリント類の整理は今のうちにできるようにしましょう。忘れ物をしない習慣も大切です。準備物は当日慌てて準備するのではなく、前日までに準備する習慣をつけましょう。保護者の方がチェックしてあげるのが当たり前になっている場合は、今すぐ「自分で前もってチェックする」ように、変えていきましょう。

普段から忘れ物が多い人は、解答用紙にケアレスミスが目立ちます。ケアレスミスは単なる実力不足です。まずは何事も丁寧に、正確に。スピードを意識するのはその後です。

A3.学ぶことの楽しさを親子で共有しよう!
勉強は机に向かうことだけが全てではありません。好奇心・探究心を大切にしてほしいと思います。実験教室、英会話、家族旅行、スポーツ観戦…中学受験生にはできない経験を通して、学ぶチャンスはいくらでもあります。

勉強がつまらないもの、つらいものだという先入観を持たずに学びを楽しめることは、中学受験をしない6年生に与えられた特権です。疑問を持ったら、考える、調べる、親子で話をするといった、知的なものにアクセスしやすい環境づくりが大切です。

【学習面】

Q4.学習計画を立てた後、一番大切なことは?
Q5.宿題の丸付けは自分でやらず、保護者が全て管理すべきだ。○か×か?
Q6.テスト・宿題の解き直しはどうやるのが良い?

A4.学習計画を立てた後、一番大切なことは「継続すること」
学習計画を立てることが苦手だという人は、まずは学習記録を取ることから始めてみましょう。毎晩、学校以外の学習時間・内容を簡単で良いので記入してみてください。交換日記のようなノートを用いたり、エクセルで管理しても良いです。保護者の方は、それを毎日チェックして、できれば応援コメントを書いてあげてください。これを毎日しっかりと継続することが大切です。

※関西のZ会進学教室に通う本科生は「PDCAノート」を使って学習管理をしています。詳しくはお近くの教室までお尋ねください。

A5.宿題は丸付け、解き直しまで必ず行う。「自分で」やりましょう
6年生の皆さん、宿題の丸付けは自分でやるようにしましょう。丸付けというのは単に○×を付けるだけではないですよ。間違えた問いは正しい答えを確認し、解き直しまでしっかり行って力をつけていきましょう。このとき、保護者の方は手取り足取り丸付けをしてあげる必要はありません。「自分のことは自分でする」、そのための支援として、基本的には声掛けをしていただいたり、たまにチェックや丸付けを抜き打ちでしていただいても良いかと思います。

抜き打ちで丸付けを行う目的は、「自己採点の精度を高めること」です。いい加減で雑な丸付けになっていないかということだけではなく、例えば国語の記述問題では、一字一句合っていないといけないと思い込み、自分に対して厳しすぎる自己採点をしている小学生もいます。丸付け一つとってもピンからキリまで質があり、この質を高めることが重要なのです。もっとも、学年が上がれば上がるほど、この「自己採点」の質を高める指導は塾の先生にお任せいただくのが良いかと思います。

A6.解き直しのやり方を身につけよう
テストや宿題の後は必ず解き直しを行いましょう。やりっぱなしでは力がつきません。特に国語は回答の根拠、理由付けを考えることが大切です。国語こそ解き直しが大切な教科です。

解き直しのノートはこう作ろう!

ではその「解き直し」はどのように行うとよいでしょうか。Z会の教室では解き直し専用ノートを作成することをお勧めしています。以下に一例をご紹介しますので参考にしてみてください。

問題を記入する、または貼り付ける問題は、テスト中に解けなかった問題や、カンで書いてたまたま○だったという問題です。上図の左半分の青枠部分に、同じ問題をもう一度解いてみましょう。このとき、家で落ち着いて取り組んだら解けたという場合には、テストの経験値が少ないということかもしれませんので、試験慣れが必要ということになります。もう一度解いたけど×だったという場合は、右側の赤枠に、解説や説明を聞いて分かったことや、問題の周辺知識を記載しましょう。このとき、解答に付いている解説や式を丸写しするのはダメです。自分でわかったことだけを、自分の言葉で書くことが大切です。

※理社の図表問題や英語の長文問題などは、問題をコピーし貼り付けていく方が効率的ですが、算数(数学)の図形問題でコピー貼り付けは厳禁です。次回記事で詳しくお伝えしますが、図形問題は必ず自分の手で図を描くようにしてください。

次回予告

次回記事では国算理社の科目別に見た小学6年生が知っておくべき学習のポイントをお伝えします。次回もお楽しみに!


この記事の著者

大堀信也(おおほり・しんや)

奈良県生まれ、京都府南部育ち。関西圏のみならず、首都圏等での勤務を経て2020年西大寺教室開校と同時に教室長として勤務。学問の本質を追求しつつ、学ぶ楽しさを学んでほしいと思います。小手先のテクニックでは分かり得ない、本物の学力養成をお手伝いすべく、日々精進しております。ぜひ一度、Z会の教室にお越しください。

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