Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。
Z会地理担当者からのメッセージ
2026年度の京大地理も、頻出のテーマ・形式での出題となりました。字数の少ない論述問題や単答問題が多数出題されたものの、基礎的な内容が多いため、平易な問題でミスをせず、着実に得点を重ねることが点差を分けるポイントとなりました。また、大問Ⅴの地形図の読図問題は、京大地理の定番といえます。様々な地形図に触れ、読図の練習を積んでいれば、難なく解答できたでしょう。これらの問題に対応するためには、早めに高校地理の学習内容を押さえ、過去問を初めとする様々な演習問題に取り組む必要があります。
Z会の通信教育「東大京大プレミアプラン」では、京大地理攻略に役立つよう、図表の読み取りをもとにした論述問題や、基礎知識を確認する単答問題など、様々な形式の問題を、幅広い分野から多数出題しています。京大をめざすみなさん、Z会と一緒に頑張っていきましょう!
今年度の入試を概観しよう
分量・難易度
(昨年度比)
- 分量:変化なし
- 難易度:やや易化
出題・解答の形式
- 論述問題を中心に、単答問題(選択問題を含む)も多く出題される。
- 2019年度以降は大問5題構成が定着している。
2026年度入試の特記事項
- 地形図の読図問題は毎年出題されており、2023年度以降は、大問〔Ⅴ〕での出題となっている。
- 解答数は空欄補充を含む単答問題が28で、2025年度の30から減少した。
- 論述問題は字数指定がある問題が13で、2025年度の15より2減少した。最大字数は50字で、総字数は490字となり2025年度の500字からやや減少した。字数指定のない論述問題は9であり、2025年度より3増加した。想定字数は10字~40字程度である。
合否の分かれ目はここだ!
- 全体的に取り組みやすい問題が多く、十分に対策を行った受験生であれば解答できる論述問題が大半であったため、確実に得点を重ねたい。また、単答問題での失点は絶対に避けたい。問題数が多いので、問題全体を見渡し、解答しやすそうな問題から取り組むなど、時間配分を考えながら効率的に解答できたかどうかが合否を分けたと思われる。
さらに詳しく見てみよう
大問別のポイント
東南アジアで見られる特徴的な農業について問われた。基礎的な内容であり、取り組みやすい。
(3)緑の革命に関する基本的な問題である。確実に答えたい。
(4)①は、焼畑という農法について、方法だけでなく仕組みまで理解できていないと解答しづらい。
(6)油やし農園への栽培転換は頻出事項であるが、②で問われた油やし事業におけるアグリビジネスの役割は、書くべきポイントを捉えづらい。
地図上の各地点と雨温図を結びつけつつ、衣服を切り口に気候の特徴などが問われた。単答問題は完答をめざしたい。
(1)選択肢の雨温図はどれも特徴が明確なので、確実に解答したい。
(3)霧がよく発生する季節や、発生要因についての説明はなじみがなく難しい。この地域には西岸海洋性気候が卓越することから、その成因をもとに考えたい。
(5)②は、短草草原が広がる乾燥地域で、遊牧がどのように行われているのかを説明したい。
2011年の東北地方太平洋沖地震で津波被害の大きかった仙台市周辺のハザードマップをもとに、自然災害や防災について問われた。
(1)短時間で到達するという津波の特徴を想起し、これに対する適切な避難行動について考えたい。
(2)①②では津波への備えとして、ハード面とソフト面における取り組み例が問われたが、いずれも防災に関する常識の範囲で解答できる。③の地図記号「自然災害伝承碑」がもつ防災上のメリットを30字以内でまとめるのはやや難しい。
(4)②の都市型水害の発生理由は基本事項であり、解答しやすいので確実にまとめたい。
各国の自動車の普及状況を示した表とリード文をもとに、交通・通信に関して様々な角度から問われた。
(1)①②は、乗用車の普及状況から該当する国を判定する。日本の数値を基準にして、国土の広さ、人口、経済の発展状況などをもとに判断したい。
(2)の「ロードプライシング」、(4)①の「モーダルシフト」は、教科書レベルの重要用語である。確実に解答したい。
(5)②中京圏でテレワーカーの割合が低い理由が問われた。中京圏では自動車関連業を中心とする製造業が集積することにも着目したい。
石狩川河口の地勢図から切り出した3地域の地形図の読図が問われた。論述問題を中心とした出題であるが、基本的な地形名を問う単答問題なども含まれ、取り組みやすい大問といえる。
(2)地形図から読み取れることを挙げることで、おのずと解答につながるシンプルな問題である。
(3)冷涼な気候が、サーバーにとってどう有利なのかを考えたい。
(6)タウンシップ制を規範とした農地区画に関して、道路の形態と名称の特徴が問われた。道路に数字が付されていることも読み取りたい。
攻略のためのアドバイス
京大地理の要求
要求① 幅広い分野についての知識力
京大地理は、自然(地形図の読図を含む)、産業、社会(都市・人口・民族など)、地誌などといった幅広い分野から出題される。細かい知識が問われることは少ないが、高校地理の全分野にわたって基本的な知識を押さえておく必要がある。また、基本用語は、40字程度で簡潔に説明できることが望ましい。
要求② 正確な資料読解力
京大地理では、多数の資料が提示される。資料の判読を行い、その判定結果をもとに論述するという出題構成が見られるので、資料判読を誤ると大量失点につながりかねない。例年、出題されている資料の中には読み取りが難しいものも見られるため、正確な資料読解力が求められる。
要求③ 簡潔に論述する表現力
論述問題の1問当たりの指定字数は40字前後のものが最も多いが、いざ書いてみると、字数の調整が難しい。また、2015年度から出題されている字数指定なしの論述問題に取り組む場合にも、解答欄に合わせて適切な分量を見極める必要がある(解答欄の大きさから20~60字程度)。様々な角度から解答できるよう、基礎的な知識と簡潔にまとめる表現力が必要である。
京大地理 攻略のために
基礎力の完成
まずは、要求①を満たすことをめざそう。授業での教科書学習を中心にして幅広い知識を正確に獲得することに努めよう。高校3年生の夏までに、各分野の基本事項を理解しながら学習を進めていこう。基礎知識で対応できる問題も出題されるので、基礎固めを疎かにせず、知識を確実に自分のものにしておきたい。また、要求②を満たすためにも、日頃の学習では、資料集・統計集・地図帳などをこまめに確認することを心掛けよう。
論述力の養成
習得した基礎知識を使いこなしながら、京大型の論述問題に対応できるようになろう。Z会の通信教育「東大京大プレミアプラン」では、受験生の夏までの間にも取り組めるよう、論述問題を段階的に出題している。また、資料問題も数多く出題しているため、京大地理攻略の大きなポイントでもある資料読解力も磨くことができる。
実戦演習
制限時間を意識して、素早く正確に資料判読を行うとともに、短い指定字数の中で、的確に論述をまとめられるようになろう。Z会の通信教育「東大京大プレミアプラン」では、京大地理にも対応できる、資料の判読を行い、その判定結果をもとに論述するという構成の問題も出題しているので、自分の得意不得意、問題の難易度を意識し、時間内で得点を最大化できるよう取り組み方を身につけてほしい。
Z会でできる京大対策・ご案内
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