2026年度「京大英語」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会英語担当者からのメッセージ

京大英語では、文法・語法の正確な運用力はもちろんのこと、限られた時間の中で正確に文脈をおさえる読解力と、相手に正しく伝わるように自分の知っている言葉で論理的に表現する力が求められています。
Z会の京大講座は毎月様々な設問形式を含んでおり、長文読解と英作文双方の演習ができるように設計されています。質の高い問題で実戦的な演習を積み、自分の解答に添った添削指導を受けることで、第三者に伝わる確かな表現力を身につけることができます。Z会での学習を通して表現力が求められる京大入試でも確実に得点できるようにし、京大合格を勝ち取りましょう!


今年度の入試を概観しよう

分量・難易度

(昨年度比)

  • 分量:やや増加
  • 難易度:変化なし

出題・解答の形式

  • 長文読解問題、和文英訳、自由英作文が出題される。
  • 長文読解問題で短答式の問題が出題されることもあるが、基本的にはすべて記述式。

2026年度入試の特記事項

  • 長文読解題2題、和文英訳、自由英作文の4題構成という2025年度と同様の構成。
  • 長文読解はⅠ、Ⅱとも和訳問題2題、内容説明問題1題という構成。ここ2、3年は和訳のみの出題の比重が高かったが、やや総合問題的な傾向が強まった形。Ⅱの長文読解では、「内容を補足しつつ」という指示のある和訳問題が出題された。
  • 自由英作文は、与えられたテーマについて自分の考えを説明するという形式。設問指示が英語となっているが、英文の展開の仕方に関する指示が付されているのは2025年度と同様。

合否の分かれ目はここだ!

  • Ⅰ、Ⅱの長文読解問題は、ところどころに難しい表現が含まれているものの、論旨は一貫しており、英文の主旨は理解しやすかったと思われる。和訳問題はいずれも文構造がとりにくい箇所や難解な語句は少ないので、取りこぼしのないよう正確に訳出する必要があった。内容説明問題は下線部の意味するところはつかみやすいが、具体的に説明する際、どの内容まで含めるかを適切に判断し、採点者に伝わりやすい日本語にまとめることが鍵となった。
  • Ⅲの和文英訳では、日本文の言い回しを既知の構文に適切に当てはめて適切に表現できたかどうかがポイントになった。
  • Ⅳの自由英作文では、与えられた条件に沿って80〜100語の英文を論理的に組み立てる高度な表現力が求められた。

さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

大問Ⅰ:長文読解(大気生物学の歴史と転換)[標準]

・論説「大気生物学の歴史と転換」についての約730語の英文。

・和訳問題2題と内容説明問題1題の構成。

・(1)は、1文目の get refocused をまずは正しく訳すことが重要。長きに渡り停滞していた大気生物学という学問が、21世紀初頭に再び注目される段階に達したというわけである。後の文中に複数の比較級の形容詞が含まれるが、状況の変化を表すため、漏れなく訳出すること。

・(2)は、遺伝子解析による大気生物学の分析精度向上について説明した文。microbes という単語は見慣れないと思われるが、接頭辞の micro- や顕微鏡で観察されていたという記述から意味を推測したい。most new to science はコンマの前の内容の補足となっており、most of which were new to science を表す。第3文の their genes の their は前文の the vast majority of species を指す。testify to 〜 は「 〜を証明する」の意。以前は莫大な数の生物種が未知の領域のままであったが、遺伝子解析の発達により、存在が証明されたということ。

・(3)では、まずは a zoo という比喩の意味する内容を押さえる。「観察対象となる多数の生物が存在する場所」といった意味合いで捉えるとよい。下線部の前の部分で大気から取得できる生物種や遺伝子情報の豊かさが具体的に示されているので、この内容をまとめる。

大問Ⅱ:長文読解(古代メソポタミア文明から学ぶ知識の記録方法) [標準]

・論説「古代メソポタミア文明から学ぶ知識の記録方法」についての約580語の英文。和訳問題2題、内容説明問題1題という構成。

・(1) just as 〜, so … の構文で、メソポタミアの人々が成したことを、メソポタミアの神々が成したことになぞらえて述べている。messages to be recorded(解読されるべきメッセージ)の部分がやや訳しにくいかもしれないが、全体としては難解な箇所はない。

・(2) 下線部の意味をパラグラフの内容に即して説明する問題。下線部の to do so は前文の to assume 以下を指す。fallacy(誤った考え)の意味はすぐに思いつかなかったかもしれないが、 前の部分の内容と But で結ばれていることから、前文の仮定を否定する意味合いであることは推測できるだろう。さらに、なぜ誤った考えなのかを、下線部の後に続く内容を根拠として挙げながら説明する。

