麻布中学校 2025年度合格体験記

麻布中学校に合格されたRさんのお母さまにお話をうかがいました。

 

 

麻布中学への合格、おめでとうございます。合格発表は、どんな様子でご覧になりましたか。

母:
麻布の合格発表は2月3日の15時でした。その日の午前中は併願校の入試があったため、その試験が終わったあと、息子と合流してファミレスでお昼を食べながら発表を待ったんです。15時になった瞬間、本人がスマホをタップして「あった!」と……。息子は喜んでいましたが、私は驚きの方が大きくて「嘘でしょ!?」という感じでしたね(笑)。

お母様にとっては、驚きの合格だったのですね。

母:
はい、本当に驚きました。というのも、私たちは宮城県に住んでいて、受験塾には行かずZ会一本で勉強していたんです。首都圏とは離れた場所で受験勉強をしていたこともあり、最後まで「本当に大丈夫かな」という不安が拭えませんでした。
東京の入試会場に行ったときは、大手の受験塾のスタッフの方々があちこちにたくさんいて、自分の塾の子たちを激励している光景を目にして、遠方から来ている私としてはさらに不安が募りましたね。
ただ、息子は麻布の入試が終わったあと、自信を持った様子で教室から出てきたので、「手応えがあったのかな」とは思っていました。

お住まいは宮城で、受験のために東京に来られたのですね。中学受験の動機を教えていただけますか。

母:
実は我が家は夫の転勤の都合で、息子が中学2年になる2026年4月に、宮城から東京に引っ越すことが決まっていたんです。その話を息子にしたところ、「中学の途中で転校したくない」と言いまして。

なるほど、中2で引っ越すことが確定していたのですね。

母:
そうなんです。このまま宮城の中学に進学するなら、中2のときに東京の中学に転校する必要がありました。ただ、東京には私の実家があるため、中1の1年間限定でこの子を私の実家に下宿させ、そこから東京の中学に通ってもらうという選択肢もあったんです。親である私たち夫婦とこの子の姉は1年遅れで東京に引っ越し、そこで合流する形ですね。
宮城の中学に進学して途中で転校するか、それとも先に一人で私の実家に行き、中1から東京の学校に通うか聞いてみたところ、「1年親元から離れて東京の祖父母の家に下宿することになっても、学校の仲間は変わらない方がいい」と言うので、息子だけひと足先に東京へ行き、東京の中学に進学することに決めました。
東京であれば、公立中学でもよかったのですが、様々な地域から子どもが集まる私立の中高一貫校の方が、遠方から引っ越してくる息子もなじみやすいかなと思い、小学5年生の5月に私立受験を決めました。

 

「麻布を目指そう」と思われたのは、なぜですか。

母:
実は麻布は、私の父、つまり息子の祖父の母校でもあるんです。
5年生の春休み、息子は祖父に連れられて『麻布学園ホーム・カミング・デイ』という、卒業生同士の親睦を深めるイベントに参加しました。そこに現役の麻布生も来ていたんですね。おそらく生徒会の高校生だったと思うのですが、彼らの髪の色が青や緑だったのを見て、「麻布ってこんなに自由なんだ……!」と驚いたようで。息子はあまりきっちりしたタイプではなかったこともあり、自主性を重んじる麻布の校風にすっかりほれ込んでしまったんです。私から見ても、彼は比較的我が道を行く子だったので、「麻布のような学校が向いているのかな」と思いました。

麻布と言えば、「自由な学校」で有名ですものね。

母:
そうですね。自由な校風に加えて、将棋の強豪校である点も魅力だったようです。というのも、息子はサッカーと将棋を習っていまして、特に将棋にはかなり打ち込んでいるんです。
将棋を始めたきっかけは、小さいころ帰省の新幹線で退屈しないようにと、車内で読む本を買いに行った際、詰将棋の本に興味を示したことでした。詰将棋から本格的な将棋へと夢中になり、あっという間に上達。すぐに親では歯が立たなくなるほどになり、道場にも通って研究に時間を割いていました。
受験を決めてから、「せっかくなら、将棋の強い学校を目指したいね」という話になったんです。調べた結果、麻布が将棋の強豪校であることがわかり、ますます麻布に気持ちが傾いていきました。

受験すると決めてから入試まで2年弱という短い期間でしたが、難関校を目指すことに不安はありませんでしたか。

母:
本人が「麻布に行きたい」と言うので応援することにしましたが、私や夫は「何が何でも麻布に行ってほしい」とは特に思っていなかったんです。麻布のほかに併願校も2校受けましたが、「もしダメだったら東京の公立中学に行けばいいよね」と考えていたので、受験について迷ったり躊躇したりすることは一度もありませんでした。

 

Z会は1年生の頃から受講されていましたが、受講のきっかけを教えてください。

母:
この子には2つ上の姉がいて、他社の通信教育を受講していたんです。ですので、息子にも同じものを受けさせようかなとも考えました。でも、息子は5月生まれで、同学年の子と比べると少し成長が早かったんですよね。それに、下の子だからか負けん気が強くて、姉の教材よりももっと難しいものを求めているように感じたんです。
そこで「問題の難度に定評のあるZ会がいいんじゃないかな」ということになり、Z会の受講を始めたんです。小学5年生の始めに受験を決断するまでは、ずっと小学生コース・小学生タブレットコースでしたが、特に難しいと感じることもなく、淡々とこなす習いごとの一つという感覚でしたね。

