2023年度「京大日本史」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2023年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

今年度の入試を概観しよう

分量と難度の変化 (時間:90分)

  • 出題構成・分量は変化なし。
    I…史料問題
    II…空欄補充型の雑題
    III…リード文形式の空欄補充・単答問題
    IV…論述問題(200字×2問)
  • 難易度は変化なし。

2023年度入試の特記事項

  • 史料から適切な語句を抜き出す問題が出題された。
  • 2022年度に出題が見られなかった短文記述問題が、1問出題された。
  • 選択式の単答組合せ問題が出題された。
  • 論述問題は6年連続で近世から1問出題されていたが、2023年度は中世と近・現代からの出題であった。

合否の分かれ目はここだ!

  • I~IIIは概ね基本事項なので、取りこぼしをしないようにしたい。
  • ほとんどが記述問題であるため、正確な漢字で歴史用語を書けるようにしたい。
  • 最も差がつくのはIVの論述問題である。2023年度は「院政期〜鎌倉時代の宗教・文化」「防共協定が三国同盟に至った経緯」が出題された。どちらも問われている内容は基本的なものであったため、時期を手がかりに関連する事項を想起し、解答に落とし込めたかどうかがカギになった。
京大日本史で必須の
「幅広い知識の習得と論述力の養成」
ができる!



さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

 大問 I 

<史料>
A:平忠常の乱(『小右記』)
B:僧兵による強訴(『中右記』)
C:尊攘から倒幕への展開(『若山要助日記』)

史料A〜Cすべて、未見史料であったと思われる。出典に加えて、史料中の用語や注記、設問文を参考に丁寧に史料を読み取り、内容を特定する必要があった。

  • 史料読解問題がいくつか出題された。問(5)は、「宣旨」の趣旨を特定した後、(注)を活用して史料中から適切な語句を抜き出すことが求められた。また、問(6)では、史料から読み取った内容を簡潔に記述させる出題が見られた。

 大問 II  

  • 原始から近世まで、政治・社会・外交・文化に関する知識が問われた。
  • 一部で難度の高い出題が見られたが、基本的な問題が多いため、確実に得点したい

 大問 III  

<リード文のテーマ>
A:原始の食料備蓄
B:戦国時代の戦闘方法
C:西園寺公望の生涯

  • 概ね標準的な問題であったため、確実に得点したい。A問(5)では、遺跡に関する詳細な知識が求められたが、消去法を上手く活用して解答を導きたい

 大問 IV  

(1):院政期〜鎌倉時代の宗教・文化(200字)

  • 院政期と鎌倉時代の宗教・文化の受容層について、具体例と結びつけて解答をまとめることが求められた。
  • 「受容層の広がり」が問われているため、各時期の具体例をただ挙げるのではなく、それらがどのような層に受け入れられたのかを軸に、解答をまとめることがカギとなった。

(2):防共協定が三国同盟に至った経緯(200字)

  • 日独伊防共協定から日独伊三国同盟に至るまでの経緯を、防共協定と三国同盟の違いを踏まえて述べる問題であった。
  • 防共協定と三国同盟がどの国を意識して締結されたものかを明らかにした上で、当時の国際情勢を整理し、必要な情報を取捨選択して解答をまとめたい

 攻略のためのアドバイス

京大日本史を攻略するには、次の3つの要求を満たす必要がある。

●要求1●全時代・全分野にわたる知識

京大日本史では多くの単答記述問題が出題される。幅広い時代・分野から出題されるため、全時代・全分野にわたる知識と、それを正確に記述する力が必須である。

●要求2● 史料の正確な読解

京大日本史では様々な時代の史料が出題されている。未見史料も必出なので、史料中のキーワードや出典・設問文をヒントに史料文を読解する力を身につける必要がある。

要求3● 設問の要求に沿った論述

例年200字の論述問題が2問出題されている。端的な設問文から設問の意図を的確につかむ力と、知識を取捨選択して論理的に解答を組み立てる力が必要である。

また、各時代・分野の重要テーマが出題されることもあるため、論述問題で頻出のテーマは、一通り解いておくようにしたい。

Z会で京大対策をしよう

 Z会京大日本史担当者からのメッセージ

2023年度も試験時間90分に対して、単答70問+200字論述2問というハードさは健在でした。Ⅰ〜Ⅲは史料や設問文をよく読んで答える出題も見られますが、標準的なレベルの知識問題が中心です。そのため、“焦らず設問文を読み、手際よく答えること” を心掛けましょう。

2023年度も、幅広い時代と分野から出題されました。京大の特徴である“全時代・全分野”に対応するため、教科書の脚注レベルも含め、知識の抜け漏れがないようにしておく必要があります。Iの史料問題を解く際には、史料本文の内容や注記はもちろん、出典や設問文にも気を配り、史料の時期や概要を特定する必要があります。演習を積んで、史料問題に慣れておきましょう。

京大の論述問題は、端的な問題文の題意に即して必要な要素を取捨選択し、解答をまとめる必要があります。シンプルな問いかけであるからこそ難しい京大型の論述問題に、どれだけ取り組んできたかで差が出ます。

京大で求められる幅広い知識、史料問題への対応力、題意に即した解答をまとめる論述力を伸ばすためには、十分な問題演習が必要です。Z会の「京大講座」は、バランスよく知識、史料、論述の対策を行えるようになっています。また、論述力を伸ばすためには、添削指導を受けることが効果的です。Z会の通信教育で京大対応の問題で演習を行った後、解答が設問の意図に沿ったものになっているか、要素に過不足はないか…などをZ会の丁寧な添削指導を通して確認し、論述力を伸ばしていきましょう。

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