世界で羽ばたく仕事~運航管理者_2019.6

2019年6月10日

カテゴリー : 教育情報全般

安心と信頼を基礎に、世界をつなぐ心の翼で「夢あふれる未来」創りの一翼を担っているANAグループ。その中で、運航管理者として活躍するZ会OBの大久保隆史さんに、中高時代の学習や進路選択の際にどのような点を重視したのかについて、お話をうかがいました。

 

 

◆中高時代の勉強は、社会に出てから必ず役に立つ

中学時代は剣道部に所属。部活の先輩がいる茨城県立水戸第一高校を志望し、友人と図書館で毎日、半分眠りながらもがんばって勉強しましたね。そのかいもあって、私は水戸第一高校に合格することができました。
高校では、バレーボール部と学校行事に打ち込む毎日。勉強のペースがつかみにくい高1・2生の間は、Z会で英語・数学・物理を受講し、全国にいるライバルと受験を意識して、勉強をしていました。Z会は、夜遅くても自分の好きな時間に勉強できるので、毎日1時間半から2時間くらい、学校の勉強と並行してZ会をやっていました。中学時代は、あまり一人で勉強していなかったので、高校からZ会で勉強するようになって、勉強に向かう意識が変わりました。受験生になってからは、予備校に通いながら、Z会の『速読英単語』や『速読英熟語』など、自分に合った参考書で勉強していましたね。
高校時代の思い出は、アメリカのアナハイム市にホームステイしたときのこと。英語でコミュニケーションを図らなければならない環境のなかで、改めて語学としての英語の大切さを実感しました。それ以降、話せるようになることを目標に意識的に英語を勉強するようになりました。今の仕事は英語で行うので、勉強してきてよかったとつくづく思います。英語に限らず数学や物理など高校時代に学んだことは、大学生や社会人になったときに思いもよらないところでその知識が必要とされ、役に立ちました。がんばって学んだことは、将来その知識が必要とされ、役に立つときが必ずきます。「大事なこと」はだいたい面倒くさいし、続けることはすごく大変。でも、それを続けてきたことが、好きな会社で英語を使って、楽しく働いているという今の僕自身につながっていると思うので、みなさんも面倒くささや大変さから逃げずに、長い目で将来を意識した勉強を続けてください。
また、一見、回り道に思えることも、最終的には良い方向にいくために必要なことだと思います。そのときにはわからないことでも、後になって初めてわかるということも多い。だからこそ10年後、20年後の将来、自分がどういう人になりたいのかというイメージをもって、今を過ごしてほしいですね。

 

 

◆自分が感じたことや自分の直感を大切に大学と会社、進路を選択

現役のときは車や飛行機が好きだったこともあり、機械工学部を希望していましたが、浪人時代にオープンキャンパスに行って東京の街を歩く中で、街づくりや景観に興味がわいて建物や公園をつくる側、建築系に志望を変えました。これは大きな転機でしたね。当初は関東の大学も検討していましたが、オープンキャンパスで東北大学に行った際に、説明してくれた大学生の明るさや大学の雰囲気にひかれ、東北大学を受験し、入学。徹夜して模型を作るなど、大学生活は楽しく、充実していました。
就職活動は飛行機が好きだったので、航空会社と建築関係の会社の試験を受けました。採用時に会ったすてきな社員の方々と一緒に働きたいと思い、ANAに入社しましたが、明るく話しやすい人が多く、入社後もそのイメージは変わりません。僕は実際に会って話して自分の直感を信じ、大学や会社を決めたことは正しかったと思っています。
入社後は「運航支援業務」を担当しました。羽田空港のちょうど展望台の下くらいの場所で今も働いています。航空機の運航は、発着地や飛行ルートの気象条件などにより様々な影響を受け、パイロットだけでは判断が難しい部分を支援する業務になります。国内や海外の空港の状況や、気象や航法・航空機の性能や運航に関する様々な知識が必要です。「運航支援業務」の延長上に「運航管理業務」があるのですが、これを行うことができる「運航管理者」の国家資格を入社3年目で取得しました。「運航管理者」は気象条件やその他の運行情報を確認しながら、飛行ルートや高度、燃料の積み込み量などの飛行計画(フライトプラン)を作成し、パイロットと連携して安全に運航できるよう管理します。時々刻々と変わる気象状況を把握しながら、飛行高度等をアドバイスするナビゲーター的な役割もあり、地上にいるもう一人のパイロットと呼ばれることもあります。そして、空のことだけでなく地上(空港)で起こることも把握しておかなければいけない。デイトレーダーのように9個ぐらいの画面を常に見ながら、航空機と同時に地上のスタッフの動きや状況も把握しながら仕事をしています。飛行機を運航する際は、事前には何重にも予防線を張り運航し、何が起こっても焦らず冷静に対応することが求められます。これがこの仕事の難しいところでもあり、やりがいでもありますね。
現在は、運航支援をしている人たちをサポートするシステムやルールづくり、対外調整の仕事を担当しています。社内ではパイロットや地上職との調整、社外では国土交通省や同業他社との調整業務をしています。この仕事をしていて感じるのは、結局は人と人をつながないと仕事にならないということ。海外の人と接する場合はとくにそう思います。初対面の人と一緒に話したり食事をしたり、プライベートな時間を共有したりすることで、一気に打ち解けて、スムーズに話が進んだりすることもあります。この仕事を通じて相手のことを知り、相手の立場で考えるというコミュニケーションにおける姿勢の大切さを学びましたね。
最後にANAには何かを始めたいというときに、その挑戦を支えてくれるよき上司や同期、後輩が多く、挑戦を支える環境、風土がある。僕もそうやって支えられてきたので、今後は逆に僕が支える側になっていろいろサポートできたらと考えています。自分の経験やANAで働く人の魅力、ANAという会社の良さをいろいろな人に伝えて、知ってもらいたいというのが僕の今後の夢ですね。

 

 

プロフィール

大久保 隆史(OKUBO.TAKAFUMI)
茨城大学教育学部附属中学校、茨城県立水戸第一高等学校、東北大学工学部 建築・社会環境工学科を経て、ANAエアポートサービス株式会社 オペレーションサービス部に所属。
ANAWebサイト

 

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