中学受験コースに切り替えられたのは、5年生の6月からですね。

母:
はい。「本当に麻布を受けるなら、そろそろ受験勉強を始めないとね」と息子と話し、Z会にコース変更の相談の電話をしたんです。そのとき電話対応いただいたZ会の方から、「中学受験の勉強は、みなさん中学年のうちから始めています。5年生のこの時期から難関校向けの受験勉強を始めるとなると、相当頑張らないといけませんよ。」と言われまして。電話をスピーカーフォンにして息子も話を聞いていたのですが、彼はその場で「やります」と返事しました。その瞬間、親子ともに覚悟が決まった感じです。

Z会中学受験コースを始めてみて、いかがでしたか。

母:
やはり難しくて、苦戦していることもありましたね。本人が得意科目だと思っていた算数でも行き詰まって、イライラすることが増えました。そんなときは、納得できるまで授業映像を繰り返し見直していたようです。一方で、問題の手応えは本人にとって嬉しくもあったようで、算数の難問に挑むときは、まるでクイズを解くかのように嬉々としていることもありました。

つまずいたときは、授業映像が役立ったのですね。

母:
授業映像は、理科でも大活躍でした。理科はもともとあまり得意ではなく、知らないことだらけだったのですが、授業映像を通して、理科の面白さを一から教えてもらったと思います。授業映像の担当の先生を勝手にニックネームで呼んだり、先生のお決まりのセリフを真似したり、愛着をもって見ていました。受験勉強を乗り越えることができたのは、本当に授業映像のおかげです。

授業映像以外の教材も、活用されましたか。

母:
はい、Z会から届く教材はほぼすべてやっていました。
息子は、まず要点などを見ながら自力で覚え、そのあと授業映像で再確認し、翌朝、問題やテストを解くというルーティンを自分の中でつくり上げていましたね。本人の好きなように柔軟に勉強できるのも、Z会の魅力でした。

1日の中で、Z会にはいつ取り組んでいたのでしょうか。

母:
平日の放課後は、1年生のときから友だちと遊んでいたので、そのあとにやることもありましたし、習いごとの合間に取り組むこともありました。やる気のある日は、夜寝る寸前まで教材と向き合う日もありましたよ。6年生からは毎朝1時間、朝学習もしていました。自分の好きなタイミングで好きなように取り組めたのは、本当にありがたかったです。
塾のように移動する必要もないので、本人も「塾を往復することを考えたら、その分の時間はゲームに使ってもいいよね」という感じで、堂々と遊べる点も気に入っていました。その一方で、いざ勉強するときの集中力はすごかったですね。

自分に最適な形にカスタマイズできたからこそ、モチベーション高く、机に向かえたのですね。

母:
そうですね。自走できていたので、親はほぼノータッチでした。私は、「そろそろ月例テストの提出期限なんじゃない?」と声をかけたり、Z会からのお便りを渡したりするくらいで。どうしてもわからない問題があったときは、自分でZ会の質問制度をどんどん利用していましたね。Z会からの返信は丁寧で、疑問もしっかり解決できたようです。後で知ったのですが、問題に関すること以外に、たとえば「麻布の入試の社会で得点を取るにはどうしたらいいか」といった学習相談もしていたみたいです。本当にいろいろな面でZ会を頼りにしていたんだと思います。

 

6年生では専科「国語・難解記述対策」「社会・文章記述対策」「理科・論理的思考問題対策」など、5つの専科講座を受講されていますね。

母:
本人が自分で専科の資料を見て、必要だと思った講座を選んで決めていました。取り組む順番についても、「自分の弱い分野からやることにした」と言って、一人で決めました。私は息子に言われるがままに申し込みをしただけです。

きちんと自己分析ができていたのですね!取り組んでみて、いかがでしたか。

母:
正直なところ、専科はかなりの難問揃いで、苦戦した講座もあったようです。けれど「麻布に合格するためには、これをやらないといけないんだ」と理解していたようで、最終的には添削課題はほとんど提出できました。
とくに国語と社会の講座は、自分の知識の不足部分をしっかり把握でき、とても役立ったようです。
また、専科講座には他の難関校の過去問もたくさん掲載されていますよね。地方に住んでいて中学受験について無知だった息子にとって、専科を通していろいろな学校の問題に触れることで、入試のイメージを持つことができたのは大きかったと思います。

 

受験を決めてから、外部模試は受けられましたか。

母:
6年生の9月から全部で5回受けました。答案が返ってきた後は、正答率が高かったのに間違えてしまった問題を中心に復習もしていましたね。ただ、麻布の合格ラインに達したことは一度もなかったんです。合格判定もずっと思わしくなく、「志望校は要再検討」のようなコメントが続き、12月にようやく合格圏内に片足が入ってきたかな、という程度でした。正直、私は「奇跡でも起きないと、麻布は無理だな」と思っていました。

