2026年度「京大日本史」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会日本史担当者からのメッセージ

2026年度も、試験時間90分で単答70問+200字論述2問という京大日本史の例年通りの出題でした。2026年度のⅠでは例年通り史料問題が出題されましたが、史料の読み込みが必要な問題はありませんでした。また、Ⅲでは史料画像・表を提示した問題が出題されましたが、こちらも深い読み取りが必要な問題はありませんでした。Ⅰ〜Ⅲは標準的なレベルの知識問題が中心ですので、いずれも時間をかけすぎずに解答することを意識しましょう。

京大の特徴である“全時代・全分野”からの出題に対応するため、教科書の脚注レベルも含めて、知識の抜け漏れがないようにしておきましょう。文化史も抜かりなく、「正しく書ける」ところまで仕上げておくことがマストです。

2026年度の論述問題は教科書で触れる機会があるテーマでしたが、留意点に対応した解答要素の取捨選択や、論理構成に苦戦したのではないかと思います。京大日本史の論述問題では、端的な問題文の題意に即して必要な要素を取捨選択する必要があります。必要な要素を漏らさず盛り込んだ解答を作れるよう、テーマに沿って要素を書き出し、200字で文章にまとめる、という練習を積んでおきましょう。

京大で求められる幅広い知識、史料問題への対応力、題意に即した解答をまとめる論述力を伸ばすためには、十分な問題演習が必要です。Z会の「東大京大プレミアプラン」で、バランスよく知識、史料、論述の対策を行いましょう。論述対策では、自分の解答が設問の意図に沿ったものになっているか、要素に過不足はないかなどをZ会の丁寧な添削指導を通して確認し、論述力を伸ばしていきましょう。


今年度の入試を概観しよう

分量・難易度

(昨年度比)

  • 分量:変化なし
  • 難易度:変化なし

出題・解答の形式

  • 出題構成は、大問4題構成で、〔Ⅰ〕が史料問題、〔Ⅱ〕が幅広い時代の空欄補充型の雑題、〔Ⅲ〕がリード文形式の空欄補充・単答問題、〔Ⅳ〕が論述問題(例年200字の論述問題が2問)となっている。
  • 例年、すべて記述形式の出題であるが、1~2問選択問題が出題される年もある。

2026年度入試の特記事項

  • 2025年度は出題がなかった短文記述問題が、2026年度は4問出題された。
  • 2025年度に引き続き、〔Ⅲ〕Cで表を提示した問題が出題された。また、〔Ⅲ〕Bでは史料画像を用いた問題が出題された。
  • 〔Ⅳ〕の論述問題は⑴古代、⑵中世からの出題であり、3年連続で出題されていた近・現代からの出題はなかった。
  • 大問ごとの難易度に差はあるものの、全体としては標準的なレベルの試験であった。

合否の分かれ目はここだ!

  • 2026年度の〔Ⅰ〕~〔Ⅲ〕は、基礎〜標準レベルの知識で対応できる問題が多く見られた。基本的な知識で解答できる問題を取りこぼすことなく確実に正解することが、高得点を確保するための分かれ目であった。ほぼすべてが記述なので誤字で失点しないよう、正確な漢字で歴史用語を書けるようにしておくことも必須である。空欄補充問題では空欄の前後にも注意してケアレスミスを防ぎたい。
  • 最も差がつくのは〔Ⅳ〕の論述問題である。2026年度は、⑴は摂関政治の特徴、⑵は鎌倉時代の経済について問われた。いずれも教科書で触れる機会があるテーマであり、教科書の内容を細部にわたって習得できているかがカギになった。⑴は設問の留意点を踏まえて解答の要素を盛り込みきれたか、⑵は思い浮かんだ歴史用語を整理して解答の文章を論理的に構成できたかで差がついただろう。

さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

〔Ⅰ〕:応仁の乱(『大乗院寺社雑事記』)/南鐐二朱銀(『御触書天明集成』)/婦人参政権獲得期成同盟会の宣言書(空欄・単答/史料) [標準]

