第53回 中学受験をしない小6生が知っておくべき科目別のポイント~小学6年生のあなたへ~

執筆者:大堀信也(Z会進学教室 西大寺教室長)
記事更新日:2022年05月19日

中学受験をしない小6生は、この1年をどう過ごしたら良いのか~小学6年生のあなたへ~

こんにちは。Z会進学教室 西大寺教室の大堀です。前回の記事では「中学受験をしない小6生は、この1年をどう過ごしたら良いのか」というテーマで【生活面】と【学習面】についてお話をしましたが、今回は算国英理社の科目別に、6年生が知っておくべき学習のポイントをお話しします。

 今回もクイズ形式で話を進めていきますので、これから6年生になるという皆さんは、正しい答えを予想しながら読み進めていってください。既に6年生になって何か月か過ごしているという皆さんは、ご自身の学習面について、答え合わせのつもりで読み進めていってくださいね。

【算数】

Q1.計算の○○○の書き方を学ぶことが大切
Q2.図形やグラフは○○○○でノートに記載することが大切
Q3.文章題は一気にすべての問題文を読まず、○に置き換えることが大切

A1.計算の途中式の書き方を学ぶことが大切
計算ミスが減らない、どうしたら直るのか?というご相談をよくいただくのですが、実は計算ミスをなくす秘訣は小学6年生にあります。途中式の書き方をしっかり学んでいきましょう。よく「=(イコール)」を右側にずらずらと書き連ねる人がいますが、「=」は縦にそろえましょう。使わない部分も全て消さずに残していきます。そして、筆算はバラバラに書いてはいけません。「ノートづくり」という意識で、筆算は決まった場所に書くようにしてください。そして、小数から分数への扱いもポイントです。小学生のうちは小数で計算する機会が多いですが、中学生になると分数で計算する機会が増えます。小数を分数に直す計算習慣も今のうちにつけていきましょう。

A2.図形やグラフは自分の手でノートに記載することが大切
図形問題を解く際に、皆さんはテキストに直接書き込んで解こうとしていませんか?この習慣は今のうちに改めましょう。図形やグラフを上手に「手で」描く練習も、勉強の一部です。このとき大切なのは、定規やコンパスを使ってきれいに描こうとしないことです。フリーハンドで直線や円が描けるように、今のうちから練習していきましょう。中学生になって、よく「図形のセンスがあるから解ける/センスないから解けない」と言われますが、これは正確には「センスの有り無し」なのではなく、小学生のうちに図形を自分で描く練習をしていたかどうかなのです。また昨今の高校入試の問題では、図形問題で問題用紙に図が描かれておらず、自分でイメージしないといけない問題も多く出題されます。テストの際、その場でパッとフリーハンドで描けるように、日頃から訓練していきましょう。

A3.文章題は一気にすべての問題文を読まず、図に置き換えることが大切
文章題には様々な問題のタイプがありますが、一気に全ての問題文を読むのではなく、基本的には読みながら図に置き換えていくことをお勧めします。算数(数学)は視覚化が大切な学問です。図というのは、線分図やビーカー、表など、頭の中を整理するためのものです。自分で描いた図を見て状況を整理し、立式していくことが、応用問題を解く際の秘訣です。

【国語】

Q4.学校の国語と受験の国語はどこが違う?
Q5.小学生のうちに○○と○○○を養うことが大切!
Q6.とにかく○○ことが大切!

A4.学校の国語と受験の国語との違いを理解しよう。
学校で学習する文章読解は「精読」が中心です。長い文章をじっくりていねいに読むことで読解力を身につけることができます。一方、受験国語で必要な力は「速読」です。入試では初めて見る文章を制限時間内に素早く、大意をつかみながら読むことが求められます。両者はマラソンと短距離走くらい違います。だからこそ、国語には受験用の学習が必要です。

国語は急に成績を伸ばすことが難しい教科と言われますが、継続することで必ず力を付けられます。Z会進学教室に通う人は授業の課題で、あるいはZ会の通信などの教材を利用して読解問を解いていきましょう。

A5.小学生のうちに教養と語彙力を養うことが大切!
国語の成績が安定しない生徒ほど、語彙力(ごいりょく)=言い換えると「知識」が足りない傾向にあります。好きなことや興味のあることがあれば、それに関する本をたくさん読みましょう。本が好きになれば、今まで興味がなかったこともどんどん知りたくなるはずです。物知りなのってかっこいいですよね!