それでも、Rさんはあきらめなかったのですね。

母:
そうですね。先ほどもお話しした通り、我が家は転勤をきっかけに中学受験を検討し始めたので、「何がなんでも私立中学へ」とは考えていませんでした。公立でもまったく問題ないと思っていたんです。
ですので、変に気負うことなく、「本人が受けたいと言うのなら、判定が悪かろうとチャレンジしてみればいい」と思っていました。

麻布の過去問には取り組みましたか。

母:
はい。麻布の過去問は10年分を3周しました。同じ問題を繰り返し解けば点数が上がっていくのは当然なのですが、息子は繰り返すごとに「やった!最高得点!」と喜んでいましたね(笑)。でも、私がよくよく見てみると、記述問題の自己採点が甘いことに気づいて。これではまずいと思い、そこからは夫が採点を担当するようになりました。さらに、捨てていい問題と正解しなくてはいけない問題の振り分けや、学習スケジュールに関しても夫が助言するようになったんです。

お父様がアドバイザーとして伴走してくれたのですね。

母:
でも、自分が一生懸命書いた解答に対して、父親から「これは、解答の肝になる要素が書けていないね」「不要な説明が多すぎる」等言われるとやはりカチンとくるようで、親子喧嘩のようになることも多々ありましたよ。
でも、受験まであと少しという状況になってくると、「ここで反発していても意味ないな」と思ったんでしょうね。少しずつ父親のアドバイスに耳を傾けるようになっていきました。

精神的にも、とても成長を感じますね。模試の結果もなかなか上がらない中、Rさんが落ち込むことはなかったですか。

母:
本当に「よく折れないな」と思うくらい、ずっとプラス思考でした。「絶対に麻布に行くんだ」という気持ちも強かったですし、受験塾ではなくZ会だったので、まわりを意識し過ぎることなく自分のペースで勉強に集中できたのも大きかったと思います。
もちろん、小学3年生くらいから受験勉強している子に比べたら、遅れていることだらけだったはずです。ですが、Z会の教材は同じ単元が繰り返し出てくるつくりになっていたので、5年生から始めても追いつきやすいというか、人より遅れているという感覚にもなりづらかったように思います。本人も負けず嫌いなので、もし5年生から塾に入って周りよりも進度が遅れていたら、やる気がそがれてしまったかもしれません。それもあってか、「受験塾には行きたくない」と言い続けていましたね。

 

放課後は友だちと遊んで過ごしていた、とのことでしたが、受験が近づくにつれ、生活は変化しましたか。

母:
6年生の夏休みが終わった頃、「さすがに、今の感じだとまずいんじゃない?」という話になり、放課後はまっすぐ家に帰って勉強する生活に変えました。ゲームも放っておいたら続けてしまうので、禁止にしましたね。将棋だけは「いいよ」と言っていたので、これで息抜きをしていた感じです。
ちなみに、将棋は受験にも役立ったと思うんです。息子は模試もほとんど自宅で受けていたので、入試会場の雰囲気をほぼ知らないまま本番を迎えました。やっぱり場慣れしていないと、その場に入るだけで雰囲気にのまれて頭が真っ白になってしまうことってありますよね。けれど、この子はきちんと実力を発揮できました。将棋の対局では、大勢の人に注目されながら自分の一手に集中しなければいけませんが、そんな場面をたくさん乗り越えてきた経験が、入試本番にも生きたのかなと思います。

Rさんの受験生活を支える上で、ご家族のみなさんが意識されていたことはありますか。

母:
息子はずっとリビング学習をしていたので、とにかく邪魔にならないよう静かに過ごしていました。最後の1年間はテレビもつけず、娘はポータブルテレビをお風呂や自分の部屋に持って行って、小さな画面でこっそり観ていましたね。
それと、息子が話を聞いてほしそうな様子のときは、きちんと耳を傾けるように心がけました。親としては、たまにはっぱをかけながらも過度な期待はせず、本人の自由に任せてきましたが、結果として、それがいい方向に進んだような気がしています。

もうすぐ念願の麻布生。Rさんの自立心がますます育っていくと思うと、楽しみですね!

母:
「受験が終わったら、英語を頑張る」と決めていたようで、今はZ会の「グレードアップ問題集 中学英語さきどり」を使って、父親と一緒に勉強しています。部活は将棋一択かと思いきや、「サッカー部もいいな」と言い出し、将棋かサッカーか悩んでいる様子です。もしかしたら両方入ってしまうかもしれませんね。なにせ、麻布は自由なので……(笑)。

最後に、Z会で中学受験を目指している読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。

母:
息子は遠方からの受験で、受験勉強も遅いスタートでしたが、Z会を続けてきたおかげで、第一志望校も併願校もすべて合格することができました。驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。改めて、本人のやる気と疑問を解決できる環境さえあれば、地方に住んでいても、受験塾へ行かなくても、受験勉強はどこでもできるのだと実感しました。Z会は信頼できる教材です。皆さんも安心して頑張ってください。

 

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