史料A〜Cともに受験生には未見と思われる史料から出題されたが、史料中の用語や人名、出典に記載されている年代を参考にすれば、内容を特定しやすいものであった。史料の読み込みが必要な問題はなく、設問文だけで解答を導ける問題が多かった。問⑽は史料の注記から、この銀貨が金貨二朱に相当することがわかる。あとは、金貨1両=4分、1分=4朱であることを押さえていれば解答できただろう。

〔Ⅱ〕:原始・古代~近・現代の雑題(空欄) [やや易]

短文の空欄補充形式の問題。原始から現代まで、政治・社会・外交・文化に関する知識が問われた。一部で難度の高い出題は見られたが、基本的な問題が多いため、高得点をめざしたい。文章⑦は京都周辺の地理的把握も問われる問題であった。

〔Ⅲ〕:文治政治への転換と出版物の流通/集会条例と集会及政社法の制定/近・現代の小作地率と産業別就業者数の変化(空欄・単答) [標準]

3つのテーマを設定した空欄補充問題と単答問題。Aは取り組みやすい問題が多かったので、確実に正解したい。Bでは史料画像2点が提示されたが、いずれもリード文と設問文から解答可能であった。問⑼は、設問文から治安維持を担う官庁が問われていることに気付きたい。Cでは統計表が提示されたが、深い読み取りが必要な問題はなかった。また、短文記述問題が4問出題されたが、いずれも細かい知識を要する問題はなく、概ね標準的な問題であった。

〔Ⅳ〕:摂関政治の特徴/鎌倉時代における経済(論述200字×2) [標準]

⑴摂関政治の特徴について、摂関家と天皇との関係、摂関家と中・下級貴族との関係に触れながら述べる問題である。摂関家と天皇との関係については難しくないだろう。摂関家が人事を掌握したこと、さらに中・下級貴族が官職を求めて摂関家に取り入ったことに言及したい。また、摂関政治の特徴として運営体制を解答に盛り込む必要がある。

⑵鎌倉時代の経済について、流通をめぐる新しい動きをあげながら説明する問題である。農村で生産した手工業品を売買する定期市や見世棚の出現、座の結成、問の活躍といった流通に関する説明のほか、宋銭の利用や為替を用いた遠隔地の取引など貨幣経済の浸透について述べたい。「鎌倉時代における経済」というテーマについては様々な用語が思い浮かぶだろう。留意点に即して要素を取捨選択し、用語の羅列にならないよう論理的な解答を作成する必要がある。

攻略のためのアドバイス

京大日本史の要求

要求① 全時代・全分野にわたる知識

京大日本史では多くの単答記述問題が出題される。毎年幅広い時代・分野が満遍なく出題されるため、全時代・全分野にわたる知識と、それを正確に記述する力が必須である。学習が疎かになりがちな文化史などの出題も見られるので、漏れのないように学習してほしい。

要求② 史料の読解

京大日本史では様々な時代の史料が出題されている。未見史料も必出なので、史料中のキーワードや出典・設問文をヒントに史料文を読解する力を身につける必要がある。

要求③ 設問の要求に沿った論述

例年200字の論述問題が2問出題されている。リード文などヒントのない端的な設問で出題されるので、設問の意図を的確につかむ力と、知識を取捨選択して論理的に解答を組み立てる力が必要である。また、各時代・分野の重要テーマが出題されることもあるため、論述問題で出題されやすいテーマについては、一通り解いておくようにしたい。

京大日本史 攻略のために

基礎力の完成

まずは要求①を満たすことをめざそう。京大で出題される細かな知識問題に対応するためにも、教科書の基本事項は早めに身につけておきたい。また、既習分野については論述問題の対策も始めよう。

入試形式に合わせた対策

要求②・③を強化するためには、史料問題・論述問題の演習を繰り返すことが大切である。但し単答問題の多い京大日本史では、知識量の底上げも必要なので、バランスのよい演習をしていきたい。

実戦演習

ここまで演習を積み重ねれば、要求①~③の力は十分身についているはずだ。京大日本史は時間に比して出題数が多いので、実際の入試での時間配分を考えながら演習を行う必要がある。時間を計って解くなどして、より本番に近い答案作成を行おう。

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