Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。
Z会国語担当者からのメッセージ
京大文系国語では、さまざまな時代・ジャンルの文章を読み取り、広い解答欄に自分なりの言葉でわかりやすく解答をまとめることが要求されます。文学的要素の濃い、昭和初期以前の文章や、古文では和歌を多く含む文章も出題され、重厚感のある出題となっています。
Z会の東大京大プレミアプランでは、京大国語に対応したジャンル・出題形式で問題演習の経験を数多く積み、作成した答案について、プロの添削者の目線からフィードバックを受けることで、盤石の実力を養成できます。
今年度の入試を概観しよう
分量・難易度
(昨年度比)
- 分量:変化なし
- 難易度:変化なし
出題・解答の形式
- 現代文・現代文・古文の3題の出題。〔一〕の現代文のみ文理共通の文章からの出題(理系は1問設問数が少ない)。
- すべて記述式。解答欄は1行14センチで、2行~5行程度の設問が大問1題につき4~5問出題される。解答時間に対する記述量はかなり多めである。
2026年度入試の特記事項
- すべて標準的な難度の大問で構成され、全体の負担感は2025年度同様だった。
- 現代文は、終戦直後の随筆と明治時代の随筆(歴史的仮名遣い)の組み合わせ。いかにも京大文系らしい、時代的にも文体的にもなじみの薄いもので、問題文の読み取りに関しては2025年度より手ごたえがあったと思われる。
- 極端に難度の高い設問もなく、分量も標準的であるため、一つ一つの設問での細かな取りこぼしが合否を分けかねない。設問要求と解答欄の大きさに応じた解答要素の見極めが非常に重要である。
合否の分かれ目はここだ!
- どの大問も、大きな解答欄にどこまで解答要素を盛り込むかといった京大特有の難しさはあるが、慌てる必要はない。落ち着いて得点できるところを確実に押さえ、トータルで合格点を確保するという意識を持つことが重要である。
- 第一問の問二・問五と、第二問の問一は、特に解答要素の選定に注意が必要。それぞれの問で何を問われているかをふまえ、論と具体例を切り分けて必要な要素を見極め、取りこぼしのないようにまとめることが重要だ。第三問はオーソドックスな出題で、基本がしっかり押さえられていれば迷うところは少ないだろう。それだけに、問一Aの「誰の」の部分の理解など、わずかなミスが合否の分かれ目になりやすいので注意が必要だ。
さらに詳しく見てみよう
大問別のポイント
昭和前期~中期に活躍した作家坂口安吾が、「恋愛」を題材として日本語について論じた随筆。言いたいことを直言せず読者の理解に委ねる表現も目立つ文章で、いざ設問に答えようとすると難しく感じたかもしれない。
・問一は、何に「苦労」したのかを明確にしてまとめる。
・問二は、「これ」の指示内容と、傍線部の言葉に込められた意味をふまえてまとめるのが基本だが、修辞的表現が多いため、自分の言葉でどうまとめ直すかの力量が問われる。
・問三は、「すなわち」以下で述べられた内容が手がかり。「あべこべ」という表現のニュアンスが生かせるとよい。
・問四は具体性を欠く傍線部で、難しく感じた人もいるかもしれない。類似表現等を手がかりとして「ほんとうすぎる」とはどういうことかをつかみ、筆者がそれをきらうのはなぜかを、文中の表現を手がかりにしてとらえたい。
・問五は、主として傍線部以降末尾までの内容を踏まえてまとめることになるが、何をどのようにまとめるかの見極めが難しい。傍線部に至るまでで筆者が否定してきたこと、主張してきたことも踏まえて、解答要素を絞り込む。
明治・大正・昭和にかけて活躍した俳人高浜虚子が、明治時代に発表した随筆。用語も文体も扱う題材もなじみの薄いものなので、日頃いかにさまざまな文章に触れてきたかで、問題文の読み取り精度に差がついただろう。
・問一は、「『夕顔』に即して」という条件がカギ。「夕顔」についての叙述は複数あるが、そのうちのどの内容が傍線部にリンクするかを考えてまとめる。問三も、「『春雨』を例にして」という条件がカギ。文中の春雨についての叙述を自分なりにまとめ、傍線部の比喩表現の意味内容を具体的に補強できるような形で説明したい。
・問二は、「これ」「その弊」の指示内容を明らかにしてまとめる。
・問四は、「玉」「石」の示すものを文脈に即してまとめる。
・問五は、「その一半の功」「一境地開拓」「一握りの土」といった傍線部の語句の意味を、文脈に即して明らかにする。
近世の擬古物語からの出題。今年度も和歌の解釈が問われた。
・問一は、(A)の「誰の」の解釈がカギ。傍線部までの間に、「式部卿のみこ」について「くちをしき」と思うような人物は登場していないので、登場人物ではない誰かであろう、と判断できたかがポイント。
・問二・問三の現代語訳は、傍線部自体は難しいものではない。一語一語丁寧に訳出し、問二なら主語や「名にしおふ」「もよほされ」の意味内容、問三なら「背く」「行ひ」などの意味内容をいかに丁寧に補えたかがカギとなるだろう。
・問四は、京大の定番、和歌に関する問。まず和歌を解釈したうえで、そこにこめられた気持ちを、前後の文脈を踏まえてまとめる。
攻略のためのアドバイス
京大文系国語の要求
要求① 基本的な語彙力
文学的・抽象的な表現を含む文章からの出題が多い京大国語では、読解力・記述力ともに高いレベルが要求される。その水準に達するためには、基本語彙の意味を正確に把握し、記述する際にも適切な語を選ぶことができる語彙の運用力が必要不可欠。Z会の書籍『現代文 キーワード読解』『速読古文単語』などを活用して、語彙力の基礎を固めよう。
要求② 幅広いジャンルに対応できる読解力
京大国語では、普段受験生が読み慣れないであろうさまざまなジャンルの文章から出題されるため、京大で出題されそうな文章の読解経験の量がものをいう。問題文中に直接的に表現されていなくとも、文中の表現のニュアンスを汲み取り、筆者の主張や心情を正確に読み取る力が必要である。
要求③ 大意をまとめなおす記述力
京大国語の設問は、すべてが記述式問題であり、求められる記述の分量もかなり多い。解答に必要な要素を見極める力と、必要な要素を正確に伝わる形で解答にまとめなおす力が求められる。問題文中の記述の寄せ集めではなく、適宜自分の言葉で言い換えたりふくらませたりすることができる確かな記述力が必要である。
京大文系国語 攻略のために
読解力の練成
まずは、土台となる要求①②を満たすことを目指そう。Z会の通信教育の「東大京大プレミアプラン」では、毎月さまざまなジャンルの問題文を通じて、京大入試に対応した読解・演習の経験を積むことができる。語彙・文法事項といった知識事項の抜け漏れをつぶしていくと同時に、記述演習にも取り組むことで、第三者に伝わる解答の作成法を身につけよう。
記述解答のブラッシュアップ
その後は、さらに要求②③を磨いていこう。受験学年の9月以降の「東大京大プレミアプラン」では、京大対応のオリジナル問題を出題する。第三者の客観的な視点からの添削指導を受けて、自分の解答に足りない要素やまとめ方のコツを把握し、解答の質を高めていこう。
京大レベルの演習
入試直前期には、本番前の最終調整として過去問や予想問題を活用しながら、より本番に近い形での演習をするとよい。読解量・記述量ともに負担が重い京大国語に対応するために、制限時間内でうまく解答をまとめることを意識して問題演習を行おう。
Z会でできる京大対策・ご案内
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