では、知識を増やすといったときに今お伝えした「本を読む」以外には具体的に何をしたら良いのか。まずは漢字、熟語、ことわざ、慣用句、故事成語、四字熟語などをたくさん覚えましょう。関西のZ会進学教室では、中学受験をしない小6生のコースを開講していますが、こちらの国語の授業では中学受験用の漢字ドリルを使って語彙力をつけてもらいます。知っている言葉の総数を増やすことは、読解力をつけるための基礎トレーニングです。

A6.とにかく書くことが大切!
国語の学習で一番大切なことは「書くこと」です。漢字などを覚える際には、とにかく手を動かして、手に覚え込ませることが重要です。授業中にノートをとることも手を動かす訓練の一部です。鉛筆を握ってこなかった人ほど「手が遅い」のです。

タブレットで動画を見て勉強した「気」になっている人は要注意です!眺めるだけになっていませんか?映像授業で学習する際には、動画を1回1回止めて自分の手でノートに書き写すことを意識してください。

さらに、国語の学習では文章や問題文の「読み方」を知ることも大切です。説明文と物語文の違いを理解し、文章に応じた「読み方」を身につけましょう。問題文には、学校ではなかなか習わない暗黙のルールがあります。これは、「読み方を聞いてなるほどと思う」ものではなく、実際に塾の授業で先生から教わり、実際に自分で問題を解くことで初めて理解できることだと思います。

【英語】

Q7.小学生だからこそ○○○強化!
Q8.○○から逃げないことが大切!

A7.小学生だからこそ単語力強化!
中学入学後、勉強で困ることランキングがあるとすれば、1位は確実に「英単語の暗記」だと思います。多くの人が中1になって一番困ることが英単語を覚えることで、アルファベットを文字として認識するまでに時間がかかります。

たくさんの先輩たちがそうした苦労の道を通っていることを考えれば、中学生に比べて時間のある小学生の皆さんが今、単語力を強化しない理由はありません!知識は多く持った者勝ちというところがありますから、小学6年生のうちに早めにたくさん覚えていきましょう。

A8.文法から逃げないことが大切
英会話スクールなどに通っている人で「会話はできるけど文法はよくわかっていない」という人がよくいます。高校受験において、英語を感覚で解くことは、日本で普通に生活している限りほぼ不可能です。文法というルールを定着させないと英語は使えるようになりません。

では、まず何から覚えていけば良いのか。6年生のうちには動詞(be動詞と一般動詞)のルールを定着させていくと良いでしょう。

【理社】

【理科】Q9.身近な植物・昆虫・魚の○○を見ておく
Q10.○○○だけで満足しない

【社会】Q11.農林水産業、工業は○○と関連付けて理解する!
Q12.各時代の○○○○を意識する!

A9.身近な植物・昆虫・魚の図鑑を見ておく
身近な植物、昆虫、魚などの生き物については、小学生のうちに興味を持って覚えられると良いですが、単に名称・言葉だけを丸暗記するのではなく、図で覚えていくことが重要です。そこで、図鑑をよく見て細部まで知識を入れたり、疑問を持ったら調べたりすると良いでしょう。スケッチも立派な勉強です。中学生になるとこうした時間を取ることが難しくなりますので、小学生のうちにぜひやってみてください。

A10.教科書だけで満足しない
中学受験生は学校の教科書以上のことを学んでいます。中学受験をしない皆さんは、教科書の深堀りを意識し、疑問を持つ習慣をつけましょう。疑問を持ったら、その疑問点を人に聞いたり、調べたりすることが重要です。教科書内容は細い字やコラム内容までしっかり読み込んでおきましょう。

A11.農林水産業、工業は地形と関連付けて理解する!
地理の学習について、小学校では日本地理が中心となります。各項目の重要事項を覚えることが大切ですが、その際に地形条件を関連付けて理解し、記憶すると良いです。家族で出かけた際にはその地域の特産物に注目しましょう。

A12.各時代のつながりを意識する!
歴史の学習においては、各時代の「始まりから終わりまで」と、各時代のつながりを意識することが大切です。その際、年代を覚えておくと便利です。理科と同様に、中学受験生は学校の教科書以上のことを学んでいます。中学受験をしない皆さんは、教科書の深堀りを意識し、疑問を持つ習慣をつけましょう。

社会については、分野ごとの関連性が他の教科に比べて低いので、ある特定の分野がわからなかったとしても、今はまだあまり気にせず、先に進むと良いでしょう。

最後に

あなたの「好きな科目」は何ですか? …とよく聞かれることがあると思いますが、勉強に対して「好き」、「嫌い」を意識すること、特に「嫌い」を意識することはデメリットもあると思います。勉強すること自体は決まっているので、むしろ面白がる気持ちを持って、楽しむことを心がけてみてください。

「覚えることが苦手」という場合には、口に出す、聴く、何度も見る、書く、など体の器官を駆使してみてください。

正しい学習の仕方を小学生のうちに身につけることが大切です。ここまでご説明した「正しい学習習慣・姿勢」はほんの一例にすぎません。この他にもたくさんありますので、興味を持った皆さんは是非Z会の教室にお越しください。一緒に楽しく勉強していきましょう!


この記事の著者

大堀信也(おおほり・しんや)

奈良県生まれ、京都府南部育ち。関西圏のみならず、首都圏等での勤務を経て2020年西大寺教室開校と同時に教室長として勤務。学問の本質を追求しつつ、学ぶ楽しさを学んでほしいと思います。小手先のテクニックでは分かり得ない、本物の学力養成をお手伝いすべく、日々精進しております。ぜひ一度、Z会の教室にお越しください。

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