2026年度「京大物理」徹底分析 傾向と対策

Z会の大学受験担当者が、2026年度前期試験を徹底分析。長年の入試分析から得られた知見もふまえて、今年の傾向と来年に向けた対策を解説します。

Z会物理担当者からのメッセージ

2026年度の京大物理は、きちんと対策してきた受験生にとっては、比較的解きやすかったと思います。しかしながら、(例年の傾向ではありますが)試験時間を考えたときの分量はかなり多いため、上手に時間配分して、計算ミスや勘違いなく得点を積み上げることが肝要だったと思います。
京大物理では、各大問の前半部分は基本~標準的な問題が多いため、これらをいかにすばやく確実に解答できるかが重要です。また、他の受験生と差がつく「やや難」レベルの問題や、作図問題や論述問題について、諦めずにどこまでくらいついていけるかが合否を分けると言えるでしょう。
京大物理は、初めて見たときには設定や分量に面食らうかもしれませんが、目新しい題材では誘導が親切で、解きやすいことが少なくありません。大切なことは2回書かれていたり、途中で検算になるヒントを散りばめたりしてくれていますので、解答の糸口を見落とさず、確信をもって解き進められる状態を目指しましょう。
Z会の通信教育では、問題文から状況を正しく読み解き立式する練習を通して、難易度の高い京大物理にも対応できる力を養います。演習を繰り返すことで、京大で頻出の目新しい設定の問題に出合っても、最後まで解き切る力が身につきます。粘り強い演習を積み重ねて、京大合格を勝ち取りましょう!


今年度の入試を概観しよう

分量・難易度

(昨年度比)

  • 分量:やや増加
  • 難易度:やや易化

出題・解答の形式

  • 力学1題、電磁気1題、その他の分野(熱力学・波動・原子)から1題の、計3題の構成が標準的。
  • 解答形式は、基本的に文章中の空欄補充である。
  • 大問あたり1~2題程度、「問」形式で論述問題やグラフ・図の描画問題が出題されることが多い。

2026年度入試の特記事項

  • 例年、深い物理的背景が感じられる大問構成であることが多いが、2026年度は珍しく、幅広くさまざまな項目を問う小問集合的な要素が強い構成だった(とくに問題ⅠおよびⅡ)。
  • 「問」形式の論述問題・グラフや図の描画問題は、例年5~6題だが、2026年度は8題出題された。

合否の分かれ目はここだ!

  • 京大物理では、深い考察力(比較的絞られた設定の中で、とことん考察を突き詰める力)が求められる。題材も、高校物理の範囲を超えることがあるため、必要に応じて、高校物理の範囲を超えた式が与えられ、それを使って解くよう指示されることも多い。それゆえ、京大物理は、問題文の情報量が多く、高校生にとって目新しく、現象のイメージが難しい設定となる傾向が強い。また、近似をはじめとする計算量の多さや計算の煩雑さも、特徴の一つである。いかに問題文を素直に読み、必要な情報を的確に捉え、正確かつ迅速に計算できるかが合否の分かれ目と言えるだろう。
  • 限られた時間で高得点を取る戦略として、まずは全ての問題を概観し、解きやすそうな大問を見つけ、前半部分の基本的な問題を確実に解答することを意識したい。考えが詰まったり時間がかかったりしそうであったりすれば、ひとまず飛ばして別の問題に移る方がよい。また、「問」形式の論述問題はやや難度が高いが、最初の立式やグラフの概形だけでもよいので、自分のわかる限りのことを書き、少しでも得点に結びつけようとする姿勢を持つことが大切である。普段の学習においては、すばやく正確に計算する練習をすることや、答の次元や符号の正負を確認しながら解き進め、ミスをなくす工夫をすることなどを通して、物理の土台となる力をしっかりと涵養してほしい。
  • 以下では、2026年度入試について述べる。問題Ⅰについては、空欄部分は最後まで解き切りたい。「問」形式の設問が4つもあるので、計算に時間がかかると判断すれば、部分点ねらいでひとまず立式だけ解答欄に書いておいて計算は飛ばす(時間が余れば戻って取り組む)方がよいかもしれない。
  • 問題Ⅱは、空欄部分はできれば最後まで解き切りたいが、つまずいた場合は時間をロスしないよう見切りをつける必要がある。とくに(3)の「ヌ」~「ヲ」が単振動の式にもとづいて導出できたか、これをもとに問1のグラフが描けたかで差が開いただろう(「ル」は仕事の大きさが運動エネルギーの変化量に等しいことに着目すればよい)。
  • 問題Ⅲは、(1)と(2)はできれば解き切りたい。可動壁が液体から受ける力では大気圧の影響を忘れないようにする、指定文字を確認する、などに注意して取り組みたい。(3)はいかんせん考えることが多く状況把握も難解なので、時間との兼ね合いですべて飛ばしてもよいだろう。飛ばす場合でも、「さ」と「す」は体積変化がないことを見抜いて「0」と解答しておくことで点数を積み重ねることも可能である。
  • 以上、2026年度は、全体で5~6割程度(医学部医学科の場合は7割程度)を得点したい内容だった。