・(3) We have come full circle は単語の意味からイメージされる通り「(円を描いて)元に戻る」ということ。returning to them の them は clay tablets を指している。下線部の前の部分に現代のオーストリアのプロジェクトでは microfilm tablets made of ceramic が用いられているという記述があり、経年劣化に耐え得る無機素材の記録媒体による保存に回帰したということ。第2文はコロンの後の that 節が This の指すものであり、one of the most fundamental lessons の具体的な内容になっている。that 節内では matters と can have 〜 が and で結ばれていることに注意。

大問Ⅲ:和文英訳 [標準]

・「人生の岐路に立った時の選択」に関する和文英訳問題で、京大の定番の出題形式であった。

・「実りをもたらす」「腹をくくる」といった日本語特有の訳しにくい表現を、その意味するところを伝えることができ、英語で表現しやすい別の表現に言い換える工夫が必要であった。「実りをもたらす」は、文字通り fruitful を用いて「その道が実りの多い結果に導いてくれる」のように表現する他、meaningful を用いて「その道が意味のあるものになる」のように表すこともできる。「腹をくくる」は「覚悟を決める」「(〜を受け入れる)決心をする」などと考えるとよいだろう。

大問Ⅳ:自由英作文[標準]

・「世界をより暮らしやすい場所にするためにできること」を1つ考え、自身の主張を説明する英文を書くという英作文。

・英文の書き方の条件として main argument(主張)の要約から始め、supporting points (主張を支持するポイント)を続け、最終文で結論を述べる、という指示が与えられているが、一般的な英作文の書き方に沿ったものであり、混乱することはなかっただろう。

・「世界をより暮らしやすい場所にする」というテーマでは、非常に幅広い内容が考えられるので、何を書くか迷ってしまうかもしれないが、主張を支持する内容を説得力のあるものにするためには、自身に関わりのある身近な内容にするのが無難だろう。筋の通った内容を組み立てられるか、自分の手持ちの語彙で表現できるか、という観点で主張の内容を絞り、読み手に伝わりやすい英文を仕上げることが大切。

攻略のためのアドバイス

京大英語の要求

要求① 単語力、文法・構文力

京大入試においては、まず相応の「単語力」が前提となる。純粋な語彙の量だけでなく、複数の語義やイディオムなど、1つ1つの語彙に対する深い理解が求められ、日々の英語学習の中で意識的に身に付けていく必要がある。そのためには必ず単語集による学習を行い、日本語と英語のどちらからでも適訳を思い浮かべられるようにしよう。「文法・構文力」も同様に必須である。これも自分に合った問題集・参考書を見つけ、早めに苦手分野をなくしておくこと。また、知識の定着だけでなく、実際に読解問題に取り組む中で構文を見抜く練習や英作文に組み込む練習も並行して行いたい。

要求② 精読力

まずは、1文ずつ英文の文構造を把握しながら正確に読む「精読力」の養成から始めよう。難関大の入試を見据えた長文読解の問題集・参考書に取り組むことが望ましい。しばらくは時間がかかっても構わないので、問題に取り組んだ後に解答を確認するだけではなく、英文中でよく理解できなかった語句・表現は辞書を引いて意味や用法をきちんと確認するようにしよう。

要求③ 表現力

近年の京大入試は出題傾向の変化が大きいが、日本語・英語両方における的確な表現力が求められることは一貫している。京大の長文読解に対応するには、文脈をふまえて正確に和訳する力と、設問の解答となる該当箇所を見つけ、適切な長さでまとめる力の両方が必要だ。和文英訳では定番の出題が続いており、日本語の難しい表現を英訳しやすい形に読み換えた上で英語に変換する練習を重ねることが大切である。自由英作文は、どのような形式が出題されても、与えられた条件・状況を把握し、自分の意見や考え、その裏にある理由や意図が相手に確実に伝わるように的確に書く訓練をしておく必要がある。

京大英語 攻略のために

基礎力の完成

要求①の基礎的な部分を満たすことを目指そう。単語にしろ、文法・構文にしろ、覚えては忘れ、忘れては覚えていく地道な努力が不可欠である。また辞書を引きながら長文読解問題や英作文問題に取り組み、精読力と文法・構文を実戦で活用する力を同時に高めていこう。

レベルUP

制限時間内での解答を意識しつつ京大レベルの問題に取り組もう。読解問題では、わからない単語が出てきてもすぐに辞書で確認することはせずに、英文全体の論理展開から意味を推測する練習にも取り組むとよい。和文英訳については、日本語独特の表現を含む問題に取り組み、意味内容を大きく変えることなく英訳しやすい日本語に読み換える練習を重ねよう。自由英作文は出題変化があっても対応できるよう、さまざまな形式・語数の問題演習を積んでおきたい。

京大レベルの演習と精度の向上

最後に、京大レベルの演習に精力的に取り組み、第三者の添削を受けるようにしよう。自分が意図したことが相手に伝わらないと得点にはつながらないので、常に第三者の視点を意識することが大切である。

Z会でできる京大対策・ご案内





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