さらに詳しく見てみよう

大問別のポイント

物理問題Ⅰ:力学・電磁気 斜面台をすべり落ちる物体/磁場中での帯電物体の円運動/衝突 [易]

(1)では物体が斜面台をすべり落ちる設定で、台を床に固定した場合と、固定していない場合について考察させる。(2)では、磁場中での帯電した物体の円運動について考える。(3)では、(1)で台からすべり落ちた物体が、(2)で円運動している物体と衝突する。小問集合的な要素が強い大問で、立てるべき式は、力学分野では主に運動量保存則と力学的エネルギー保存則、電磁気分野は円運動の運動方程式(ローレンツ力)、と迷う要素はほとんどなく、標準的な学力が身についていれば、つまずくところなく最後まで解き切ることが可能だろう。ただし、計算は少々面倒なので、いかにミスなく素早く解答できるかで差がつくと思われる。

物理問題Ⅱ:電磁気 ターンテーブルとともに運動する導体が磁場から受ける力 [やや易]

円形の回転できるターンテーブル上にさまざまな導体を置いて、導体が受ける力を考察する設定で、本問も次々に設定が変わるため、小問集合的な要素が強い。(1)は水平磁場中でテーブル上に2本の導体棒を立てて電流を流した場合、(2)はテーブルを貫く長い導体棒に電流を流し、□状の電源つきの導体枠を載せてテーブルを回転させた場合、(3)は(2)から導体棒を取り除き、水平磁場中でテーブルに固定した導体枠を微小振動させる場合、(4)は(3)の導体枠の電源を取り除き、水平磁場中でテーブルを一定の角速度で回転させる場合について考察する。(3)では導体が単振動すること、(4)では枠を貫く磁束が変化するため交流発電と同様の起電力が生じることを見抜けるかどうかがポイントだった。

物理問題Ⅲ:熱力学 可動壁の上下にストッパーがついた容器内の理想気体の状態変化  [やや難]

問題Ⅲは2年連続、熱力学分野からの出題だった。可動壁(ピストン)をもつ鉛直に立てた容器内の気体の状態変化は頻出だが、可動壁の上部と下部の両方にストッパーがあること、可動壁自体が厚みをもつこと、液体による圧力があることなどから、考える要素や与えられた文字が多く、2026年度の中では最も難しい大問である。(1)は容器が大気中にある場合、(2)は液体中に容器を固定する場合であり、(3)では液体中で液面位置・容器内の温度を変化させる熱サイクルを考える。与えられた図が少ない(自分で図を描く必要がある)ことや、液面からストッパーまでの距離・ストッパーから壁までの距離がともに変化することなどから、高度な状況把握力が必要であり、問題を解き切るにはかなりの時間を要する、重厚な1題だった。

攻略のためのアドバイス

京大物理の要求

要求① 問題文を読解する力

京大物理は、問題文が長く、設定が高度なこともあり、問題の設定の理解に時間がかかる場合が多い。設定をきちんと把握するためには、相当の読解力が必要である。問題文にはヒントが含まれていることも多く、この読み取りが合否を分ける。

要求② 正確かつ迅速に計算する力

京大物理では、例年、設問で与えられる記号(物理量)が多く、設問数も計算量も多い。このため、煩雑な計算をミスなく、かつ速く行う必要がある。

要求③ 解くべき問題を見極める力

京大物理は、例年、問題文が長く計算量も多いため、時間内にすべて解くのは厳しい。このため、試験開始直後に問題全体にざっと目を通して解くべき問題を見極め、解答に必要な時間を適切に配分することが、合格点の確保に向けて重要となる。大問の途中で解けない設問があっても、最後の方に独立して解ける設問がある場合があるので、諦めず全体に目を通し、「解ける設問を確実に解く」姿勢が、合格には必須である。

京大物理 攻略のために

基礎力の完成

まずは、要求②を意識して、基本的な問題をミスなく要領よく解く力をつけよう。また、単に計算結果が合っているだけで満足することなく、問題の物理現象をしっかりと頭の中でイメージできるように心がけたい。設問で問われてなくても、得られた結論をグラフで表す訓練をしておくと、理解の助けになるだろう。

レベルUP

基礎力がある程度ついたら、京大レベルの問題に慣れていこう。Z会の通信教育では、読解力や重量級の計算力を養う出題を行っている。

京大形式の演習

要求①や要求③は実戦演習の中で培われる力である。京大物理は、早めに基礎を固め、徐々に長い問題文に慣れていかないと、太刀打ちできない。空欄補充形式で、物理現象による深い理解力を養成できる京大形式の問題を通じて、自分の得意不得意を見極めつつ、試験時間をめいっぱい活用して得点を最大化できるような解き方を身につけてほしい。

Z会でできる京大対策・ご案内





本記事を読んでいただきありがとうございます。記事をX(旧Twitter)でポストしてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします!


 

「2026年度分析トップ」に戻る

 

フッターお問い合わせ(20260225~)

「Z会の通信教育」では、京大志望者向けのプランを開講中!

無料の資料請求も受付中!